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宇宙機用絶縁材料用二次電子放出係数測定システムの改良
◎小玉一貴・谷口大明・三宅弘晃・田中康寛(東京都市大学)・大平正道・奥村哲平・川北史朗・高橋真人(宇宙航空研究開発機構)
宇宙機は宇宙空間に存在する電子線などの放射線により表面材料において帯電・放電をし、これらは運用異常の一因となっている。そこで現在、国内の衛星開発では設計段階にて二次電子放出係数(SEEY)などの帯電に関する物性値を用いた帯電解析がなされている。これまで、本研究グループでは300 eV ~ 10 keVという一次電子エネルギーEp範囲でSEEY測定を行ってきた。Epに対するSEEYを表した二次電子放出特性は、ピークを持ったカーブを描く。一般的にピークは低Epにて現れることから、更に低いEp範囲でのSEEY測定が求められる。今回、既存の測定システムを改良し、更に低いEpでのSEEY測定が可能なシステムを構築したので報告する。