電気学会全国大会講演要旨
3-094
水晶振動子式水素センサを使用した白金黒触媒の最適化
◎楊 凱麟・大井川 寛・池沢 聡・植田敏嗣(早稲田大学)
水晶振動子を利用した接触燃焼式水素センサの感度を向上させるために,立体的なナノ構造を有した白金黒触媒を電気メッキにより形成する研究を進めてきた。しかし,白金黒皮膜の状態によっては振動子のQ値が著しく低下しセンサとして動作できない問題が発生したため,感度とQ値が両立できる最適な白金黒膜厚について検討を行った。その結果,白金黒膜厚に対してQ値が指数関数的に減少することが明らかとなった。また,膜厚100nm程度の比較的薄い白金黒触媒を形成した水晶振動子式センサは,厚いものより高い感度を示すことがわかった。従って,ナノ構造の触媒ではセンサ感度に対して表面積だけでなく他の影響も考慮する必要があると考えられる。