電気学会全国大会講演要旨
2-064
可変配合注型法を用いた誘電率傾斜機能材料(FGM)によるGISスペーサの電界緩和効果
◎宮路仁崇・栗本宗明・小島寛樹(名古屋大学)・加藤克巳(新居浜工業高等専門学校)・早川直樹(名古屋大学)
ガス絶縁開閉装置(GIS)スペーサの電界利用率の向上に向け,ε-FGMの新しい作製方法として可変配合注型法を想定し,GISスペーサ適用時の電界緩和効果について検討を行った.可変配合注型法では,複数のコンポジット材料の配合割合を連続的に変化させて混合し,注型金型内で加熱成型することによってε-FGMを実現できる.このε-FGMをGISスペーサに適用した結果,従来スペーサに比べて,3重点近傍の最大電界が28%低減されることがわかった.これより,可変配合注型法は,スペーサ内部の比誘電率分布を任意に制御し,より実用的なε-FGMスペーサの作製およびGISの小型化・高度化に寄与することを明らかにした.