3-112
人工視覚デバイス用3次元電極の作製と特性評価
◎小部 涼・林 恵・野田俊彦・竹原宏明・笹川清隆・徳田 崇(奈良先端科学技術大学院大学)・呉 重雨(台湾国立交通大学)・太田 淳(奈良先端科学技術大学院大学)
失明した患者の視覚再生を目指した人工視覚デバイスは、網膜刺激電極を微細化して解像度を向上させることが求められており,微細かつ高性能な電極の開発が急務となっている。本研究では電極を3次元化して表面積を拡大し,かつ電荷注入能力が高いIrOXを用いることで、微細かつ高性能な網膜刺激電極の作製と評価を行った。網膜刺激用CMOSチップ上にAuバンプを形成して3次元化し、IrOXで表面をコーティングして刺激電極を作製した。生体内環境を模擬して試作電極の特性評価を行ったところ,従来型の平面電極よりも高い電荷注入能力を示した。本構造を用いれば刺激電極のさらなる微細化も可能であり,高精細な人工視覚の実現が期待される。