閉ループダイナミックFIAを用いた低電力デルタシグマアナログ-デジタル変換器
○松岡 英(東京大学),根塚 智裕(ミライズテクノロジーズ),飯塚 哲也(東京大学)
オーディオやセンサ用途では、高精度アナログ-デジタル変換器 (ADC)が必須であり、離散時間デルタシグマADC(DT DS ADC)がよく用いられる。DT DS ADCを低電力とするため、静的電流がないダイナミックアンプ(DA)を用いる研究が報告されている。本研究は閉ループ構造のDAであるFloating inverter amplifier(FIA)を用いた二次DT DS ADCを提案する。FIAは出力同相電圧が安定かつ入力の同相電圧の変化に強いという特徴を持つ。高SNRを実現するため、Cascode FIAによる二段FIA回路を提案した。シミュレーションにより、提案FIA回路は高ゲインかつ入力の同相電圧の変化に強いことを確認し、提案ADCは消費電力は45.5µWで83.6dBのSNDRを達成した。