一般講演

論文一覧

2705-A3 電力システム（開閉器・避雷器） GIS・LA3月11日午後 2号館 2705教室
講演番号	タイトル
講演番号	著者名（所属名）
6-001	スマートGIS機器監視システムの実用化
6-001	○内田和徳・阿部裕太・小池徹・下河内侑（東芝エネルギーシステムズ）・馬場清隆・中畑匡章（東京電力パワーグリッド）電気学会全国大会講演要旨 6-001 スマートGIS機器監視システムの実用化 ○内田和徳・阿部裕太・小池徹・下河内侑（東芝エネルギーシステムズ）・馬場清隆・中畑匡章（東京電力パワーグリッド）近年，高経年化した変電設備が増加しており，それに伴って，これまで以上に保全業務の負担増加が懸念される。機器状態を常時監視可能なスマートGISの実現による保全業務の省力化に向け，必要な監視項目とセンサを選定し，精度の高い監視・診断機能を備えた機器監視システムを開発した。ガス圧力スローリーク監視では，従来から行われている温度補正に加え，大気圧補正を行うことにより，精度の高いスローリーク判定が可能とした。機器監視システムは，IEC 61850に則った上位システムへの伝送が可能であり，HMI機能も備える。今回開発した機器監視システムを搭載したスマート GISは，2019年度に東京電力パワーグリッドにおいて運用を開始する。
6-002	168kVGIS用ガス絶縁変流器の開発
6-002	○岩澤知英・金谷和長・田崎森彦・米田真人（東芝エネルギーシステムズ）電気学会全国大会講演要旨 6-002 168kVGIS用ガス絶縁変流器の開発 ○岩澤知英・金谷和長・田崎森彦・米田真人（東芝エネルギーシステムズ）一般的に電力需給用のガス絶縁変流器はGIS主回路導体をタンク内に引込み、銅線を複数回巻きした成形品を一次コイルとして実装し接続する。複数の銅線材を拠合せ手作業で成形する従来の一次コイルは、成形に時間と熟練を必要とする点、放熱性の悪い点、銅線材を構造体として成立させる補強ケースが必要な点等、課題が多い。そこで今回、アルミ導体の周囲をエポキシ樹脂注形した新構造の一次コイルを新規採用することで、「熟練技能者に頼った手作業の完全機械化」「放熱性改善による大電流対応化」「短時間耐電流時の電磁力耐性の強化」等、従来器の持つ課題を解決したガス絶縁変流器を開発したので報告する。
6-003	金属異物の挙動を考慮した直流GIS母線の開発
6-003	鴨志田真一・○加藤達朗・額賀淳・山極時生（日立製作所）・菊地佑輔・中信公志・伊藤保則・森田淳吾（中部電力）電気学会全国大会講演要旨 6-003 金属異物の挙動を考慮した直流GIS母線の開発鴨志田真一・○加藤達朗・額賀淳・山極時生（日立製作所）・菊地佑輔・中信公志・伊藤保則・森田淳吾（中部電力）電力の効率的な運用を考慮すると世界規模での大容量直流送電が求められており，環境影響を配慮すると金属タンクに収納する直流GISの適用が有効である。直流特有となる現象の中で，今回は実規模母線を使って，直流電界下における金属異物の挙動を調査しGIS母線構造を検討した。印加電圧の影響，衝撃加振の影響，浮上後の異物挙動に対する試験を実施した結果，衝撃が加わった時には異物は浮上しやすくなること，異物トラップについては効果が確認されたものの100%捕獲されなかったことから，どこに異物が存在していても浮上させない構造とすることが必要であることが確認できた。
6-004	UHV級高電圧試験設備の更新とUHVガスブッシング試験実績
6-004	○田中直樹・伊東敦・阪野友樹・早川龍哉・細野辰三・吉村悟（日本ガイシ）電気学会全国大会講演要旨 6-004 UHV級高電圧試験設備の更新とUHVガスブッシング試験実績 ○田中直樹・伊東敦・阪野友樹・早川龍哉・細野辰三・吉村悟（日本ガイシ） 1968年に竣工した弊社電力技術研究所では，国内外電力会社の大型送電線建設計画実現のため，主にがいし装置周辺の絶縁課題解決に資する試験データを取得・提供し，各国研究機関での討議や規格類制定に貢献してきた。国内UHV送電に関わる絶縁研究の中でも世界最大級のがいし・がい管の実用化に向けた評価で存在感を示してきた。今回，長年使用してきた高電圧試験設備を老朽化やPCB特措法対応に伴い全体更新を行ったので紹介するとともに，2008年より本格化した中国UHV送電用ガスブッシングの同設備での試験実績についても併せて紹介する。
6-005	導電率の温度・電界依存性を考慮した傾斜機能材料の直流ガス絶縁電力機器への適用効果
6-005	伊豆淳宏・◎Rachmawati・中根龍一・小島寛樹（名古屋大学）・加藤克巳（新居浜工業高等専門学校）・早川直樹（名古屋大学）電気学会全国大会講演要旨 6-005 導電率の温度・電界依存性を考慮した傾斜機能材料の直流ガス絶縁電力機器への適用効果伊豆淳宏・◎Rachmawati・中根龍一・小島寛樹（名古屋大学）・加藤克巳（新居浜工業高等専門学校）・早川直樹（名古屋大学）ガス絶縁開閉装置(GIS)の小型化に向けて，傾斜機能材料(FGM)によるスペーサ周辺の電界制御について検討している．これまでに直流GIS スペーサの直流定常状態，極性反転時などにおける電界制御について報告してきた．今回，エポキシスペーサ内部のSiCの充填率を変化させた時の導電率の温度・電界依存性を取得し，それらを考慮したFGMの電界制御について検討を行った．その結果，導電率の温度・電界依存性の実測値を考慮して電界解析を行うことによりFGMの適用により温度分布の影響を抑制し，電界緩和効果が得られることがわかった．
6-006	ガス絶縁開閉装置向けコーン型ε-FGM(誘電率傾斜機能材料)スペーサの絶縁破壊特性
6-006	◎宮崎勇作・伊豆淳宏・梁照源・小島寛樹（名古屋大学）・満留博・柳瀬博雅・岡本健次（富士電機）・渡辺桂司（ナガセケムテックス）・加藤克巳（新居浜工業高等専門学校）・早川直樹（名古屋大学）電気学会全国大会講演要旨 6-006 ガス絶縁開閉装置向けコーン型ε-FGM(誘電率傾斜機能材料)スペーサの絶縁破壊特性 ◎宮崎勇作・伊豆淳宏・梁照源・小島寛樹（名古屋大学）・満留博・柳瀬博雅・岡本健次（富士電機）・渡辺桂司（ナガセケムテックス）・加藤克巳（新居浜工業高等専門学校）・早川直樹（名古屋大学）誘電率傾斜機能材料(ε-FGM)とは，従来一定であった電力機器に用いられる固体絶縁物内部の誘電率を空間的に変化させることで，機器内部のガス空間中での電界の集中を抑制し，絶縁性能を向上する材料技術である．我々はガス絶縁開閉装置などのガス/固体複合絶縁構成を有するガス絶縁電力機器のスペーサ部を模擬したε-FGMスペーサを提案している．本原稿においては，コーン型ε-FGMスペーサと比較対象としてFGMでないスペーサを作製した．これらのスペーサを用いて絶縁破壊電圧向上効果について実験的検証と電界緩和効果に関する検証を行った結果を報告する．
6-007	直流GISにおける絶縁スペーサの表面帯電特性：1万時間電圧印加による表面帯電の飽和傾向の調査
6-007	◎嶋川肇・熊田亜紀子・日高邦彦（東京大学）・安岡孝倫・保科好一・椎木元晴（東芝エネルギーシステムズ）電気学会全国大会講演要旨 6-007 直流GISにおける絶縁スペーサの表面帯電特性：1万時間電圧印加による表面帯電の飽和傾向の調査 ◎嶋川肇・熊田亜紀子・日高邦彦（東京大学）・安岡孝倫・保科好一・椎木元晴（東芝エネルギーシステムズ）直流GISでは直流高電界下で絶縁スペーサ上に表面帯電が発生し，絶縁性能に影響を及ぼすため技術的な課題となる。絶縁スペーサの直流帯電現象には未解明な部分が多く，今後の開発・技術向上のためには現象の解明が必須となる。そこで本研究では，室温環境下において実機器の直流GISを模擬した装置で絶縁スペーサに10000時間の直流電圧印加を行い，表面帯電の飽和傾向を調査した。実験結果として，電極付近に電極極性と同極性の帯電が集中し，時間経過に従い同心円状に進展する帯電分布が得られた。帯電の進展は時定数1000時間ほどでの飽和傾向があったが，その後の室温の上昇に従い再び帯電量が増加する傾向が見られた。
6-008	劣化グリースの枯れや固化による開閉器摺動面への影響について
6-008	◎慶野太一・山中淳平・龍岡照久（東京電力ホールディングス）電気学会全国大会講演要旨 6-008 劣化グリースの枯れや固化による開閉器摺動面への影響について ◎慶野太一・山中淳平・龍岡照久（東京電力ホールディングス）近年，設備の経年化に伴い開閉機器の機構部固渋による事故が発生している。特に現地での解体点検が難しい摺動面等はグリースの劣化による基油の蒸発や固化により摺動性が失われ固渋に至る場合が多い。機構部が固渋した機器から採取したグリースのFT-IR測定を実施した結果，酸化劣化していることが判明した。さらに，マイクロ広がり面積ちょう度測定の結果より，経年品は新品の19％程度の広がり面積値まで低下していた。また，開閉器摺動面はグリースの固化や枯れにより摩耗痕が生じていた。今後の保守管理において，同形器のグリース点検における管理値は新品の19％付近の広がり面積が閾値として考えられる。
6-009	変電機器端子台の樹脂材の劣化評価
6-009	○林修二郎・杉本敏文（中部電力）電気学会全国大会講演要旨 6-009 変電機器端子台の樹脂材の劣化評価 ○林修二郎・杉本敏文（中部電力）変電機器に使われている端子台の材質を分析し，使用品および加速劣化品の絶縁抵抗および導通抵抗を測定して、材質ごとの劣化傾向を評価した。湿度90%という劣悪な環境においても、ほとんどの端子台は70年の長期間に亘って性能を保持することが示された。例外として、フェノール樹脂の中には樹脂表面の劣化のために絶縁抵抗が低下するものがあるため、適切な環境で使用することが求められる。また、ねじに亜鉛めっき、接続片にめっきの無い銅を使用している場合は緩みを生じる可能性があるため、定期的に増し締めを行うなどのメンテナンスが必要になることが分かった。
6-010	500kVダイレクトモールドポリマー形避雷器の開発
6-010	◎後藤成彦・阿嘉良昌・安食富和・可児文二・春日靖宣・深野孝人（東芝エネルギーシステムズ）電気学会全国大会講演要旨 6-010 500kVダイレクトモールドポリマー形避雷器の開発 ◎後藤成彦・阿嘉良昌・安食富和・可児文二・春日靖宣・深野孝人（東芝エネルギーシステムズ）変電機器に適用される絶縁碍子として、従来の磁器碍子に比べて大幅に小型・軽量化が可能なポリマー材料が適用されている。変電用避雷器においても磁器碍子形避雷器からポリマー形避雷器への切り替えが進められており、弊社においても、3.3kV～275kV用ポリマー形避雷器を開発、製品化してきた。今回、国内最大の系統電圧となる500kVダイレクトモールドポリマー形避雷器を開発し、JEC規格に規定されている検証項目、改定が予定されているJEAGに基づく耐震性評価とポリマー特有の検証である耐汚損性能及び曲げモーメント試験について検証を実施したため、結果を報告する。

2704-A3 電力システム（開閉器・避雷器） VCB3月11日午後 2号館 2704教室
講演番号	タイトル
講演番号	著者名（所属名）
6-011	ICCDカメラを用いた電流低下時における真空アーク減衰過程の挙動観測
6-011	◎畑中佑斗・宮崎貴充・田中康規・中野裕介・上杉喜彦・石島達夫（金沢大学）・浅沼岳・恩地俊行（富士電機）電気学会全国大会講演要旨 6-011 ICCDカメラを用いた電流低下時における真空アーク減衰過程の挙動観測 ◎畑中佑斗・宮崎貴充・田中康規・中野裕介・上杉喜彦・石島達夫（金沢大学）・浅沼岳・恩地俊行（富士電機）真空遮断器の性能向上に向けて，電流遮断時に発生する真空アークの挙動の解明を目的とした研究を行っている。これまでに真空アークを生成し，その後電流を転流させることによって真空アークを消弧させる実験系を構築してきた。本報では構築した実験系を用い，電流の時間変化が振幅4 kA程度の交流電流の電流零点近傍を模擬した電流低下時における真空アークの減衰過程を，ICCDカメラを用いて観測した。真空アークに供給される電流が次第に小さくなるにつれて陰極近傍で見られる発光が縮小していくことが確認できた。また，電流裁断直前まで発光が確認でき，電流の減少によって陰極材料の蒸発が停止することで導電性を失い，アークが維持できなくなることが考えられた。
6-012	圧力増加時における真空アーク陰極点の移動方向の割合
