電気学会全国大会講演要旨
7-077
模擬実験によるリニア式波力発電の出力向上に関する検討
◎紙屋大輝・後藤博樹・一ノ倉 理(東北大学)
再生可能エネルギーへの注目が高まる中,周囲を海で囲まれている日本においては,波力発電は特に重要といえる。しかし,波力発電設備は沖合の海中に設置されることから高い保守性が必要であることや設備の大型化により,発電コストが高いことから,いまだ商用化には至っていない。波力発電にはいくつかの方式があるが,筆者らはリニア発電機を用いたポイント・アブソーバ式波力発電装置に着目した。本方式は浮体の上下動をリニア発電機により直接電気エネルギーに変換するため,機械損失を減少でき,保守性にも優れるが,実用化にはさらなる高出力密度化が求められる。本稿では,制御手法に注目し,いくつかの制御手法について実際に制御装置を試作し,模擬実験により比較検討を行ったので報告する。