電気学会全国大会講演要旨
2-031
真空加熱処理したXLPEフィルムの高温直流電界下における空間電荷分布と外部回路電流の同時測定
◎春日博希・藤富寿之・三宅弘晃・田中康寛(東京都市大学)
HVDCにおいて、XLPEケーブルの使用が望まれているが、XLPEケーブルに直流高電圧を印加すると空間電荷が蓄積し、絶縁破壊電界以下でも絶縁破壊が生じてしまう可能性がある。これは、空間電荷の蓄積に起因すると言われているが、高温高電界下における空間電荷分布の蓄積現象については、多くは報じられていない。そこで、ケーブルの実運用環境である高温環境下で空間電荷分布と外部回路電流の同時測定が可能なPEA装置を開発し、高温環境下において真空加熱処理したXLPEを用いて空間電荷挙動と伝導電流特性を調査した。その結果、温度上昇により空間電荷の移動速度が上昇し、高温下では電流値は印加電圧の極性によって顕著に差が生じることが明らかになった。