6-012	◎河内皓暉（東京都市大学）・カナシロタングタケヒデ・竹田悠莉子・島﨑将至（東京都市）・真栄田義史・岩尾徹（東京都市大学）電気学会全国大会講演要旨 6-012 圧力増加時における真空アーク陰極点の移動方向の割合 ◎河内皓暉（東京都市大学）・カナシロタングタケヒデ・竹田悠莉子・島﨑将至（東京都市）・真栄田義史・岩尾徹（東京都市大学）真空アーク陰極点による表面処理技術は二次廃棄物を最小限にとどめることが出来る。しかし，雰囲気圧力が低すぎる場合，コストと排気時間を要するという問題がある。よって，圧力を可能な限り大気圧に近い状態で陰極点を制御することが期待されるが，高い圧力状態における真空アーク陰極点の移動の知見がない現状である。本実験では圧力を変化させ横磁界印加時における逆行運動の割合の算出を行うことを目的とした。実験結果として，圧力が上昇すると同じ磁束密度で横磁界を印加しているにも関わらず，順方向に陰極点が移動する割合が増加する。また,磁束密度が一様な場合，圧力が低いほど陰極点の移動角度
6-013	真空アークにおける複数陰極点林立時の温度分布の算出
6-013	◎髙木真宏・根本雄介・真栄田義史・岩尾徹（東京都市大学）電気学会全国大会講演要旨 6-013 真空アークにおける複数陰極点林立時の温度分布の算出 ◎髙木真宏・根本雄介・真栄田義史・岩尾徹（東京都市大学）現在，真空遮断器や金属加工などの産業応用のため，真空アーク複数陰極点の移動要因の解明が求められている。真空アーク陰極点は，複数林立し，相互作用し消滅や発生を伴いながら高速で動き回るという特徴がある。この複数陰極点の理論的な移動の予測は，産業応用のために重要である。本論文では，真空アークにおける複数陰極点の非対称な現象を解析するため，3次元電磁熱流体シミュレーションを構築し，真空アークにおける複数陰極点林立時の温度分布の算出を行った。結果として，5つの陰極点が林立した場合に，1つの陰極点の直上で温度が上昇し，これに伴う導電率の増加により，陰極点が1つになることが示唆された。
6-014	真空中コンディショニングにおける陽極めっきの損耗
6-014	◎近藤史規・北直樹・小島寛樹・鈴木飛鳥・小橋眞（名古屋大学）・福田英昭・榊正幸（明電舎）・早川直樹（名古屋大学）電気学会全国大会講演要旨 6-014 真空中コンディショニングにおける陽極めっきの損耗 ◎近藤史規・北直樹・小島寛樹・鈴木飛鳥・小橋眞（名古屋大学）・福田英昭・榊正幸（明電舎）・早川直樹（名古屋大学）真空中絶縁耐力向上のため，めっき電極の利用が検討されている．本稿では，陽極めっき電極に対しコンディショニングを施した場合のめっきの損傷について議論する．真空中のNi棒陰極-NiめっきCu平板陽極電極系に負極性雷インパルス電圧を5000回印加してコンディショニングを施した．コンディショニング後，陽極表面は著しく損傷しているが，絶縁破壊電圧はコンディショニング過程を通して低下しなかった．実験後の陽極断面を観察・分析した結果，陽極のNiめっき表面にCuが多く分布していた．これは，Ni中に拡散したCuを含むNi蒸気が陽極表面に再付着した結果であり，コンディショニング過程を通してめっきが保持されたと考えられる．この結果は陽極めっきの有用性を示す．
6-015	真空アークのプラズマパラメータ推定
6-015	◎江尻開・菊池諒・熊田亜紀子・日高邦彦（東京大学）・諏訪晃弘・松井芳彦・榊正幸（明電舎）電気学会全国大会講演要旨 6-015 真空アークのプラズマパラメータ推定 ◎江尻開・菊池諒・熊田亜紀子・日高邦彦（東京大学）・諏訪晃弘・松井芳彦・榊正幸（明電舎）真空遮断器の適応範囲を高電圧階級や直流電力網に拡大するためには、ギャップ間で発生するアークのプラズマパラメータを定量的に把握することが不可欠である。本稿では、分光測定と衝突輻射モデルを用いて真空アークのプラズマパラメータを推定した結果を報告する。ギャップ長5 mm、直径10 mm、Cu100の接点に2 kAの電流を流した際のアークの分光測定結果は、衝突輻射モデルにおいて電子温度を1.1 eV程度、電子密度を10^20.3 /m³程度として算出したCu IやCu IIの各輝線の発光強度とよく一致した。電流ピーク値付近における電子温度は、Cu100 > Cu80Cr20 > Cu50Cr20接点の順であった。
6-016	酸化クロムを塗布した真空バルブ内壁での沿面放電シミュレーション
6-016	◎寺田悠人・江尻開・熊田亜紀子・日髙邦彦（東京大学）・道念大樹・小倉健太郎（三菱電機）電気学会全国大会講演要旨 6-016 酸化クロムを塗布した真空バルブ内壁での沿面放電シミュレーション ◎寺田悠人・江尻開・熊田亜紀子・日髙邦彦（東京大学）・道念大樹・小倉健太郎（三菱電機）現在,中電圧階級の遮断器として利用されているものの一つに真空遮断器があり,高電圧階級への展開が求められている。高耐圧化の実現には,真空遮断器の絶縁筒表面で発生する沿面放電を抑制する必要がある。現在注目されているのが,酸化クロムを絶縁筒の表面に塗布する方法である。この方法により,真空遮断器を模したモデルの耐電圧が向上することが判明しているが,その原理は不明である。本稿では,真空遮断器の絶縁筒を模したモデルに酸化クロムを塗布することによる真空沿面放電への影響を明らかにするため,電極から電界電子放出により放出された電子が,誘電体壁面への二次電子放出を伴う衝突により個数を増やしながら絶縁破壊へと至る過程をシミュレートした結果について報告する。
6-017	MPS法数値解析モデルによる真空アーク蒸気の挙動解析 -電極外シールド壁における金属蒸気の衝突位置の検討-
6-017	◎宮崎貴充・畑中佑斗・田中康規・中野裕介・上杉喜彦・石島達夫（金沢大学）・浅沼岳・恩地俊行（富士電機）電気学会全国大会講演要旨 6-017 MPS法数値解析モデルによる真空アーク蒸気の挙動解析 -電極外シールド壁における金属蒸気の衝突位置の検討- ◎宮崎貴充・畑中佑斗・田中康規・中野裕介・上杉喜彦・石島達夫（金沢大学）・浅沼岳・恩地俊行（富士電機）近年，真空バルブ(VI) の高電圧化が進み，真空遮断器(VCB) をより高電圧の系統において適用することがなされてきている。この真空遮断器の性能を向上させるためには真空アーク・低気圧アークの挙動を詳細に把握する必要がある。本研究では，理論数値解析から，低気圧アーク・蒸気の挙動を把握することを検討している。本研究室ではこれまで，低気圧アークにおける重粒子挙動を粒子法の一つであるMPS 法で解析し，電子挙動を有限体積法で解析するハイブリッド法を用いた数値解析モデルを構築した。本報では，構築した数値解析モデルに金属シールドを追加し，粒子の衝突位置を調査した。
6-018	真空アーク観測への時間分解面分光の提案
6-018	○松井芳彦・諏訪晃弘・加藤和也・庭川誠（明電舎）電気学会全国大会講演要旨 6-018 真空アーク観測への時間分解面分光の提案 ○松井芳彦・諏訪晃弘・加藤和也・庭川誠（明電舎）分光観測は放電現象の研究に広く用いられている。分光観測ではスリットを用いて通常2次元の視野から1次元の情報を切り出し、これについて波長情報を得ているが、視野全体について波長情報を取得できれば現象の把握に有効である。天文分野では「面分光」(Integral Field Spectroscopy)と呼ばれる方法が行われており、我々はこれと高速度ビデオを組み合わせた「時間分解面分光」を真空アークの観測へ適用することを検討している。時間分解面分光の手法および観測例として接点開離時の溶融橋について紹介する。
6-019	真空中コンディショニング過程における対向電極材料の付着
6-019	◎北直樹・近藤史規・小島寛樹（名古屋大学）・福田英昭・榊正幸（明電舎）・早川直樹（名古屋大学）電気学会全国大会講演要旨 6-019 真空中コンディショニング過程における対向電極材料の付着 ◎北直樹・近藤史規・小島寛樹（名古屋大学）・福田英昭・榊正幸（明電舎）・早川直樹（名古屋大学）真空中コンディショニング過程において，陽極からの材料の付着等により陰極上に偶発的に突起が生成されることでコンディショニングが抑制されることが示唆されている．本稿では，陰極と陽極で材料が異なる場合のコンディショニングにおける陰極への材料の付着について検討する．
6-020	気中沿面の雷インパルス絶縁特性に及ぼす金属粉混入グリースの影響
6-020	○細野喬文（日立製作所）電気学会全国大会講演要旨 6-020 気中沿面の雷インパルス絶縁特性に及ぼす金属粉混入グリースの影響 ○細野喬文（日立製作所）受配電機器の気中沿面絶縁特性は周囲の湿度や汚損などの影響を受ける。そこで、筆者らは高湿度環境下で金属粉が混入したグリースが絶縁物表面に付着した場合に、気中沿面絶縁特性に及ぼす影響を検討した。アルミナ充填エポキシ樹脂中に、高電圧電極と接地電極を埋め込んだ実験モデルを使用して雷インパルス試験をした結果、金属粉がグリース表面にある方が、金属粉混入割合が0.5vol%、2vol%よりもFOVは低下することが分かった。また、金属粉混入割合が2vol%を超えると、FOVが低下する傾向にあることが分かった。

2704-A2 電力システム（開閉器・避雷器）アーク（Ⅰ）3月11日午前 2号館 2704教室
講演番号	タイトル
講演番号	著者名（所属名）
6-021	大電流遮断時のアーク長が電極表面度と残留電流に与える影響
6-021	◎坂口亙・大坊昂・濱田滉太・吉田剛（東芝インフラシステムズ）電気学会全国大会講演要旨 6-021 大電流遮断時のアーク長が電極表面度と残留電流に与える影響 ◎坂口亙・大坊昂・濱田滉太・吉田剛（東芝インフラシステムズ）高真空を絶縁・消弧媒体とする真空遮断器は84kV以下の配電設備で主流の遮断器となっている。真空遮断器の大電流遮断成否に影響するパラメータとして、アーク消弧後の電極温度と残留電流が知られている。本報告では、アーク長をパラメータとして、アーク消弧後の電極温度と残留電流を測定し、遮断性能に与える影響を調査した。アーク長が長い条件では、電流遮断後の電極温度が高くなり、回復電圧ピーク以降の残留電流が多く流れ、遮断性能を低下させる可能性があることが分かった。
6-022	50kA雷インパルスアークの電流密度の時間変化
6-022	◎中野智之・神足将司・大高聡也・合田豊・岩田幹正（電力中央研究所）電気学会全国大会講演要旨 6-022 50kA雷インパルスアークの電流密度の時間変化 ◎中野智之・神足将司・大高聡也・合田豊・岩田幹正（電力中央研究所）送電系統で使用されている光ファイバ複合架空地線（OPGW）が雷撃を受けると，OPGWの素線が溶損することがある。当所では，これまでに継続時間が数十µsの雷撃を電流波高値50kAの雷インパルスアークで模擬したOPGWのアーク試験を行った。本稿では，雷インパルスアークの特性の理解を深めるため，高速度カメラの観測像から雷インパルスアークの見かけの径を測定し，電流密度を推定した。電流密度は電流上昇中においてもアーク径の増大により低下すると見られ，発生後5µsにおいては約250A/mm ² ，10µsにおいては約150A/mm ² と推定された。
6-023	溝を有するレール電極における直流小電流アークの走行特性
6-023	◎神納康宏・相良雄大・渡邉真也（三菱電機）電気学会全国大会講演要旨 6-023 溝を有するレール電極における直流小電流アークの走行特性 ◎神納康宏・相良雄大・渡邉真也（三菱電機） Running performance of small-current DC arc was experimentally investigated. For a large-gap or step, the minimum current of getting over the gap/step is saturated at about 40-50A, while the minimum current depends on the size of gap/step for a small gap/step with the region of about within 1mm. It indicates that the way of getting over a gap/step is different between the small-gap/step case and the large-gap/step case. The suggestion from this work is that a gap or step between an electrode chip and an arc runner should be completely eliminated in order to achieve better performance of DC small-current interruption.
