電気学会全国大会講演要旨
2-016
X線位相イメージングを用いた充填剤入りエポキシ樹脂中における電気トリーの観測
◎尾澤一輝・中村隆央・熊田亜紀子・日高邦彦(東京大学)・加藤達朗・山極時生(日立製作所)
固体絶縁樹脂の劣化現象として電気トリーが知られているが、電力機器に用いられている絶縁樹脂は充填剤が添加されているために不透明となっており、可視光で観測することができない。そこで本研究ではX線位相イメージングを用いて絶縁樹脂中の電気トリーを可視化した。その結果、半透明な絶縁樹脂サンプルでは明瞭な電気トリーの観測に成功した。一方で、光学顕微鏡で観測が困難な程度に不透明な絶縁樹脂サンプルではX線を用いて電気トリーの観測に成功したが、半透明なサンプルに比べて明瞭さに欠ける結果となった。今後はさらに様々なサンプルで観測を試みると同時に、より鮮明な観測のための改良を施していく予定である。