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レーザアニールによるダイヤモンド状炭素の電気,光学的特性改善
○渡邉 学・大野貴史・胡桃 聡・松田健一・鈴木 薫(日本大学)
DLC薄膜はレーザアニールによりダイヤモンド化することが期待されていることから,我々はDLC薄膜のバンドギャップ0.8〜3.3 eVからダイヤモンドの5.6 eVまでレーザの照射条件によって制御できるのではないかと考えている。
本稿ではDLC薄膜の電気,光学的特性を改善するために,DLC薄膜に対しレーザアニール処理を行い,アニール処理後のDLC薄膜の特性改善を実験的に検討した。
DLC薄膜はイオン化蒸着法により成膜され,Nd:YAGレーザ(波長 355 nm,パワー密度 3.0W/cm-1)でアニール処理を行った。顕微ラマン分光測定結果により成膜後のD-peakとG-peakの強度比ID/IG は0.29であり,アニール後はID/IG = 0.75と確認できた。このことから,レーザアニールによってDLC薄膜中のダイヤモンドが支配的となることが確認された。