電気学会全国大会講演要旨
2-106
二段階熱処理を用いて作製した異方性Sm-Co厚膜磁石の磁気特性
◎古川雄也・古閑浩晃・柳井武志・中野正基・福永博俊(長崎大学)
我々は,等方性Sm-Co/α-Feナノコンポジット磁石で100 kJ/m3を超える最大エネルギーを報告しており,異方化することで更なる磁気特性の向上が期待される。異方化は成膜中の基板加熱により実現されるが,高温・長時間の加熱は積層構造を破壊する。一方、Nd-Fe-B磁石では低温で磁石膜を作製し、ポストアニーリングする二段階熱処理を行うことで異方性磁石が得られることが報告されている。この低温での成膜によって積層構造の破壊を抑制できる可能性があるため、本研究では,異方性Sm-Co/α-Feナノコンポジット磁石を作製する前段階として,二段階熱処理を用いて,高温・長時間の加熱を避けつつ,異方性Sm-Co厚膜磁石を作製した。本報告では,その磁気特性を報告する。