3-102
質量分析器データに基づく要素臭を用いた車室内臭の再現
◎市川 慧・中本高道(東京工業大学)・山田洋史(マツダ)
近年、匂いを調合し提示する装置である嗅覚ディスプレイの研究が進んでいる。また自動車業界では、車室内の匂いが不快な場合があり、車室内の匂いの空間設計のニーズがある。本報では40車種の車室内臭を嗅覚ディスプレイによって再現するために、それらの質量分析器データを測定し、非負値行列因子分解法によって再現臭を表現するような要素となる匂い(以後要素臭と呼ぶ)を求めた。8個の要素臭によって十分に質量分析器データを近似できていることを確認した。また、これらの要素臭を構成する化合物を選定するために、約2万個の化合物データベースから非負拘束最小二乗法を使用したアルゴリズムを使用し、64個の化合物を選定した。