6-024	整流子片開離までの直流転流過程の理論的導出―小電流・低速度条件での残留電流測定値との比較―
6-024	◎小椋陽介・横水康伸・福塚隆司・大島和也（名古屋大学）電気学会全国大会講演要旨 6-024 整流子片開離までの直流転流過程の理論的導出―小電流・低速度条件での残留電流測定値との比較― ◎小椋陽介・横水康伸・福塚隆司・大島和也（名古屋大学）直流モータでは，アーク放電がブラシと整流子片との間に発生することがある。アーク放電の発生はブラシ損耗現象の起因となる。アーク放電は残留電流を初期値として形成され，アーク継続時間は残留電流に比例的に長くなる。したがって，残留電流はアーク継続時間を決定するための重要な要素である。筆者らは，電気接点の摺動過程では多くの要因，すなわち電気的，機械的，熱的および材料的要因が関わることを考慮し，摺動中の電気接点を流れる直流の転流推移を理論的に導出する計算手法を構築してきた。本報告では，ある 2 条件で直流の転流過程および残留電流を理論的に導出した。次いで，同一条件で測定された残留電流と比較した。
6-025	珪砂-高分子円筒併用時の直流アーク抵抗上昇要因の分析-PMMA円筒，内径2 mm条件-
6-025	◎中村晃也・兒玉直人・高橋明里・横水康伸（名古屋大学）・近藤祐介（太平洋精工）電気学会全国大会講演要旨 6-025 珪砂-高分子円筒併用時の直流アーク抵抗上昇要因の分析-PMMA円筒，内径2 mm条件- ◎中村晃也・兒玉直人・高橋明里・横水康伸（名古屋大学）・近藤祐介（太平洋精工）電気自動車用DCヒューズの遮断容量の向上が求められている。我々は，これまでに，珪砂に加えて高分子材料製円筒の配置によって，DC遮断過程でのアーク抵抗を上昇できることを示してきた。本報告では，DCアーク抵抗の上昇要因の分析として，高分子材PMMA，内径2mm条件の場合を述べる。DC遮断実験を行い，その結果を検討したところ，今回の条件においては，電流の増加過程ではアーク径制限効果が弱まることによってアーク抵抗が低下してしまうが，その後の電流増加過程では高分子の溶発蒸気による電子密度の低減効果によって，アーク抵抗が高まることが予想された。
6-026	珪砂中での DC 遮断時におけるアーク内の銅蒸気濃度に関する検討
6-026	◎兒玉直人・横水康伸・中村晃也・高橋明里（名古屋大学）・近藤祐介（太平洋精工）電気学会全国大会講演要旨 6-026 珪砂中での DC 遮断時におけるアーク内の銅蒸気濃度に関する検討 ◎兒玉直人・横水康伸・中村晃也・高橋明里（名古屋大学）・近藤祐介（太平洋精工）珪砂中への石英円筒未配置および配置時におけるDCアーク遮断実験を行った。実験時のアークに対してアーク電圧(v_arc)の測定および発光分光測定(OES)を行った。OESの結果から，両条件におけるアーク温度およびSi IIとCu Iの放射強度比(I_SiII/I_CuI)を求めた。また，理論計算により放射係数比ε_SiII/ε_CuIを温度とCu蒸気濃度の関数として求めた。実験の結果，円筒配置時のv_arcは未配置時のv_arcよりも常に高く維持された。また，DC遮断過程でのアーク温度の減少に対して，円筒未設置時ではI_SiII/I_CuIが急峻に減少し，円筒配置時はI_SiII/I_CuIが変化しない傾向が得られた。I_SiII/I_CuIとε_SiII/ε_CuIの比較の結果，円筒未設置条件と比較して円筒設置条件では，アークの減衰と共にアーク中のCu蒸気濃度が急峻に低下することが示唆された。
6-027	M効果用の低融点金属付きのヒューズエレメントにおける溶断過程の調査
6-027	◎西里啓（埼玉大学）電気学会全国大会講演要旨 6-027 M効果用の低融点金属付きのヒューズエレメントにおける溶断過程の調査 ◎西里啓（埼玉大学）低融点金属を用いたM効果ヒューズエレメントにおける溶断時間を、シミュレーションにより予測するために定温加熱実験による両金属の拡散過程を観察した。基礎理論として知られるFickの法則により導かれる近似式と比較した結果、類似性が見られた。しかし、拡散開始時の拡散速度が比較的大きくなりシミュレーションを行う際の課題となることが分かった。今後は各温度における拡散係数を実測し、溶断シミュレーションを行う予定である。

2704-B1 電力システム（開閉器・避雷器）アーク（Ⅱ）3月12日午前 2号館 2704教室
講演番号	タイトル
講演番号	著者名（所属名）
6-028	低圧気中開閉器の開極速度が開極開始時の接点消耗に与える影響
6-028	◎堀田克輝・渡邉真也・稲口隆（三菱電機）電気学会全国大会講演要旨 6-028 低圧気中開閉器の開極速度が開極開始時の接点消耗に与える影響 ◎堀田克輝・渡邉真也・稲口隆（三菱電機）低圧気中開閉器の開極時アークによる接点消耗には，開極開始時通電による接点溶融やブリッジ形成に起因する接点消耗が存在する。今回，開極開始時の接点加熱過程とそれによる接点消耗量(溶融量)を接触荷重と接触抵抗および接触面積の理論式，接触面の通電発熱と接点内熱伝導，接点最大温度と接点間電圧の理論式を連立して計算し，開極速度が開極開始時の接点消耗に与える影響を明らかにした。
6-029	電流遮断時における配線用遮断器のアーク温度減少過程に関する数値解析
6-029	◎金井豊・平山智士・乾義尚（滋賀県立大学）・加藤裕明（河村電器産業）電気学会全国大会講演要旨 6-029 電流遮断時における配線用遮断器のアーク温度減少過程に関する数値解析 ◎金井豊・平山智士・乾義尚（滋賀県立大学）・加藤裕明（河村電器産業）配線用遮断器は電流遮断時に電極間で発生するアーク放電を素早く限流遮断する必要があり，遮断電圧の高電圧化にはアークの消弧までの動きを把握する必要がある。そのため筆者らは，電極開極時における配線用遮断器のアーク挙動について3次元非定常電磁流体解析を用いて検討を行っている。本報告では，数値解析結果から交流電流零点付近におけるアークの温度分布について検討を行った。解析結果から，電流零点に到達すると，アークが細くなりながら温度が低下する様子が確認できた。
6-030	消弧グリッドがアークに及ぼす影響の解析
6-030	◎張書しん・倉島孝太朗・腰塚正・日髙邦彦（東京電機大学）・山口直哉・長崎豊毅（戸上電機製作所）電気学会全国大会講演要旨 6-030 消弧グリッドがアークに及ぼす影響の解析 ◎張書しん・倉島孝太朗・腰塚正・日髙邦彦（東京電機大学）・山口直哉・長崎豊毅（戸上電機製作所）配線用遮断器は、接点開放時に点弧するアーク放電をすみやかに消弧する必要がある。そのため、消弧室の設計は極めて重要である。消弧室には消弧グリッドが設置されることがあるが、消弧グリッドによって消弧性能は大きく変化する。例えば、鉄などの磁性体を使用した消弧グリッドはアークに磁気駆動力を発生させ、アーク長を引き伸ばすことによってアーク電圧を上昇させ、遮断しやすくすることがわかっている。過去の研究では、磁界解析によって、アークに働く磁気駆動力を計算している。しかし、アークが消弧グリッドによって分断された状態の挙動の検討はまだ少ない。本研究では、消弧グリッドに分断されたアークの挙動を観測し、異なる位置におけるアークに働く磁気駆動力を解析によって調査した結果について述べる。
6-031	アーク点弧時におけるポリマー溶発開始時間の電流値依存性に関する電磁熱流体解析
6-031	◎中野裕介・田中康規・上杉喜彦・石島達夫（金沢大学）・永井大紀・稲永健太郎（正興電機製作所）電気学会全国大会講演要旨 6-031 アーク点弧時におけるポリマー溶発開始時間の電流値依存性に関する電磁熱流体解析 ◎中野裕介・田中康規・上杉喜彦・石島達夫（金沢大学）・永井大紀・稲永健太郎（正興電機製作所）気中開閉器のアーク消弧性能向上に向けたアーク挙動の検討のため，高温アークとポリマー壁間の相互作用および溶発ポリマーが混入したアーク特性の把握が必要である．本報では，アーク点弧時におけるポリマー溶発開始までの時間およびポリマー溶発量の時間経過の過渡解析を行った．電磁熱流体解析で必要となる熱力学・輸送特性は，大気圧空気・ポリマー蒸気の粒子組成および粒子間の衝突断面積等から求めた．結果から，ポリマー溶発が数msから十数ms程度で開始し，その後数ms程度で溶発レートは一定となることがわかった．また，電流値の上昇に伴い溶発開始までの時間は短くなり，溶発レートは高くなることがわかった．
6-032	気中遮断器における縦磁界印加時のスパイラルアークによるノズルアブレーション
6-032	◎鈴木祐揮・西澤翔也・根本雄介・真栄田義史・岩尾徹（東京都市大学）電気学会全国大会講演要旨 6-032 気中遮断器における縦磁界印加時のスパイラルアークによるノズルアブレーション ◎鈴木祐揮・西澤翔也・根本雄介・真栄田義史・岩尾徹（東京都市大学）気中遮断器のノズルには有機材料が用いられている。遮断時ノズルからのアブレーション現象により，アークのエネルギーが奪われアークが冷却される。また，電流低下過程において外部磁界を印加することによりスパイラルアークが形成されアーク抵抗が上昇するとの報告がある。このため，この2点に着目することで遮断性能の向上が期待できる。しかし，スパイラルアークによるノズルからのアブレーションを考慮した報告例はない。以上より，本論文では，縦磁界印加時のスパイラルアークによるノズルアブレーションガス濃度の解析を行った。結果として，時間の経過に伴いアークがスパイラルしていく過程でノズルのアブレーション発生箇所が変化した。
6-033	低圧直流アークパラメータ推定のための修正Mayrアークモデル
6-033	◎津坂亮博・松村年郎・雪田和人・後藤泰之（愛知工業大学）・宮本淳史・伊藤裕幸（日東工業）電気学会全国大会講演要旨 6-033 低圧直流アークパラメータ推定のための修正Mayrアークモデル ◎津坂亮博・松村年郎・雪田和人・後藤泰之（愛知工業大学）・宮本淳史・伊藤裕幸（日東工業）直流配電システムの普及に伴って，直流遮断技術の重要性が増加している。これまで，筆者らは，直流遮断過程の解明を目指して，Mayrモデルにおけるアークパラメータの推定方法を提案してきた。本稿では，アーク放電物理の基本に立ち返り，アークパラメータ推定方法を変更したので報告する。アークの蓄積エネルギーが時間的に変化するものと考え，その変化はアークコンダクタンスの変化に比例しているものとして，アークパラメータを推定することとした。さらに，アークパラメータの推定結果と回路方程式を用いて電流遮断過程シミュレーションを行い，その妥当性を確認した。
6-034	長ギャップにおける非対称アークの温度分布の算出
6-034	◎森下穂香・小久保翔太・根本雄介・真栄田義史・岩尾徹（東京都市大学）・早坂高雅（鉄道総合技術研究所）電気学会全国大会講演要旨 6-034 長ギャップにおける非対称アークの温度分布の算出 ◎森下穂香・小久保翔太・根本雄介・真栄田義史・岩尾徹（東京都市大学）・早坂高雅（鉄道総合技術研究所）電気鉄道は，トロリ線とすり板を介して電力の供給を行い，走行している。電力の安定した供給や設備の長寿命化に向けて，アーク姿態の形成過程に関する物理現象の解明が求められる。しかし，アーク姿態の形成は1 μsオーダーの時間で変化するため，実験による現象解明とともに，数値解析による物理現象の解明のための解析手法の開発が求められる。本論文では，長ギャップにおける非対称アークの温度分布の算出をするため，3次元電磁熱流体シミュレーションを用い，計算を行った。結果として，陰極と陽極からのプラズマジェットが，アーク中心部で衝突する場合に，非対称な温度分布が得られた。

2704-B2 電力システム（開閉器・避雷器）アーク（Ⅲ）3月12日午前 2号館 2704教室
講演番号	タイトル
講演番号	著者名（所属名）
6-035	円弧型導体を用いた過渡アーク電位の非接触測定の試み
6-035	◎高橋明里・兒玉直人・横水康伸（名古屋大学）・真島周也・内井敏之（東芝エネルギーシステムズ）電気学会全国大会講演要旨 6-035 円弧型導体を用いた過渡アーク電位の非接触測定の試み ◎高橋明里・兒玉直人・横水康伸（名古屋大学）・真島周也・内井敏之（東芝エネルギーシステムズ）回路保護機器内で形成される過渡アークの状態把握にはアーク特性を正確に測定する必要がある。筆者らは，過渡アークの電位および導電径を非接触で測定する手法の開発を目指している。これまでに，アーク周囲に棒状の導体を配置し，静電誘導により誘起された電位を利用し元の電圧を復元する手法を構築した。しかし，記録される電位のS/N比が非常に小さく，またアークの点弧位置に依存した測定例ごとのばらつきが生じ，元の電位の復元は困難であった。そこで，本報告では，ノイズやアーク位置に影響されにくい検出を目指し，検出用導体を棒状から円弧形状に改良した。改良した検出用導体を用いて，過渡アーク電位の非接触測定・復元を行った結果を報告する。
6-036	回転横磁界の周波数が及ぼすアークの回転周波数
