電気学会全国大会講演要旨
2-004
エポキシ樹脂の熱収縮量が部分放電開始電圧に及ぼす影響
◎田邉早紀・飯田和生・梅村時博(三重大学)・匹田政幸・小迫雅裕(九州工業大学)・中村勇介(東芝)・東山雅一・前田照彦・中前哲夫(東芝産業機器システム)
固体絶縁機器の絶縁内部において、絶縁物の内部にボイドや剥離等の欠陥部分が残存すると、部分放電の発生につながり、絶縁機器の劣化を早める。機器寿命と部分放電の関係の解明は大きな課題であり、本研究では、部分放電開始電圧に対して影響を及ぼす要因について調査するため、熱機械分析装置を用いて、エポキシ樹脂のTgと寸法変化率を測定した。 結果、Tg が低いとPDIV が低いという傾向が見られた。このことから、Tgが高い試料に比べてTgが低い試料は試料作製後に冷却する際に収縮量が大きくなるので、電極と試料の間が剥がれ易くなる。剥離が生じるとそれが欠陥となり、低い電圧での部分放電の発生につながると考えられた。