近年、日本国内では、風力発電機群の系統連系が進みつつあり、それに伴う系統同期安定性の低下が懸念されている。風力発電機に搭載される発電機は大きく4種類に分類されるが、中でもVSWT-PMSG(Variable Speed Wind Turbine -Permanent Magnet Synchronous Generator ; 永久磁石型同期発電機搭載の可変速風車)が導入された電力系統の安定性解析に関する検討は多くない。本稿では、上述に対する基本的検討として、VSWT-PMSGのBack-to-Backの直流リンクに伝わった系統動揺を、風車にも分配させるような風車側コンバータの制御法を検討し、従来法との比較を行った。計算機シミュレーションの結果、コンバータ制御法の変更は、系統動揺を風車まで伝播することを可能にしたが、SGの動揺抑制には効果がないことが判明した。