6-036	◎松本昂樹・杉山雄紀・田代拓也・真栄田義史・岩尾徹（東京都市大学）電気学会全国大会講演要旨 6-036 回転横磁界の周波数が及ぼすアークの回転周波数 ◎松本昂樹・杉山雄紀・田代拓也・真栄田義史・岩尾徹（東京都市大学）現代社会において，TIG溶接は欠かすことの出来ない技術となっている。しかし，横風吹き付け時にはアークが偏向し，入熱不足が発生することによって溶接欠陥が発生する可能性がある。本論文では，回転横磁界印加時の基礎特性として回転横磁界の周波数が及ぼすアークの回転周波数の算出を行った。具体的には，アークに対して回転横磁界を印加し，アークの回転半径の算出を行い，FFT(Fast Fourier Transform)を行うことによってアークの回転周波数の算出を行った。結果として，回転横磁界の周波数とアークの回転周波数は本実験の条件下においては一致し，回転横磁界とアークは同期して回転することを確認した。
6-037	磁気駆動アークにおける外部磁界印加が及ぼすリストライク時の電界強度の算出
6-037	◎川﨑一輝・真栄田義史・岩尾徹（東京都市大学）電気学会全国大会講演要旨 6-037 磁気駆動アークにおける外部磁界印加が及ぼすリストライク時の電界強度の算出 ◎川﨑一輝・真栄田義史・岩尾徹（東京都市大学）磁気駆動アークは，直流遮断器などに適用されている。しかし，アークの磁気駆動現象については，ほとんど未解明である。特に，陽極における陽極点の膠着やリストライクなどの現象は，遮断速度や電極の損耗量を左右するため，現象解明が求められている。本論文では，リストライク現象に着目し，外部磁界印加が及ぼすリストライク時の電界強度を算出した。リストライク時の電界強度は，リストライク直前のアーク電圧と，撮影したアーク姿態の画像から求めた長さを用いて算出した。結果として，外部磁界の増加に伴い電界強度は増加した後に減少した。電界強度は，上部電極が陰極の時に比べ，上部電極が陽極の時の方が小さくなった。
6-038	ラバルノズル内のロータリアークに与える外部印加磁束密度の影響
6-038	◎山岡智裕・平山智士・乾義尚（滋賀県立大学）電気学会全国大会講演要旨 6-038 ラバルノズル内のロータリアークに与える外部印加磁束密度の影響 ◎山岡智裕・平山智士・乾義尚（滋賀県立大学）本研究では，外部印加磁束密度によるアーク挙動の解明する目的として，ラバルノズルを対象に電磁流体解析を行った。解析結果として外部印加磁場B = 1 Tではアークがスロート上流側で回転することがわかった。B = 1Tでは，大電圧降下が発生する前では，スロート上流側でアークが回転し，アークの一部がスロート下流側に流れる構造をとっていた。それに対し，同時刻のB = 0.5 Tでは，電極間に直線状のアーク構造をとっていた。B = 0.5 Tでは外部印加磁束密度の影響が小さく，B = 1 Tと同様のアーク構造の変化はないことがわかった。
6-039	3次元電磁熱流体シミュレーションにおけるGPU並列計算を用いた計算速度の向上に向けた提案
6-039	◎豊田真矢・杉山雄紀・真栄田義史・岩尾徹（東京都市大学）電気学会全国大会講演要旨 6-039 3次元電磁熱流体シミュレーションにおけるGPU並列計算を用いた計算速度の向上に向けた提案 ◎豊田真矢・杉山雄紀・真栄田義史・岩尾徹（東京都市大学）近年，並列化計算技術や，CPUとGPUの発展により，科学技術計算の速度が向上してきた。中でもGPUによる並列化は，複雑で計算領域が大規模なプログラム[1]などに有用である。以上より，本論文では，3次元電磁熱流体シミュレーションにおけるGPU並列計算を用いた計算速度の向上に向けた提案を行った。結果として，CPUによる計算に比べて，GPUによる計算は収束までの計算時間が短縮された。GPU並列計算の温度，流速分布の結果は，CPU計算の結果と相違なかった。データ依存性や，条件分岐のあるDOループに対して， GPUによる並列化を行っていないため，今後，さらなる計算の高速化が見込まれる。
6-040	100V級直線状直流アーク消弧時の電極間距離に関する検討
6-040	◎北村拓真・津坂亮博・松村年郎・雪田和人・後藤泰之（愛知工業大学）・酒井智康・宮本淳史・伊藤裕幸（日東工業）・横水康伸（名古屋大学）電気学会全国大会講演要旨 6-040 100V級直線状直流アーク消弧時の電極間距離に関する検討 ◎北村拓真・津坂亮博・松村年郎・雪田和人・後藤泰之（愛知工業大学）・酒井智康・宮本淳史・伊藤裕幸（日東工業）・横水康伸（名古屋大学）近年，直流給電は太陽光発電装置や蓄電池との親和性が高く，直流給電システムの普及が進むことが予想される。しかし，直流は交流と違い，電流零点が存在しないため，遮断が困難である。筆者らは，直流を安全に活用するため研究を行っている。今回，電極全開距離を最長230 mmに，また，開極速度を数 m/sまで拡張可能な簡易アーク消弧装置を作製し，直流アーク遮断実験を行った。アークジェットの発生を極力抑えるために，グラファイト電極を用いた。これにより，アーク姿態はほぼ直線状を維持している。本実験の結果から，電極開極速度に応じてアーク姿態が変動し，その影響でアーク消弧時の電極間距離にばらつきが現れるということがわかった。
6-041	ダブルフロー型ガス遮断器におけるガス吹付け形状変更時のアーク温度分布の算出
6-041	◎柏木伸一郎・駒井優治・真栄田義史・岩尾徹（東京都市大学）電気学会全国大会講演要旨 6-041 ダブルフロー型ガス遮断器におけるガス吹付け形状変更時のアーク温度分布の算出 ◎柏木伸一郎・駒井優治・真栄田義史・岩尾徹（東京都市大学）ダブルフロー型ガス遮断器において，アーク陽光柱は二つの対向する対流によって湾曲し伸長する。さらなる遮断性能の改善ため，改めて吹付け構造について検討することは重要である。したがって，ダブルフロー型ガス遮断器におけるガス吹付け形状変更時のアーク温度分布の算出を行った。流れ場は層流，局所熱平衡の仮定の下，電磁熱流体解析を行った。電流遮断を模擬するため，電流を50 Aから2 A/µsで低下させ，ノズル角度をパラメータとした。結果として，ノズル上流部での流速が滞留しないガス吹付け形状では，上流側への高温ガスの排気が増加し，アークの残留温度領域が小さくなることで，アークコンダクタンスが低下すると考えられる。

2705-C3 電力システム（開閉器・避雷器）機器監視3月13日午後 2号館 2705教室
講演番号	タイトル
講演番号	著者名（所属名）
6-042	FDTD解析によるGIS内部伝搬PD放射電磁波のTEモード検出に及ぼすセンサ指向性の影響
6-042	◎前田楓河・藤本樹貴・大塚信也（九州工業大学）・四蔵達之（富士電機）電気学会全国大会講演要旨 6-042 FDTD解析によるGIS内部伝搬PD放射電磁波のTEモード検出に及ぼすセンサ指向性の影響 ◎前田楓河・藤本樹貴・大塚信也（九州工業大学）・四蔵達之（富士電機）ガス絶縁開閉装置(GIS)の絶縁診断としてUHF帯の部分放電(PD)放射電磁波を検出、評価するUHF法の適用が進んでいる。GISは密閉構造であるため機器内部を伝搬するPD放射電磁波はTEMモードだけでなくTEやTMモードなどの伝搬モードも存在する。これらのモード検出特性は単相GIS内設置センサの指向性により異なることが指摘されている。本論文では高圧導体軸方向の伝搬方向(p)と、それと直交するタンクに垂直(v)と水平(h)な方向を定義した。FDTD法により伝搬電磁波特性のセンサ指向性依存性の検討を異物位置を高圧導体とタンク底面の2つ設定し行った。また単相と三相一括型GISでの比較をおこなった。
6-043	FDTD解析によるGIS内伝搬PD放射電磁波のTEモード特性のセンサ位置依存性
6-043	◎藤本樹貴・前田楓河・大塚信也（九州工業大学）・四蔵達之（富士電機）電気学会全国大会講演要旨 6-043 FDTD解析によるGIS内伝搬PD放射電磁波のTEモード特性のセンサ位置依存性 ◎藤本樹貴・前田楓河・大塚信也（九州工業大学）・四蔵達之（富士電機）ガス絶縁開閉装置(GIS)の診断に、部分放電(PD)放射電磁波を検出、評価するUHF 法の適用が進められている。密閉構造であるGISでは伝搬するPD放射電磁波はTEやTMモードを含むため、モード特性の理解は重要である。別報ではGIS内センサの指向性が検出TEモード特性に及ぼす影響を検討している(1)。本論文ではセンサ位置によりTEモードの検出特性がどのように変化するかの観点から、センサ位置を移動させた検討をFDTD解析により実施した。
6-044	スマートグラスを用いた巡視点検支援ツールの開発
6-044	○山本剛・上村健太（かんでんエンジニアリング）電気学会全国大会講演要旨 6-044 スマートグラスを用いた巡視点検支援ツールの開発 ○山本剛・上村健太（かんでんエンジニアリング）変電所等における電力設備の異常を早期発見するため、定期的な巡視点検が実施されている。巡視点検は巡視員が巡視表に従い、実際の機器を確認し記録する作業である。弊社では、ノートパソコンへの打込により実施している従来の方法に対して、可搬性の高いスマートグラスを用いることで、省力化と信頼性の高い巡視点検の実現を目指して開発を行ってきた。今回、現場への遠隔支援機能と、画像解析を用いたアナログメータの読取り機能とを有した巡視点検支援ツールについて、その開発内容を紹介する。
6-045	電力設備の部分放電検出診断に適用可能な簡易センサの基礎検討 ―開口部を持つ箱型筐体モデルに対する実験と解析の比較―
6-045	◎梅田直希・新貝健将・三浦拓朗・八島政史（東北大学）電気学会全国大会講演要旨 6-045 電力設備の部分放電検出診断に適用可能な簡易センサの基礎検討 ―開口部を持つ箱型筐体モデルに対する実験と解析の比較― ◎梅田直希・新貝健将・三浦拓朗・八島政史（東北大学）電力機器の絶縁診断技術の有用な手法の一つとして, TEVセンサに代表される簡易センサを多数分散配置する手法に期待がもたれている。この手法は,絶縁破壊の前駆現象である部分放電により発生する電磁波の信号検出を行うことで監視・診断を行うことを目的としている。本稿では,変圧器等の電力機器を模擬した2つの開口部を持つ箱型筐体モデルを実験で使用し,その内部にはPD源を設置し,外面には3台のTEVセンサを貼り付けた配置でセンサによるPDの検出特性について検討を行った。また,FDTD法を用いたシミュレーションを行い,実験結果との比較及び検討も行ったので併せて報告する。
6-046	電界シールドレス面電流磁気センサの開発
6-046	◎野下聖仁・林寿樹・村瀬洋（愛知工業大学）・大竹泰智・菅健一（三菱電機）電気学会全国大会講演要旨 6-046 電界シールドレス面電流磁気センサの開発 ◎野下聖仁・林寿樹・村瀬洋（愛知工業大学）・大竹泰智・菅健一（三菱電機）電力機器の絶縁診断技術として、絶縁破壊の前駆現象である部分放電によって生じる電磁波の検出が有効な手段として挙げられる。本論文は、GIS内部で発生する部分放電の電磁波を、その外部に設置したセンサにより検出する方法に関するものである。本研究ではこれまで、金属筐体の表面を伝搬するPD電磁波のベクトル的観測として磁界のみを検出する方法に着目してきた。今回は電界シールドを用いることなく磁界のみを検出し、理想出力を得ることができる電界シールドレス面電流磁気センサを提案し、その実現性について検討した。その結果、理想曲線に極めて近しい指向性カーブを得ることができ、理想的なベクトル的検出を可能とした。
6-047	Application of Microstrip Filter on Multiple-narrowband Antenna to Reduce 2.4 GHz, Wi-Fi Noise
6-047	◎Bandi Tuvshinbayar・Ohtsuka Shinya（九州工業大学）電気学会全国大会講演要旨 6-047 Application of Microstrip Filter on Multiple-narrowband Antenna to Reduce 2.4 GHz, Wi-Fi Noise ◎Bandi Tuvshinbayar・Ohtsuka Shinya（九州工業大学） Based on the Ultra-high frequency method, the multiple-narrow band (MNB) antenna can detect the partial discharge (PD)-emitted signal, especially from SF6 gas with a low interference of communication, Wi-Fi and IMS band noises. However, the reduction of the MNB antenna is not enough for 2.4 GHz Wi-Fi noise. As adding the microstrip filter to MNB antenna on a circuit board, it eliminates 2.4 GHz signal with keeping compact size. This paper shows the comparison of the MNB and filtered MNB antenna’s PD detection ability in SF6 gas under the 2.4 GHz Wi-Fi noise during drone operation in the anechoic chamber.
