電気学会全国大会講演要旨
6-170
将来の配電系統の高度化に関する基礎検討-その5 PVが集中導入された配電線に対する部分昇圧の効果-
○新田雄司・飯岡大輔(東北大学)・馬場旬平(東京大学)・太田 豊(東京都市大学)・徳田憲昭(エネルギー総合工学研究所)・浅野浩志(電力中央研究所)
筆者らは,将来の配電系統を高度に制御・運用する方法を明らかにすることを目的として,配電系統を部分昇圧する方法と無効電力調整機器の制御による方法の電気的特性を比較している。本稿では,配電系統の部分昇圧モデルや無効電力調整機器モデルなどを用いて,太陽光発電システムが集中導入された場合を対象に,定常的な電気的特性を明らかにした結果を述べる。6.6kV配電線の幹線部分を22kVに昇圧した部分昇圧モデルを用いた場合,太陽光発電の集中導入による電圧上昇最大値は,従来系統と比較して,住宅地の場合は12%,農山村の場合は37%にまで抑制できることを示した。また,部分昇圧と同じ効果が得られる無効電力調整機器の無効電力注入量を明らかにした。