近年，神経振動子モデル，リカレントニューラルネット，多項式力学系などの非線形動的システムを用いて波形生成を行う研究が盛んになってきたが，システム構成やパラメータ値を適切に設計することは一般的に難しく，複雑な所望波形を精度よく実現したい場合には，その傾向がより顕著になる．その観点から筆者らは既報にて，異なる周期をもつ比較的単純な要素振動子の並列動作から所望波形を合成する波形生成器の構成とパラメータ学習，および実機実装に関する報告を行った．本報告では，長時間にわたる波形維持を目的とした要素振動子間の結合に着目し，注入型パルス結合による振動子間位相差の安定化とその波形学習への影響に関する検討を行う．