アンテナダメージと経年劣化がCMOSに及ぼす影響の実測評価
○小高 孔頌,岸田 亮(東京理科大学),小林 和淑(京都工芸繊維大学),兵庫 明(東京理科大学)
集積回路の配線加工工程での問題としてアンテナダメージ,連続使用での問題として経年劣化がある.回路設計者はこれらによるMOSFETのしきい値変動量を把握し,設計する必要がある.アンテナダメージ及び経年劣化を評価するため,アンテナ比と配線層を変えた電流スターブ型リングオシレータの発振周波数変動量を測定する.65nmプロセスで試作して測定した結果,経年劣化によるMOSFETのしきい値変動量はアンテナ比,配線層の違いに影響されない.アンテナダメージに関してはアンテナ比による影響はないが,配線層による影響はある.NMOS,PMOSでダメージを受けない場合と比べて,それぞれ最大10.2%,11.4%のしきい値変動が生じる.