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三層同時押出方式6.6 kV撤去CVケーブルの水トリー加速劣化後における各種絶縁特性評価
○栗原隆史(電力中央研究所)・樺澤祐一郎・本間絹二・佐藤智之(東北電力)
乾式架橋・E-E方式の6.6 kV CVケーブルでは橋絡水トリーが発見されたという例はまだ報告されておらず,劣化判定基準を確立するためには,ある程度経年を経て撤去されたケーブルに対して水トリー加速劣化試験を実施し,水トリーを伸展させる必要がある。本研究では,経年20年程度の撤去CVケーブルについて,水トリー加速劣化試験を行い,直流漏れ電流法,誘電正接(tanδ)法,残留電荷法,交流重畳法といった診断手法を適用して絶縁特性を把握した。その結果,加速劣化後のtanδ,残留電荷量,交流重畳法によって得られる1 Hz交流電流は加速劣化前に比べ増加することを確認した。このため,加速劣化により水トリーが伸展したものと推察されるが,直流漏れ電流の増加は顕著ではなく,橋絡水トリーの発生には至っていないと考えられる。