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車載高電圧蓄電池の短絡電流抑制のためのヒューズ配置指針
○田口義晃・門脇悟志・小笠正道(鉄道総合技術研究所)
鉄道車両の駆動用蓄電池の主流であるリチウムイオン電池は、過大な電流が継続すると火災につながる場合がある。よって、短絡・地絡電流の抑制は重要な課題である。蓄電池箱内部の短絡や地絡はヒューズで遮断する設計が多く、ヒューズ配置の統一的な指針が望まれる。そこで、箱内部で生じる短絡電流について簡便な試算を行い、試算結果に基づくヒューズ配置指針として次の2点を示した。①短絡電流が許容範囲内となるよう、セルが直列されたバンクの中間の所定セル数毎にヒューズを挿入する。②多バンク並列システムでは健全バンクから異常バンクへの流入電流が過大になる場合があるため、バンク両端にヒューズを挿入する。これらがヒューズ配置を効率的に決定する一助になるものと考える。