電気学会全国大会講演要旨
3-016
1200V系IGBT/FRDの高温動作に向けたシミュレーションによる漏れ電流の考察
◎花形祥子・松下憲一(東芝)
HEV / EV(Hybrid / Electric Vehicle)のインバータに用いられているIGBTやダイオードは、冷却系の簡素化のため、動作温度を現在の150℃から可能な限り高温にすることが求められている。高温動作においては、温度上昇に伴う漏れ電流増加の抑制が重要であるが、従来のシミュレーションモデルでは計算結果が実測の漏れ電流値と一致しなかった。そこで今回は、漏れ電流を求める際の再結合速度の算出に、トラップ準位密度やトラップ準位エネルギーの値を導入したところ、高温度域におけるダイオードの漏れ電流の実測値を再現することが出来た。この時実測に合わせたシミュレーションモデルを用いて、実デバイスの構造を加味した漏れ電流の計算を実施し、実際のダイオード構造の高温動作について議論する。