鉱油入変圧器は、機器の異常（放電や異常過熱など）によって生成する油の分解ガスを指標とした異常診断ガイドラインが構築されている。しかし、非鉱油（シリコーン油など）入変圧器においては、油の分解挙動の知見が少なく鉱油入変圧器の診断データを目安として用いているため、精密な診断が困難であった。本発表では、シリコーン油入変圧器の異常過熱温度の推定を可能にするために、シリコーン油の熱分解により生成する特徴的な化合物である環状シロキサンに着目し、この化合物が過熱温度を推定する指標となることについて発表する。