高電圧下で使用する電力機器の絶縁材料にはエポキシ樹脂が多用されており、熱的、機械的特性改善のためにミクロンサイズの充填剤を添加して使用される場合がある。しかし、樹脂に対して重量で数倍の充填剤を必要とするため、時には電気絶縁性能を犠牲にする場合もある。しかしながら、こうした充填剤をナノサイズにしてマトリクス樹脂と相互作用させることにより、重量で僅か数%の充填で従来のミクロンサイズの充填剤では得られなかった特性を引き出せる可能性がある。本研究では、ナノ・マイクロ充填剤がエポキシ樹脂中のトリーイング特性に与える影響を調査するため、トリー発生・進展の様子を観測したので報告する。