本論文では，国際電気標準会議(IEC)におけるEMC規格の動向を纏め，現状の問題点と課題を整理する。さらに，電力線搬送通信PLCに対する電力変換装置の影響を評価する基礎検討を実施する。被試験機を複数使用して評価を実施した結果，正常受信回数には大きなばらつきがあり，PLC通信に影響を与えない装置も存在することを示す。また，EMIフィルタの有無による評価から伝導ノイズのみが通信悪化の要因ではないことを示す。さらに，複数の電力変換装置を並列駆動させた場合の影響を評価し，単体評価でPLCの受信状態がよくない条件では，並列駆動時に他方のPLCにも影響を与えることを示す。最後に，PLCの種類によっても受信回数に差が生じることを示す。