近年、薬剤耐性菌の増加による食中毒や感染症が深刻化しており、抗生物質を用いない治療技術の開発が急務となっている。ファージセラピーは、細菌に寄生するバクテリオファージを用いて標的病原菌のみを殺滅する手法である。ただし、商用薬剤として使用するには、精製濃縮工程の確立が必須となる。本報では、誘電泳動(dielectrophoresis：DEP)に着目し、T4ファージを捕集対象とし、周波数依存性からDEPによる効率的な捕集条件を検証した。また、捕集時の電極部を等価回路でモデル化した。各周波数におけるファージ捕集数に対する電極間コンダクタンスの変化を数値的に解析した。