6-048	Detection of Residual CF4 in Gas-insulated Switchgear Using a SnO2 Gas Sensor with Application of Partial Discharge
6-048	◎Nisarut Phansiri・Daichi Maenosono・Masafumi Inaba・Michihiko Nakano・Junya Suehiro（九州⼤学）・Hidefumi Sato（九州電⼒）電気学会全国大会講演要旨 6-048 Detection of Residual CF4 in Gas-insulated Switchgear Using a SnO2 Gas Sensor with Application of Partial Discharge ◎Nisarut Phansiri・Daichi Maenosono・Masafumi Inaba・Michihiko Nakano・Junya Suehiro（九州⼤学）・Hidefumi Sato（九州電⼒） When the SF6 used as an insulator in gas-insulated switchgear is exposed to an electrical discharge, it will dissociate and recombine to produce decomposition products. In our previous studies, the authors have found that the Carbon tetrafluoride (CF4), one of the decomposition products, responses of several kinds of sensors showed very low responses for direct detection. In this study, the authors proposed the new method to detect CF4 by generating decomposition gases of CF4/SF6 instead. The variation of concentration of CF4 was investigated under the partial discharge phenomenon for generating decomposition gases of CF4/SF6 gas mixture by the SnO2 gas sensor fabricated by dielectrophoresis. It was found that after exposed the sampling decomposition gas to the sensor, when the concentration of CF4 was increased by more than 3%, the responses of the sensor were extremely increased.
6-049	新形6kV固体絶縁開閉装置（スマートSIS）の開発（その1）
6-049	○反り目拓己・前川俊浩・落合崇徳（東京電力パワーグリッド）・伊藤忠慶・鈴木隆一（東光高岳）・寺田努・長綱望（明電舎）電気学会全国大会講演要旨 6-049 新形6kV固体絶縁開閉装置（スマートSIS）の開発（その1） ○反り目拓己・前川俊浩・落合崇徳（東京電力パワーグリッド）・伊藤忠慶・鈴木隆一（東光高岳）・寺田努・長綱望（明電舎）東京電力パワーグリッドでは，配電用変電所から配電線への送電および事故遮断のために6kV固体絶縁開閉装置を使用している。昭和30年代から40年代半ばまでは気中絶縁方式のキュービクルを適用，昭和40年代には都市過密化に伴う用地取得難からコンパクト化を追求した固体絶縁方式を適用した。適用から40年以上が経ち，開発時に予測していない不具合が発生，多額の修理費用がかかっていることから，安価かつ対策構造を施した新形器を開発することとした。新形器は，抜本的な仕様見直しにより極限までコスト削減を目指し，機器状態を監視するセンサの搭載，国際標準規格を適用した外部制御盤との接続など，据付・保守省力化等が図られる構造とした。
6-050	新形6kV固体絶縁開閉装置（スマートSIS）の開発（その2）
6-050	○伊藤忠慶・佐藤裕康・池田裕孝・鈴木隆一（東光高岳）・反り目拓己・前川俊浩（東京電力パワーグリッド）電気学会全国大会講演要旨 6-050 新形6kV固体絶縁開閉装置（スマートSIS）の開発（その2） ○伊藤忠慶・佐藤裕康・池田裕孝・鈴木隆一（東光高岳）・反り目拓己・前川俊浩（東京電力パワーグリッド） 6kV開閉装置は，配電用変電所から配電線への送電及び事故遮断のために適用しており，現在は小型かつ安全な固体絶縁方式を採用している。今回適用してから40 年以上が経過した機器のリプレースとして，仕様合理化やディジタル制御化を取り入れた新形の固体絶縁開閉装置(スマートSIS)を開発した。スマートSISでは遮断電流，雷インパルス耐電圧，主回路接触・接続部の温度上昇限度の定格仕様見直しによる最適設計を行うと共に，電磁操作機構の採用による機構部の簡素化や集中形制御方式による保護制御装置を採用した。また，センシング機能により異常診断および異常予兆を把握することで保守省力化が可能となった。スマートSISは2019年9月に初号器納入し，現地運用中である。
6-051	新形6 kV固体絶縁開閉装置(スマートSIS)の開発(その3)
6-051	◎山中治夫・長綱望・小嶋康之・佐藤聡・勝又清仁（明電舎）・反り目拓己・前川俊浩（東京電力パワーグリッド）電気学会全国大会講演要旨 6-051 新形6 kV固体絶縁開閉装置(スマートSIS)の開発(その3) ◎山中治夫・長綱望・小嶋康之・佐藤聡・勝又清仁（明電舎）・反り目拓己・前川俊浩（東京電力パワーグリッド） 6 kV開閉装置は、配電用変電所から配電線への送電及び事故遮断のために適用しており、現在は小型かつ安全な固体絶縁方式を採用している。今回適用してから40年以上が経過した機器のリプレースを念頭に、仕様合理化やディジタル制御化を取り入れた新形の固体絶縁開閉装置(スマートSIS)を開発した。スマートSISでは遮断電流、雷インパルス耐電圧、主回路接触部の温度上昇限度の定格仕様を低減し、機構部の簡素化や汎用リレーを用いた保護制御装置の搭載を実現した。また、様々なセンサを設置することで機器状態を把握し、保守省力化が可能となった。スマートSISは2020年に初号器納入及び運用開始予定である。

2704-C3 電力システム（開閉器・避雷器）遮断器3月13日午後 2号館 2704教室
講演番号	タイトル
講演番号	著者名（所属名）
6-052	遮断器機構部への高性能グリス適用調査
6-052	○宮内学・岡崎敏幸（中国電力）・七戸俊介（北海道電力）・畠中紘一（東北電力）・熊谷隆（関西電力）・林尚樹（明電舎）電気学会全国大会講演要旨 6-052 遮断器機構部への高性能グリス適用調査 ○宮内学・岡崎敏幸（中国電力）・七戸俊介（北海道電力）・畠中紘一（東北電力）・熊谷隆（関西電力）・林尚樹（明電舎）電力系統において負荷電流および事故電流を遮断する目的で電気所へ設置されている遮断器は，その動作を円滑にするために機構部へ遮断器メーカの指定するグリスが塗布されている。また，数年に1度実施している遮断器の定期点検では，機構部へ注油等のメンテナンスを行っているが，その後の通常使用時において動作不良となるケースもあり，この原因はグリスの固着によるものが多い。現在，一般には高性能とされるグリスがあり，これらのフィールド適用も視野に入れて，調査を行ったため，その概要を紹介する。
6-053	GCB遅れ電流遮断と接触子消耗状況の考察
6-053	◎若生海王・伊藤保則（中部電力）電気学会全国大会講演要旨 6-053 GCB遅れ電流遮断と接触子消耗状況の考察 ◎若生海王・伊藤保則（中部電力）当社では，77kV母線に接続する分路リアクトルに対して，内部開放点検周期が10，000回まで不要なガス開閉器（GS）を専用機種として採用している。しかし，GSは製造者の撤退が懸念され，将来的に保全対応が困難になることが想定される。そこで，一般的なガス遮断器（GCB）の標準採用を検討すべく，遅れ電流遮断試験の実施およびフィールド機器における接触子消耗状況の評価を行った。その結果，小電流領域での負荷電流遮断では接触子の消耗傾向が動作回数により変化することを明らかにし，接触子が管理限界値に至るまでの動作回数を把握した。これにより接触子に対する取替周期延伸に資するデータを取得することができた。
6-054	ガス遮断器におけるプレコンディショニングの耐電圧性能への影響
6-054	◎小辻秀幸・浦井一・寺田将直（日立製作所）電気学会全国大会講演要旨 6-054 ガス遮断器におけるプレコンディショニングの耐電圧性能への影響 ◎小辻秀幸・浦井一・寺田将直（日立製作所）ガス遮断器には進み小電流遮断と呼ばれる責務がある。この責務では遮断する電流が小さいため，アークの影響は小さいがノズル内のガス流の影響を考慮する必要がある。そのため，電界解析による電界設計だけでなく，気流解析による電極近傍の密度変化を考慮した設計がなされている。進み小電流遮断に関して，高い性能が要求されるクラスJC2において，進み小電流遮断試験前に定格遮断電流の60%電流を3回遮断するプレコンディショニング(アーク付)が課されており，電極やノズルの消耗を考慮した設計が必要とされる。本報告では，モデル遮断部でのアーク付け前後の耐電圧試験の結果と，解析による評価結果について報告する。
6-055	SF₆ガス遮断器における多数回開閉後の温度上昇試験に関する考察
6-055	◎山田比呂志・伊藤保則（中部電力）電気学会全国大会講演要旨 6-055 SF₆ガス遮断器における多数回開閉後の温度上昇試験に関する考察 ◎山田比呂志・伊藤保則（中部電力）定格電圧84kVガス遮断器（GCB）を3形式用いて実施した多数回開閉試験（5，000回）では，各供試GCBともに，パッファシリンダ摺動面からの異物は数十mg程度であり，地絡等に繋がる針状異物は認めらなかった。今回，前述の多数回開閉を実施した一部の供試GCBにおいて，温度上昇試験を実施した。その結果，経年品かつ多数回開閉を実施したGCBにおいて，温度上昇値および主回路接触抵抗値に顕著な変化はなく，グリース拭き取り有無による差異も認められなかった。
6-056	高電圧直流遮断器の遮断試験
6-056	○常世田翔・稲垣卓志・齋藤弘樹・皆川忠郎・伊藤弘基（三菱電機）電気学会全国大会講演要旨 6-056 高電圧直流遮断器の遮断試験 ○常世田翔・稲垣卓志・齋藤弘樹・皆川忠郎・伊藤弘基（三菱電機）将来の多端子HVDC系統で必要な高電圧直流遮断器(DCCB)の開発が欧州等で進められている。当社は瞬時高速動作可能な電磁操作装置を適用した，低損失，低コストの他励発振方式（高周波逆極性電流重畳による電流零点形成法）機械式DCCBを開発した。本稿ではHVDCに関する欧州研究プロジェクトPROMOTioNにおいて，EHVレベル(525/600 kV)まで高電圧化可能な，多点切機械式DCCBの160/200 kVユニットモジュールを用いて実施されたKEMA大電力試験所での遮断試験につき報告する。
6-057	短絡試験電流計測におけるCTの等価回路
6-057	◎野中強也・腰塚正・日髙邦彦（東京電機大学）電気学会全国大会講演要旨 6-057 短絡試験電流計測におけるCTの等価回路 ◎野中強也・腰塚正・日髙邦彦（東京電機大学）短絡試験回路の固有過渡回復電圧（TRV）は、ダイオードなどを用いた低電圧で計測されることが多い。このとき、ダイオードや測定器の特性によって電流零点が判然としないという問題があるが、シャントや変流器（CT）などの測定器の影響についての検討は少ない。本研究の目的は、測定器がTRV測定に与える影響、特にシャントやCTによる電流測定での影響を検討することである。そのために、今回はCTの等価回路についての検討を行った。本研究では、最初にCTの周波数特性を実測した。その結果、通電側の状態によって周波数特性が異なることが分かった。この結果から、CTの等価回路を製作し、計算により実測とほぼ同等な周波数特性になることを確認した。
