電気学会全国大会講演要旨
2-072
氷エレクトレットの脱分極電流特性
◎大鹿佳子・橋本知昌・村本裕二・清水教之(名城大学)
本研究室では、これまで氷を極低温における誘電・絶縁材料としての応用について検討してきた。本研究では、氷の誘電的性質に着目した。極低温では、強誘電性をもつ氷として氷XIが存在するが、作製は大変困難である。そこで著者らは、氷に直流電界を印加し、そのまま77 Kまで冷却することで、氷XIと同様に分極を保持した氷を作製した。このように電圧を印加したまま冷却し、分極を保持させた物質をエレクトレットと呼ぶため、この氷を氷エレクトレットと呼ぶ。これまで筆者らは、氷エレクトレットを作製し、温度上昇による脱分極電流から蓄積される電荷量について報告してきた。今回は、氷エレクトレットの脱分極電流特性を詳しく観測したので報告する。