本研究では，超電導限流器のクエンチ環境を想定した電界／熱複合ストレス下の動的絶縁破壊特性について検討を行っている．球－ニクロムシート電極を用いて熱量を注入しない場合，電極ギャップ空間に過渡的および定常的に熱量を注入して気泡を発生させた場合の3通りについて圧力と熱量注入時間をパラメータとして検討を行った．その結果，クエンチ環境を想定する場合には過渡的かつ短時間に熱量を注入した場合の検討によって合理的な絶縁設計が可能であることを示唆した．また，絶縁破壊発生時間のワイブルプロットより，動的絶縁破壊は時間の経過に伴いメカニズムが切り替わっていることを示した．