電気学会全国大会講演要旨
2-087
溶液プロセスで作製した透明ZnO膜のUV照射による低抵抗化と波長依存性
◎米元謙太朗・清野裕斗(東京工業大学)・我田 元(信州大学)・松下伸広(東京工業大学)
近年、透明導電膜はハイテク産業に必要不可欠な材料となっているが、その代表でもあるITOには高コストという問題点がある。したがって本研究ではスピンスプレー法という溶液プロセスにより、資源の豊富な酸化亜鉛を安価に成膜することを目的とした。スピンスプレー法でクエン酸イオンを同時にスプレーすることで(002)方向の結晶成長を抑制し、可視光領域で透過率80%以上の透明な酸化亜鉛膜を得られた。厚さは約1マイクロメートルであり、UV-A(320〜380 nm)を照射することで抵抗率が減少し、導電率が向上する結果となった。この低抵抗化のUV波長依存性を評価するため、特定のUV波長(340, 365, 370, 380 nm)を照射し、効果的に低抵抗化できる波長をさらに調査した。