LSIとシステムのワークショップ2026

5月13日(水)~5月14日(木)

講演概要

AIブーム崩壊の危機 ― 日本に求められる半導体・電力一体型の国家戦略

person 湯之上 隆(微細加工研究所)

米中のハイパースケーラー各社は AIデータセンターへ空前の巨額投資を続けているが、三重苦の供給制約に直面している。第一に、TSMCの最先端ノード転換に伴うキャパ低下と CoWoSパッケージ不足により、AI半導体が十分に作れない。第二に、広帯域メモリ(HBM)用EUV装置の供給不足や、DDR-DRAM・SSD・HDDの逼迫により、AIサーバーが作れない。第三に、桁違いの電力需要に対し供給が追いつかず、データセンターが稼働できなくなる可能性がある。同時に、TSMCが撤退する成熟ノード市場を中国勢が急速に埋めつつあり、中国 Huaweiの自前EUVの試作や米 Teslaの自社 Fab 構想など、供給構造自体が激変しつつある。日本の装置・部材メーカーは中国成熟市場・最先端のTSMC台湾&TSMC アリゾナの三正面を同時攻略する必要があり、需要側も TSMCと成熟フ ァウンドリーによる多元調達体制へ速やかに移行すべきである。AI競争の本質は技術の優劣ではなく制約資源の争奪戦であり、日本は半導体&電力一体化型の国家戦略策定が喫緊の課題である。

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