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EMTPによる電鉄用変電所の雷サージに対する共振現象に関する一検討
○田中弘毅・川原敬治(西日本旅客鉄道)・林 謙治(かんでんエンジニアリング)・長岡直人(同志社大学)
筆者らは先に、文献(1)において在来線電気鉄道用変電所(以下、変電所)において雷により変電設備が損傷する事象について報告し、変電設備機器の損傷原因のひとつとして、変電所の交流側に設置されている避雷器位置を変更することにより機器に生ずる過電圧を解析し、これを抑制する手法を提案した。また前報では、変圧器の巻線のキャパシタンスの影響についても検討している。本稿では、先の検討に加え、それぞれの変電設備機器がもつ固有振動周波数により発生する過電圧について解析する。解析には、過渡現象解析プログラムEMTP(Electro-Magnetic Transients Program)を用いた。解析結果から,500kHz〜1MHzの周波数成分を有する侵入雷サージの場合は,変圧器の共振にともない更なる過電圧が発生する可能性があることを示した。