電気学会全国大会講演要旨
2-060
ポリエチレンテレフタレートの劣化に伴う可視・紫外光吸収の変化と計算による検証
西川聖也・◎七尾洋介・宮本真希・吉川武司・中井浩巳・大木義路(早稲田大学)
ガンマ線を照射したポリエチレンテレフタレート(PET)に対して可視・紫外光吸収測定を行った結果、エネルギーギャップより0.3 eV低い、3.7 eV付近にピークを持つ吸収帯を観測した。既報の紫外線を照射したPETにおいても、約3.7 eVの吸収の増加が報告されており、Norrish II型光分解による主鎖の切断が生じていることが示唆されている。本稿のガンマ線照射した試料にも、上記光分解による主鎖の切断が生じていると仮定し、量子化学計算を用いて検証した。その結果、3.7 eV付近の吸収の増加は、主鎖切断により形成された、C=C結合部のHOMOからLUMOへの遷移に起因する可能性が示された。