電気学会全国大会講演要旨
2-049
各種フィラーを充填したエポキシ樹脂の絶縁破壊
◎木田庄俊・村上義信・川島朋裕・長尾雅行(豊橋技術科学大学)
高電圧下で使用する電力機器の絶縁材料には、機械強度、耐熱性、電気絶縁性、低コストの観点から熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂が多用されている。しかし、エポキシ樹脂のみでは、機械的・熱的物性が不十分であるため、ミクロンサイズの無機物充填剤を充填することが多いが、樹脂に対して重量で数倍の充填剤を必要とするため時には絶縁性能を犠牲にする場合もある。しかしながら、こうした充填剤をナノサイズにしてマトリクス樹脂と相互作用させることにより、重量で僅か数%の充填で、従来のミクロンサイズの充填剤では得られなかった特性を引き出せる可能性がある。本研究では、エポキシ樹脂を用いてナノマイクロコンポジットのフィルムを作製し、McKeown型電極系を用いて絶縁破壊の強さを調査したので報告する。