6-058	近距離線路故障（SLF）遮断試験用模擬線路の開発
6-058	◎赤星卓勇・高橋美香・木下定之・澤田達男・小松健・皆川忠郎（三菱電機）電気学会全国大会講演要旨 6-058 近距離線路故障（SLF）遮断試験用模擬線路の開発 ◎赤星卓勇・高橋美香・木下定之・澤田達男・小松健・皆川忠郎（三菱電機）近距離線路故障遮断試験に用いる模擬線路（以下SLF回路と記す）を一新し、合わせてTRVパラメータを自動読み取りしうる固有TRV測定システムを開発したので報告する。SLF回路は、L，C多段構成のπ形回路やLCR並列回路などが存在するが、いずれの回路も基本的な回路構成だけでは規格要求の遅れ時間の無いTRVを発生させることは難しい。今回導入した遅れ時間補償用リアクトル付きのLCR並列回路により、電圧測定用分圧器及び補助遮断器を含めた浮遊静電容量が大きい場合でも遅れ時間の無いTRV波形を容易に発生することが可能となった。また、固有TRV測定波形から電流零点を決定するアルゴリズムを確立しTRVパラメータの高精度自動読み取りを可能とした。
6-059	二室熱パッファガス遮断器における逆止弁動作計測
6-059	◎作山俊昭・小辻秀幸・石川正典・寺田将直・白石勝彦・浦井一（日立製作所）電気学会全国大会講演要旨 6-059 二室熱パッファガス遮断器における逆止弁動作計測 ◎作山俊昭・小辻秀幸・石川正典・寺田将直・白石勝彦・浦井一（日立製作所）二室熱パッファガス遮断器は，機械圧縮で圧力を形成する機械パッファ室と，アークエネルギーにより圧力を形成する熱パッファ室で構成されている。これら二室の間には機械パッファ室への熱ガスの不要な流入を防ぎ，遮断動作時の操作器への反力を低減するために逆止弁が設けられている。逆止弁の動作は遮断部の動作特性やガスの吹付に影響するため，その開閉状態を把握する必要がある。本研究では，二室熱パッファガス遮断器における逆止弁動作の計測手法について検証した。連通部の圧力特性から逆止弁の高速動作による開閉時刻を計測することが可能であり，遮断電流に対する閉止時刻の変化も評価できることを確認した。
6-060	高温SF₆ガスへのC₂F₄/BN溶発分解蒸気および銅蒸気の混入による構成化学種の変化–CuF₂ およびCuFの衝突電離断面積–
6-060	◎石井達也・横水康伸・兒玉直人・杉田武弘（名古屋大学）・寺田将直（日立製作所/名古屋大学）・浦井一・黒田真未（日立製作所）電気学会全国大会講演要旨 6-060 高温SF₆ガスへのC₂F₄/BN溶発分解蒸気および銅蒸気の混入による構成化学種の変化–CuF₂ およびCuFの衝突電離断面積– ◎石井達也・横水康伸・兒玉直人・杉田武弘（名古屋大学）・寺田将直（日立製作所/名古屋大学）・浦井一・黒田真未（日立製作所） SF₆遮断器の大電流遮断過程では，様々な分子種から構成される高温ガスが形成される。高温ガスの実効電離係数および臨界電界は，電気絶縁特性を示す有用な基本量である。本研究では，高温SF₆ガスに，ノズル材C₂F₄/BN溶発蒸気および電極材料のCu蒸気が混入した際の臨界電界の導出を試みている。本稿では，同高温ガスの化学組成の1例を示している。次いで，その構成分子であるCuF₂およびCuF について，電子衝突電離断面積を述べている。今後は，化学組成および電子衝突断面積を用いて，300から4000KにおけるSF₆/C₂F₄-BN/Cu混合ガスの絶縁特性を明らかにする。
6-061	SiC-MOSFETを用いた直流大電流の遮断過程における接合部温度評価－電源電圧380V－
6-061	◎渡邉幹太・横水康伸・小椋陽介・小川拓真（名古屋大学）電気学会全国大会講演要旨 6-061 SiC-MOSFETを用いた直流大電流の遮断過程における接合部温度評価－電源電圧380V－ ◎渡邉幹太・横水康伸・小椋陽介・小川拓真（名古屋大学）筆者らはIGBTやSiC-MOSFETを用いた低圧直流遮断器を試作し，その特性評価を行ってきた。近年では，数値計算による遮断特性の解明に着手している。限流方式を用いたSiC-MOSFET型モデル遮断器においては，2Ω以上の限流抵抗を使用することで電源電圧120V，突入電流2000Aにおける遮断特性を求めてきた。本報告では，電源電圧380Vにおける遮断特性として，FET素子の接合部温度上昇，端子間電圧について数値計算により検討している。計算結果から，限流抵抗の値を8Ω以上10Ω以下とすることで，MOSFETの定格を超えることなく2000Aの大電流を遮断可能であると考えている。

2704-A4 電力システム（開閉器・避雷器）代替ガス・限流器3月11日午後 2号館 2704教室
講演番号	タイトル
講演番号	著者名（所属名）
6-062	CO₂/O₂混合ガスの大電流試験後の絶縁性能
6-062	○井上徹・加藤紀光・安岡孝倫・内井敏之・真島周也・長谷川朋寛（東芝エネルギーシステムズ）電気学会全国大会講演要旨 6-062 CO₂/O₂混合ガスの大電流試験後の絶縁性能 ○井上徹・加藤紀光・安岡孝倫・内井敏之・真島周也・長谷川朋寛（東芝エネルギーシステムズ） SF₆ガスに代わる絶縁・遮断媒体としてCO₂ベースの混合ガスの適用が研究されている。その混合比率は大電流遮断後に変化し、絶縁・遮断性能などが影響を受ける可能性がある。本稿では、145kV定格のモデル遮断器を用いて、CO₂/O₂(30%)混合ガスの大電流遮断前後での混合比率の変化と絶縁性能への影響を考察した。まず、大電流遮断後においてもO₂濃度は測定機器の測定精度範囲内（＜±3%）であることを確認した。さらに、分解生成ガス及び生成物の影響を含めて評価するため、36kAを複数回遮断後の耐電圧試験を実施し、十分な後耐電圧性能を有することを確認した。これらの結果は、SF₆ガスと同様の充填圧管理により、CO₂/O₂混合ガスの絶縁性能が担保できることを示唆している。
6-063	準平等電界下におけるHFOガスとCO2混合ガスの雷インパルス破壊電界
6-063	◎笹原涼子・吉村学・菅健一（三菱電機）電気学会全国大会講演要旨 6-063 準平等電界下におけるHFOガスとCO2混合ガスの雷インパルス破壊電界 ◎笹原涼子・吉村学・菅健一（三菱電機） SF6ガスは優れた絶縁・遮断性能により電力機器の絶縁・遮断用途で広く使用されているが、地球温暖化係数（GWP）がCO2ガスの23,500倍あることから、環境負荷低減の目的で、代替技術が長く研究されてきた。本稿では低GWPでフロン代替冷媒として用いられているハイドロフルオロオレフィンガスを2種類、それぞれCO2と混合させ、準平等電界下での雷インパルス破壊電界を評価した結果を報告する。
6-064	PTFE溶発蒸気が混入した高温CO₂ガスの臨界電界におけるO₂ガス混合効果に関する一考察
6-064	◎横井俊哉・津坂亮博・松村年郎・雪田和人・後藤泰之（愛知工業大学）・横水康伸（名古屋大学）電気学会全国大会講演要旨 6-064 PTFE溶発蒸気が混入した高温CO₂ガスの臨界電界におけるO₂ガス混合効果に関する一考察 ◎横井俊哉・津坂亮博・松村年郎・雪田和人・後藤泰之（愛知工業大学）・横水康伸（名古屋大学）本稿では，遮断器ノズルの材料にポリテトラフルオロエチレン（PTFE）を想定し，PTFE溶発蒸気が混入した高温CO₂/O₂混合ガスにおける臨界電界の温度依存性を求めた。その結果，O₂ガスの混合により，ノズル材料溶発蒸気が混入した高温CO₂ガスの臨界電界は低下することが明らかになった。
6-065	C₃H₂F₄を添加したCO₂/O₂消弧ガスの臨界電界—温度300～4000 K, C₃H₂F₄添加率8%—
6-065	◎杉田武弘・横水康伸・兒玉直人・石井達也（名古屋大学）・佐藤基宗（三菱電機/名古屋大学）・中村泰規・小倉健太郎（三菱電機）電気学会全国大会講演要旨 6-065 C₃H₂F₄を添加したCO₂/O₂消弧ガスの臨界電界—温度300～4000 K, C₃H₂F₄添加率8%— ◎杉田武弘・横水康伸・兒玉直人・石井達也（名古屋大学）・佐藤基宗（三菱電機/名古屋大学）・中村泰規・小倉健太郎（三菱電機）近年では，日本および欧州における高電圧遮断器の製造メーカー各社は，消弧ガスとしてCO₂/O₂ガスへの他種ガス混合(C₃H₂F₄, C₄-FN, C₅-FKなど)を検討あるいは提案している。筆者らは，CO₂/O₂/C₃H₂F₄混合ガスがアークによって一旦熱解離し，その後温度低下した状況について，300～4000 Kでの化学組成の理論計算結果から主たる気相化学種と凝縮相炭素の生成を示すとともに，凝縮相炭素の生成防止条件をC₃H₂F₄混合率Y_CHFとO₂混合率Y_O2とで定式化できることを明らかにしてきた。さらに，C₄-FNあるいはC₅-FKを混合したCO₂/O₂ガスに展開させ，凝縮相炭素の生成防止条件を導出してきた。本研究は，次段階として，前述の他種ガスを混合したCO₂/O₂ガスについて，高温化での様々な気相構成種を考慮し，実効電離係数ひいては臨界電界E_Crなどの電気絶縁特性の導出に着手している。本稿では，CO₂/O₂/C₃H₂F₄混合ガスにおける300～4000 Kでの臨界電界E_Crを一混合条件下について述べている。
6-066	熱パッファ方式CO₂ガス遮断器の熱プラズマシミュレーション
6-066	◎吉田航己・藤野貴康（筑波大学）・吉野智之・前島啓・森正（東芝エネルギーシステムズ）電気学会全国大会講演要旨 6-066 熱パッファ方式CO₂ガス遮断器の熱プラズマシミュレーション ◎吉田航己・藤野貴康（筑波大学）・吉野智之・前島啓・森正（東芝エネルギーシステムズ）本研究では熱パッファ方式CO₂ガス遮断器に対して，熱プラズマシミュレーションを行い，解析結果と実験結果の比較を行う。また，比較結果から，解析結果の妥当性を検討する。解析結果と実験結果の比較から，平均吸収係数法を用いることで輻射の吸収を考慮した解析を行った場合では吸収を考慮しない場合に比べ，アーク電圧およびパッファ室の圧力が実験値に近づくことがわかった。アーク電圧の変動やパッファ室の圧力上昇は消弧に強く関与する現象である。従って，数値シミュレーションによって消弧性能を評価する際，平均吸収係数法により輻射の吸収を考慮するほうが考慮しない場合より適切であると考えられる。
6-067	高電圧直流遮断器用液中アーク限流器の磁気反発開極機構の開発
6-067	◎横山拓海・新海健・欧修洋（東京工科大学）電気学会全国大会講演要旨 6-067 高電圧直流遮断器用液中アーク限流器の磁気反発開極機構の開発 ◎横山拓海・新海健・欧修洋（東京工科大学）本研究では液中アークの限流効果を利用した直流遮断器の開発を行っている。アーク抵抗を速やかに上昇させるためには電極開極速度を速やかに上昇させる必要がある。このために，高速遮断器などに採用されることの多い磁気反発力を利用した開極機構を作成した。磁気反発力を最大となるようなコイル形状を求めた。この開極機構を適用した液中アーク限流器を用いて限流実験を実施しアーク抵抗を求めた。実験は容量180µFの10kVに充電したコンデンサバンクを用いた。アークがついている間の平均開極速度は約4.8m/sとなった。
6-068	多端子直流系統への超電導限流器導入の検討
6-068	◎真下貴之・寺尾悠・大崎博之（東京大学）電気学会全国大会講演要旨 6-068 多端子直流系統への超電導限流器導入の検討 ◎真下貴之・寺尾悠・大崎博之（東京大学）現在、コストや制御の面から注目されている多端子直流送電システムであるが、将来的に分散型電源の導入が増えることで事故電流が増加し遮断器の負荷が大きくなることが予想される。そのため、事故電流を抑制し、遮断器の負荷を軽減する限流器の導入が検討されている。そこで、REBCO超電導テープ線材を用いた電導限流器の導入による限流効果や遮断器負荷の軽減効果を定量的に評価した。その結果、限流器導入によって事故電流を最大で34％軽減できた。また、事故電流軽減に伴って遮断時間が短くなるため、遮断エネルギーを6.3％まで低減することができた。今後、テープ線材の製造技術の向上や長尺化によって、限流効果の更なる増加が期待できる。

2903-A2 電力システム（系統運用・解析）安定度3月11日午前 2号館 2903教室
講演番号	タイトル
