1-173
長ギャップ放電と絶縁シートを用いた風力発電機ブレード雷害保護研究
◎高村紀充・松本宇生・生澤泰二・花井正広・西嶋喜代人(福岡大学)
本論文では、雷を模擬した長ギャップ雷インパルス放電とブレードを模擬した絶縁シートを用いて、放電が絶縁物を貫通する現象について調査した。その結果、正極性に比べ負極性放電の方が絶縁シートを貫通しやすいということが分かった。この理由の一つとして、負極性では棒電極先端から進展するストリーマ放電の広がる範囲が比較的狭いのに対し、正極性ではその範囲が広くなることが要因であると考えられる。負極性ではシート裏面でもストリーマ放電が発生・進展しやすくなり、正極性では逆にストリーマによりシート表面が正に帯電することでシート裏面の電界が低減し、ストリーマ放電が発生しにくくなると考えられる。