電気学会全国大会講演要旨
2-039
正弦波電圧下でのフィラー添加ポリイミド内の空間電荷挙動の調査
◎太田弘一・熊岡賢祐・三宅弘晃・田中康寛(東京都市大学)
インバータ駆動モータではPWM(Pulse Width Modulation)のスイッチングによって正弦波を模擬した電圧をモータ巻線に印加する。モータ巻線被覆材料には30 µm程度の厚さの絶縁材料が使用されているが、交流電圧の印加により絶縁性能の低下が懸念されている。本研究ではパルス静電応力(Pulsed Electro-Acoustic:PEA)法を用いて、特殊フィラーを添加した厚さ25 µmの市販のポリイミドフィルムであるKapton®CRの、直流高電圧下における空間電荷分布測定を行ってきた。今回は交流電圧印加がKapton®CRの絶縁性能に与える影響を調査するため、交流電圧を印加した試料と印加していない試料に直流電圧を印加した。その結果、交流電圧を印加した試料では絶縁破壊電界が低下し、空間電荷挙動も異なることが明らかになった。