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金属筐体内の模擬部分放電による表面電流の伝搬特性解析
◎糸瀬晶彦・小迫雅裕・匹田政幸(九州工業大学)
我々は,変圧器等の電力用受変電設備の絶縁診断手法として過渡接地電圧(TEV)法について検討してきた。本報では,TEV信号の発生原因となる表面電流に関して時間領域差分法(FDTD)を用いて開口窓があるタンクを模擬し,漏出する電磁波伝搬特性について検討した。その結果,開口窓から離れるにつれて表面電流は減衰しながら伝搬することが分かった。さらに,タンクの内と外の観測点における表面電流の周波数特性について解析すると,開口窓の大きさは信号強度にだけ影響を及ぼし,タンクの大きさで決定される共振周波数を持つ表面電流が内外にて検出されることが分かった。この知見は,部分放電源がタンク内か外かの位置識別の可能性を示唆する。