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大規模地震リスクに対する首都圏のエネルギー供給レジリエンスに関する経済性評価
◎松澤宏務・小宮山涼一・藤井康正(東京大学)
近年、首都直下地震などの大規模地震発生による深刻なインフラ被害が懸念され、レジリエンスを考慮した対策が求められている。ただし、発生頻度が低い出来事に備えるための投資には、経済的合理性の考慮が不可欠である。本研究では重要エネルギー源である電力・石油の供給について、コスト最小化型の数理モデルを用いて、レジリエンス向上施策の経済性評価を行う。具体的には、非常用電源燃料の備蓄合理性、地域間電力連系線の増強、油槽所の強靭化に関する経済性の分析結果を報告する。電力・石油需給の相互依存性を含む工学的・社会的制約の詳細な考慮の下、レジリエンス向上施策の経済性評価を行った点に、本研究の既往研究にない特徴がある。