講演番号	著者名（所属名）
6-069	STATCOMの効果的な設置点に関する考察
6-069	◎田畠和順・藤原修平・天満耕司（三菱電機）・神崎龍造・中山維織・前山慎一郎（関西電力）電気学会全国大会講演要旨 6-069 STATCOMの効果的な設置点に関する考察 ◎田畠和順・藤原修平・天満耕司（三菱電機）・神崎龍造・中山維織・前山慎一郎（関西電力） STATCOM等のFACTS機器は効率的かつ柔軟に様々な系統課題に対応することが可能である。系統課題の対策としてSTATCOMを設置する際には，効果的な設置点を選定する必要があるが，この検討手法は系統のパラメータに基づく定性的な手法や，時間シミュレーションによる定量的な手法など様々な方法が考えられる。本稿では，過渡安定度と定態安定度（小擾乱安定性）に着目して，STATCOMの必要容量が最小となる設置点の選定手法について検討したので報告する。
6-070	ケーブル系統における超電導発電機の導入効果に関する考察
6-070	◎西岡美紀・坂本織江・仁田旦三（上智大学）電気学会全国大会講演要旨 6-070 ケーブル系統における超電導発電機の導入効果に関する考察 ◎西岡美紀・坂本織江・仁田旦三（上智大学）現在、低炭素化社会の構築が世界的な課題になっている。しかし太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギー電源は、出力が天候に依存するため、従来電源のように計画的に配置・運用・制御を行うことが困難である。これらの問題に対し、超電導同期発電機（以降SCG）の系統導入は系統安定性の向上および二酸化炭素の削減に寄与する。我々は、そのSCGが需要高密度地域のケーブル系統に導入され、現用の常電導同期発電機（以降CG）と並列に運転される場合を想定し、モデル系統を作成した。またSCGの導入効果に関してシミュレーションを行った。結果として、SCGの方がCGと比較して、より安定な特性を示した。
6-071	発電機端子電圧を用いた新しい等面積法
6-071	◎山本光起（大阪府立大学）・清水浩一郎（関西電力）・石亀篤司（大阪府立大学）電気学会全国大会講演要旨 6-071 発電機端子電圧を用いた新しい等面積法 ◎山本光起（大阪府立大学）・清水浩一郎（関西電力）・石亀篤司（大阪府立大学）これまで，一機無限大母線系統の過渡安定性を簡易的に表す方法として等面積法が用いられてきた。しかし，等面積法や等面積法を基にした様々な過渡安定性を表す手法には，実際の系統では測定が困難な相差角が用いられている。そこで本論文では，従来は注目されてこなかった発電機端子電圧に着目することで，測定が困難な相差角を用いずに，測定が容易な発電機端子電圧を用いた新しい等面積法を考案し，シミュレーションによる検証を行った。
6-072	再生可能エネルギー電源を電源制限対象とした過渡安定度対策の一考察
6-072	松原貢・平神真也・神戸佑真（中部電力）・◎黒田英佑・原弘一・菊池賢一（日立製作所）電気学会全国大会講演要旨 6-072 再生可能エネルギー電源を電源制限対象とした過渡安定度対策の一考察松原貢・平神真也・神戸佑真（中部電力）・◎黒田英佑・原弘一・菊池賢一（日立製作所）従来の系統安定化システムは，系統故障時に同期発電機（SG）を電源制限（電制）することで，過渡安定度を維持し，大規模停電を防止していた。しかし，再生可能エネルギー電源（RES）の導入拡大が進むと，従来に比べ，系統全体の火力発電などのSGの連系量が相対的に減少するため，慣性や同期化力が低下し，系統安定度が厳しくなる恐れがある。加えて，電制の制御対象が減少するため，今後はRESについても電制対象とする必要があると考えられる。本稿ではSGとRESが無限大母線に連系する簡易電源系統モデルを用いた三相平衡故障時のSGの第一波脱調現象に焦点をあて，各電源の電制時の過渡安定度対策の効果をシミュレーションにより比較評価する。
6-073	リアルタイム情報を用いた決定木による過渡電圧安定度推定の検討
6-073	◎中野晴也・横山明彦（東京大学）・栄田真吾・Suresh Verma（中部電力）電気学会全国大会講演要旨 6-073 リアルタイム情報を用いた決定木による過渡電圧安定度推定の検討 ◎中野晴也・横山明彦（東京大学）・栄田真吾・Suresh Verma（中部電力）電圧不安定現象は世界中で多くの停電の原因または重要な要因となっている。近年の再エネ電源導入拡大や電力自由化に伴い，機器定数等を用いた解析によらず，系統の安定度をリアルタイムに把握する手法の重要性は今後増していくと考えられる。本稿では，PMU(Phasor Measurement Unit)などから得られるデータから決定木(DT：Decision Tree)を用いて，事故時の過渡的な電圧安定度を推測し，その精度に関する検討を行った。また， DT作成にはMATLABのMachine Learning Toolboxを用いた。
6-074	自家用発電機におけるCCT予測手法の一提案
6-074	◎福山剛健・雪田和人・松村年郎・後藤泰之（愛知工業大学）・平松大典（日本電気技術者協会）電気学会全国大会講演要旨 6-074 自家用発電機におけるCCT予測手法の一提案 ◎福山剛健・雪田和人・松村年郎・後藤泰之（愛知工業大学）・平松大典（日本電気技術者協会）近年，地球温暖化や化石燃料の枯渇問題などの理由により，分散型電源の導入が増加，拡大している。この電力系統の外乱により，これらの分散型電源が一斉に解列すると周波数，電圧，安定度の維持が懸念事項である。その対策として，系統故障運転(FRT)要件(1)が規定されている。海外では，このFRT要件は分散型電源のみならず，大型発電機に対しても要求されつつある。そこで，FRTに関して，小容量模擬送電装置を用いて発電機の挙動に関するデータを取得し，それらをもとに回帰分析を用いて，発電機の CCTの予測を行った。実測データと予測結果の比較を行ったところ，実測データと近いCCTを予測で得ることができた。
6-075	位相計測装置を用いた慣性推定手法の評価
6-075	◎玉木貴裕・西川倫太郎・米澤実・渡邊政幸・三谷康範（九州工業大学）電気学会全国大会講演要旨 6-075 位相計測装置を用いた慣性推定手法の評価 ◎玉木貴裕・西川倫太郎・米澤実・渡邊政幸・三谷康範（九州工業大学）近年，太陽光発電などの慣性を持たない再生可能エネルギーの導入が進み，電源脱落量から推定される以上に周波数が変動してしまうといった，電力系統の擾乱に対する耐性の低下が懸念されている。そこで本研究では，注目する地域が持つ慣性の推定を試みている。これまでの研究によって，慣性の大きさを数値的に導出できるようになり，季節の違いに起因して予想される慣性の変化など定性的に結果の正しさを確認してきた。本稿では，広域動揺モードから慣性を推定する手法，系統擾乱発生時に生じる周波数の変化量と潮流の変化量を用いる手法，および把握可能な発電機の慣性定数値の積算から導出する手法について比較，評価を行っている。

2903-C2 電力システム（系統運用・解析）系統解析（Ⅰ）3月13日午前 2号館 2903教室
講演番号	タイトル
講演番号	著者名（所属名）
6-076	ハイブリッドコーディングを用いたFACTS機器最適配置法
6-076	◎髙橋朋章・森啓之（明治大学）電気学会全国大会講演要旨 6-076 ハイブリッドコーディングを用いたFACTS機器最適配置法 ◎髙橋朋章・森啓之（明治大学）近年、主に米国でFACTS(Flexible AC Transmission System)機器の系統への積極的導入が進んでいる。FACTS機器は動態安定度、過渡安定度、電圧安定度の向上及び電力潮流、母線電圧の制御を高速に行うことが可能である。FACTS機器の課題として設置場所と設定パラメータをどのように決定することが問題となっている。本稿では、系統の送電容量最大化を目的としたハイブリッドコーディングBSO(Brain Storm Optimization)を用いたFACTS機器最適配置法を提案する。
6-077	DDPPBSOを用いた状態推定のためのPMU最適配置
6-077	◎小川彰太・森啓之（明治大学）電気学会全国大会講演要旨 6-077 DDPPBSOを用いた状態推定のためのPMU最適配置 ◎小川彰太・森啓之（明治大学）本稿では、Discrete Dual Predator-Prey Brain Storm Optimization (DDPPBSO)を用いた状態推定のためのPMU最適配置法を提案する。近年、再生可能エネルギーによる分散電源の大量導入により、電力系統の運用・制御の複雑化が課題となっており、電力系統におけるセキュリティ向上が重要となる。そこで、注目すべき技術が状態推定である。本稿では、状態推定の精度向上を図るため、PMUの最適配置を実行する。ここで、PMU最適配置問題の課題として、この問題が組合せ最適化問題であり、従来の数学的手法では、現実的な時間内で解を得ることは困難な点が挙げられる。そこで、本稿では、新たに開発した高性能進化計算手法のDDPPBSOを用いた状態推定のためのPMU最適配置法を提案する。
6-078	電圧無効電力制御への並列複数集団型Modified Brain Storm Optimizationの適用
6-078	○松本海智・福山良和（明治大学）電気学会全国大会講演要旨 6-078 電圧無効電力制御への並列複数集団型Modified Brain Storm Optimizationの適用 ○松本海智・福山良和（明治大学）平常時の電圧無効電力制御は，電力系統での電力品質としての電圧の適正維持や電力系統の電圧安定性維持，送電損失の低減を行うことを目的としている。中央制御方式のVQC は，混合整数非線形最適化問題として定式化でき，従来の数理計画法では直接取り扱うことは困難であるため，進化計算が適用されてきた。しかし，解の質にはまだ改善の余地がある。本論文では，解の質の向上を目的として提案法の適用し，その有効性を示す。
6-079	自家用発電設備を有する大口需要家の電力系統解析－瞬時値解析による電気的過渡現象の検討－
6-079	◎前享志郎・青木睦（名古屋工業大学）・壹岐浩幸（富士電機）・加戸良英（旭化成）電気学会全国大会講演要旨 6-079 自家用発電設備を有する大口需要家の電力系統解析－瞬時値解析による電気的過渡現象の検討－ ◎前享志郎・青木睦（名古屋工業大学）・壹岐浩幸（富士電機）・加戸良英（旭化成）石油化学や鉄鋼等を扱う大口需要家は，コスト削減や安定した電力供給を目的として自家用発電設備を有している。ここ十数年，このような大口需要家が構成する産業用電力系統について，この系統解析を行うためのソフトウェアが整備されてきた。これらは主に実効値計算で行われることが多いが，大口需要家の電気設備設計や保護協調についての詳細な検討には，瞬時値による電気的な過渡現象の把握が必要となる。そこで本研究では，産業用電力系統を対象とした瞬時値計算による解析モデルを構築し，ケーススタディとして大口需要家構外の遠方または至近端における瞬時電圧低下時の電力系統解析を行い，大口需要家の電気的な過渡現象について検討した。
6-080	パワエレ装置の高調波解析モデルの違いによるLCフィルタの必要容量の試算と比較－電流源と電圧源の混在ケース－
6-080	◎相原雄也・芦崎祐介・板谷陽平（東芝三菱電機産業システム）電気学会全国大会講演要旨 6-080 パワエレ装置の高調波解析モデルの違いによるLCフィルタの必要容量の試算と比較－電流源と電圧源の混在ケース－ ◎相原雄也・芦崎祐介・板谷陽平（東芝三菱電機産業システム） LCフィルタの「必要容量」「同調次数（共振次数）」を決定するためには高調波解析が必須である。その際，PE装置を誤った解析モデルで模擬すると，LCフィルタに期待した効果が得られないことがある。本稿では、高調波電流源（サイリスタ整流器），高調波電圧源（電圧型PWMインバータ）が同一母線に混在する，より複雑で大規模な産業プラントを想定し，PE装置の解析モデルの違いによる，必要なLCフィルタ容量の違いを試算した結果を報告する。
6-081	非常用発電装置のサージ対策技術
