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ガス絶縁変圧器適用の多様化と設計合理化
○加川博明・小林隆幸(東京電力)・吉田 聡・千切健史・可児文二(東芝)
ガス絶縁変圧器は不燃性の機器であり,優れた防災性から短絡容量増大への対応が容易であること,防火対策の簡素化を図れること,油入変圧器に比べコンサベータなどが無いため変圧器室の階高を低くでき建物も含めた建設コストを低減できるなどのメリットを活かし,1980年代後半から地下変電所へ適用されてきた。
一方で,水力発電所における河川への油流出リスク低減のためのオイルレス機器であるガス絶縁変圧器の適用や,敷地が狭隘な屋外変電所においても防火対策の簡素化により機器配置が可能となることから,ガス絶縁変圧器の適用ニーズが高まってきている。
そこで,使用者と製造者が協働して大幅なコストダウンを実現するため,原価分析やサプライチェーンの分析,プロト器による検証試験などを行い,抜本的な仕様・構造の合理化や新素材・新技術の適用を図った次世代のガス絶縁変圧器を開発・実用化した内容について今回紹介する。