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低熱膨張有機繊維を用いたプリント基板の検討
○上條弘貴(鉄道総合技術研究所)
近年、電子機器では小型化、高密度化、高性能化が進み、電子部品からの発熱による温度上昇で、基板、電子部品の熱収縮差に起因したはんだクラックなどが、信頼性の低下につながるとされている。そこで、絶縁性があり、負の線膨張係数がある有機繊維を基材とした低熱膨張プリント基板を試作し、線膨張係数を把握するとともに、表面実装された抵抗器と基板の熱収縮特性を測定した。その結果、負の値を持つPBO繊維を基材に用いることで、ガラス繊維を基材とした一般的な基板に比べて熱収縮を抑えられること、表面実装された抵抗器と基板の変位の差がガラス繊維を基材とした場合の1/2〜1/3程度ではんだ接合部での発生応力が抑えられることを確認した。