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日本の電力系統における天然ガス運用を考慮した最適電源構成の分析
◎宮路卓弥・小宮山涼一・藤井康正(東京大学)
太陽光発電,風力発電を拡大させる際,出力変動を調整する能力が高いLNG火力発電が重要な役割を担う。しかしLNGは柔軟な燃料調達・貯蔵・運用が困難であり,計画的な調達・運用が求められる。将来,太陽光,風力発電が大量導入された場合,LNGの調達・運用に多大な影響を与える可能性がある。また日本では中東やアフリカからのLNG輸入比率が上昇し,マラッカ海峡を通航するLNG量が増加しており,LNG安定供給確保も重要な課題である。そこで本稿では,日本の電力基幹系統と天然ガスインフラを総合的に考慮した最適電源構成モデルを開発し,太陽光・風力大量導入やマラッカ海峡封鎖によるLNG供給途絶が,日本の電力需給に与える潜在的な影響を分析する。