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多種カチオンによるゲル電解質型色素増感太陽電池の高性能化
◎松本雄志・奥野 光(筑波大学)
色素増感太陽電池(Dye-sensitized Solar Cells ; DSC)は低コストで生産できる新規な太陽電池である。しかし変換効率、長期安定性が低いことが現状の課題である。近年、電解質の漏れや電極の腐食を防ぐことができ長期安定性に優れたゲル電解質型DSCが注目されているが、その変換効率は従来のDSCに比べ劣る。そこで本研究は多種のカチオンを用い、それぞれが持つ効果を組み合わせることでゲル電解質型DSCの変換効率向上を目指した。その結果、|K+|=0.100[M]、|Hex4N+|=0.225[M]、|EMIm+|=0.325[M]の組成で変換効率の向上が確認できた。また多種カチオンを用いることでゲル電解質型DSCの変換効率を向上させるためには、JSC、VOC、FFをそれぞれ向上させられる三種類のカチオンの組み合わせが有用であることが示唆された。