電気学会全国大会講演要旨
3-046
外耳道の音響インパルス応答に基づく生体認証
◎古澤大樹・吉元俊輔・黒田嘉宏・大城 理(大阪大学)
イヤホン型装置による耳の生体情報に基づく個人認証は,携帯端末や音楽プレーヤなどにおいて利用が期待されている.本研究では,インパルス音に対する外耳道の音響応答が個人間で異なることを利用して,汎用的なイヤホン型装置で認証を行えるという収集性に優れた個人認証システムを提案する.時間領域の信号から三つ,フーリエ解析により得た周波数領域の信号から五つ,計八つの特徴量を抽出し,ユークリッド距離に基づいて識別を行う.被験者10名に対してイヤホン型装置を装着し,安静時の信号を計測し認証評価を行ったところ,94 %の認証率で個人を識別できることが確認された.今後は,利用人数の拡張に加え,表情変化や動作による雑音に対するロバスト性について検証を行う予定である.