電気学会全国大会講演要旨
2-025
テラヘルツ分光および赤外分光測定による熱劣化シリコーンゴムの解析
◎小高大祐・小松麻理奈・平井直志・大木義路(早稲田大学)
シリコーンゴムは、原子力発電所用低電圧ケーブルに絶縁材料として使用されており,原子力発電所のさらなる安全性向上のために,その劣化状態を把握することは重要である。本研究では,220〜280℃で0〜1500時間熱劣化したシリコーンゴムについて、0.5〜5.0THzにおけるテラヘルツ透過吸収スペクトルを測定した。その結果,280℃の熱劣化試料では、劣化時間の増加に伴い1.1THz付近の吸収は減少し,4.1と4.6THz付近の吸収は増加することがわかった。以上より,テラヘルツ吸収分光測定により,熱劣化したシリコーンゴムの劣化状態を把握できる可能性がある。