6-081	○佐藤淳・小田康雄（NTTファシリティーズ）電気学会全国大会講演要旨 6-081 非常用発電装置のサージ対策技術 ○佐藤淳・小田康雄（NTTファシリティーズ）通信設備等の重要設備では、バックアップ電源である非常用発電装置を備えることが多い。また、近年、地球温暖化の影響等で甚大災害がたびたび発生しており、電力会社の停電が多発、長時間化する傾向にある。そのため、非常用発電装置の重要性は、今後も増えるものと考えられる。本論文では、この非常用発電装置のサージ対策技術について紹介する。
6-082	潮流発電システムにおける開閉器投入手法－一次側開閉器投入時刻に対する電流のpeak値－
6-082	◎辻健太郎・塩野光弘（日本大学）電気学会全国大会講演要旨 6-082 潮流発電システムにおける開閉器投入手法－一次側開閉器投入時刻に対する電流のpeak値－ ◎辻健太郎・塩野光弘（日本大学）我々は、ダリウス形水車と二重給電誘導発電機（DFIG）を接続した潮流発電システムを提案した。これまでに、DFIGの一次側、二次側に接続した開閉器を一次、二次の順に投入する際の一次、二次電流のpeak値についてシミュレーションにより検討を行った。そこで本研究では、開閉器を二次、一次の順に投入する際の電流のpeak値を明らかにすることを目的としている。本稿では、二次側開閉器投入後の一次側開閉器投入時刻に対する一次電流のpeak値について検討を行った。その結果、一次電流のpeak値全てが定格範囲内となる最小の一次側開閉器の投入時刻は0.14sであることを確認した。

2903-C3 電力システム（系統運用・解析）系統解析（Ⅱ）3月13日午後 2号館 2903教室
講演番号	タイトル
講演番号	著者名（所属名）
6-083	吸熱発電が可能であることの数学的証明
6-083	○三森基輝（個人研究家）電気学会全国大会講演要旨 6-083 吸熱発電が可能であることの数学的証明 ○三森基輝（個人研究家）ヒートポンプによる熱移動を利用して吸熱→発熱させ、火力発電機を駆動することにより、外部からの入力なしで自立動作し、吸熱したエネルギーをエネルギー保存則に基づき電力に変換することが可能であることを数学的に証明し、これが実在するヒートポンプ技術である「エコキュート」テクノロジーによって実現可能であることの論証を行います。
6-084	スマートインバータ群を含む配電系統の縮約 -同一地点に連系されたスマートインバータ群の縮約手法の基礎検討-
6-084	◎川島伸明・原亮一・北裕幸（北海道大学）電気学会全国大会講演要旨 6-084 スマートインバータ群を含む配電系統の縮約 -同一地点に連系されたスマートインバータ群の縮約手法の基礎検討- ◎川島伸明・原亮一・北裕幸（北海道大学）近年，太陽光発電、風力発電などの再生可能エネルギー電源(RES)に，系統安定化に資する機能を付加する制御方法が提案されている。このような機能を具備した系統連系インバータはスマートインバータ（SI）と定義されている。SIはそれ自体が研究開発の段階にあり，これが広く普及した場合にどの程度系統の安定化に寄与するのかは明確にはなっていない。これを検証するためには，電力系統全系でのシミュレーションを実施する必要がある。しかし，全系を詳細にモデル化した上でシミュレートすることは，計算負荷の観点から難しい。よって、多数のSIを有する系統の動特性を評価するためには，SIを含む部分系統を精度良く縮約する手法の開発が必要である。本稿ではその基礎的な検討として，同一地点に連系されたSI群の縮約手法を提案する。
6-085	電力系統の広域化による変動型自然エネルギー出力の平滑化効果
6-085	○木村誠一郎・斉藤哲夫（自然エネルギー財団）電気学会全国大会講演要旨 6-085 電力系統の広域化による変動型自然エネルギー出力の平滑化効果 ○木村誠一郎・斉藤哲夫（自然エネルギー財団）本発表は、電力系統の広域化が太陽光発電ならびに風力発電の導入拡大にどの程度有効かを議論するためのものである。太陽光発電、風力発電などの変動型自然エネルギーは気象により発電出力が変わるため、それを余すことなく使うためには電力系統の広域化が鍵とされる。筆者らは一般送配電事業者が公開する2018年度1年分データを用い、太陽光発電所および風力発電所の発電出力比を一般送配電事業者エリア間の相関分析を用いて評価した。その結果、風力発電においては系統の広域化によって平滑化効果が生まれることが確認できた。一方、太陽光発電については日本の地理的範囲および気象条件ではその効果が限定的である可能性が示された。
6-086	広域系統における周波数急変時の過渡特性に関する考察
6-086	○近藤潤次・梶本真則（東京理科大学）電気学会全国大会講演要旨 6-086 広域系統における周波数急変時の過渡特性に関する考察 ○近藤潤次・梶本真則（東京理科大学）交流連系された広域電力系統の周波数は，常時はどこで計測しても同じ値になる。しかし，大電源脱落や負荷脱落などの大きな系統事故が発生した直後（数秒以内）では，事故地点の近傍と遠方では異なる周波数値が観測される。本研究では，「広域の同期系統内における過渡的な多地点間での見かけの周波数の相違は，多地点間の相差角を変化させて電力潮流を変化させているものの，同期系統の周波数はどの地点でも同じである」と考える場合の，その周波数（以後，重心周波数と呼ぶ）の値，および重心周波数値と各地点で観測される周波数値との関係について考察し，簡易モデル上で検証する。
6-087	電力系統の小擾乱に対する多慣性電源同期化力の影響に関する考察
6-087	◎市川拓巳・平瀬祐子（東洋大学）電気学会全国大会講演要旨 6-087 電力系統の小擾乱に対する多慣性電源同期化力の影響に関する考察 ◎市川拓巳・平瀬祐子（東洋大学）複数の慣性力電源から構成される電力系統における周波数微小擾乱の安定性は、電源の持つ慣性力と、それによる電源間相互の同期化力が影響するが、電源数が複数の場合や系統構成が複雑な場合には、その挙動を直感的に理解することは難しい。そこで特に周波数動揺に関係する、慣性力電源の動揺方程式、慣性力電源間の同期化力、および周波数安定化のための二次制御などを、簡単な小信号モデルで過渡解析プログラムに適用し、その挙動を理論式と対比して検証したので、考察結果を報告する。
6-088	電力レジリエンス強化に資する再エネ脱落特性を考慮した負荷側UFRの高度化
6-088	◎佐藤勇人・小関英雄・天野博之（電力中央研究所）電気学会全国大会講演要旨 6-088 電力レジリエンス強化に資する再エネ脱落特性を考慮した負荷側UFRの高度化 ◎佐藤勇人・小関英雄・天野博之（電力中央研究所）北海道エリアでの大規模停電を契機に，電力系統のレジリエンス強化が求められており，緊急時の周波数制御（以下，緊急時制御）体系の再構築が重要と考えられる。一方，わが国では，今後より一層の再エネ導入拡大が想定されるが，レジリエンス強化との両立に資する緊急時制御体系のあり方は明らかになっていない。そこで本稿では，将来系統における緊急時制御の課題を抽出してこれに対処するための基本的な考え方を整理するとともに，中長期対策の一つとして負荷側UFRの高度化方策を提案し，その効果をシミュレーションにより検証した。その結果，提案制御を組合せた緊急時制御体系によって電力レジリエンス強化が期待できることが明らかになった。
6-089	A Study on Real-Time Inertia and Damping Coefficient Estimations in a Power System Model
6-089	◎王鈺涵・横山明彦（東京大学）電気学会全国大会講演要旨 6-089 A Study on Real-Time Inertia and Damping Coefficient Estimations in a Power System Model ◎王鈺涵・横山明彦（東京大学） There is concern that the installation of large-scale renewable energy sources threatens the frequency stability of a power system. Focusing on the frequency stability, this paper presents a real-time estimation method of system inertia and damping coefficient in a power system model. The method is simulated in the IEEJ West 10-machine System model. The estimation results with photovoltaic generations (PVs) are also investigated. Real-time estimation using fast measuring devices such as phasor measurement units (PMUs) is assumed. The transfer function of the system using the swing equation is calculated. Based on this transfer function, this paper adopts a method applying the Least Squares Fitting by using the frequency deviations, their time derivatives and power changes in the power system model.
6-090	島嶼系統に於ける慣性定数のリアルタイム計測試験（その1～システム概要～）
6-090	○宮崎聡・保坂直貴（東京電力ホールディングス）・ベリーブライアン電気学会全国大会講演要旨 6-090 島嶼系統に於ける慣性定数のリアルタイム計測試験（その1～システム概要～） ○宮崎聡・保坂直貴（東京電力ホールディングス）・ベリーブライアン変動性再生可能エネルギー（VRE）の大量導入に伴い、バルク電力系統がこれまで維持してきた慣性エネルギーが近年徐々に低下している。この状況下で系統擾乱が発生し、周波数変化率 (RoCoF) が急上昇した結果、大規模停電に至る事象が南オーストラリアで発生した。一方、系統慣性定数をリアルタイム計測する取り組みが米国ERCOTで開始された。発電機慣性定数の総量を算出する方法で、極めて容易に取得できる。しかし、配電系統に連系された発電機など、彼らの管理下に無い慣性定数を反映することは不可能であり、慣性定数を必ずしも正確に計測しているとは言えない。そこで、筆者らは、電力系統に微少電力変動をアクティブに注入することで、系統全体の慣性定数をリアルタイムで精度良く計測する手法を採用し、島嶼系統で実証試験を行ったので、そのシステム概要を報告する。
6-091	島嶼系統に於ける慣性定数のリアルタイム計測試験（その2～試験・結果～）
6-091	○保坂直貴・宮崎聡（東京電力ホールディングス）・ベリーブライアン（Reactive Technologies Limited）電気学会全国大会講演要旨 6-091 島嶼系統に於ける慣性定数のリアルタイム計測試験（その2～試験・結果～） ○保坂直貴・宮崎聡（東京電力ホールディングス）・ベリーブライアン（Reactive Technologies Limited）変動性再生可能エネルギー（VRE）の大量導入に伴い、電力系統に連系する同期発電機が減少しこれまで保有していた慣性定数が低下することが国内外で新たに課題となっている。慣性定数が低下すると発電機や負荷の脱落等の擾乱発生直後の周波数変化率 (RoCoF) が上昇するが、この状況下で系統事故が発生するとこれまでの運用では対処できず、最悪な場合には大規模な停電が発生することになる。実際に南オーストラリアでは低慣性系統時に送電線事故が発生し、適切な対応が間に合わず大規模停電が発生している。これらの状況もふまえて、さらなる再生可能エネルギー導入の対策として系統全体の慣性定数をリアルタイム計測する取り組みが欧米諸国で行われている。本研究では電力系統に微少電力変動をアクティブに注入し系統全体の慣性定数をリアルタイムで精度良く計測する手法について島嶼系統で試験を行った結果を報告する。
6-092	電力システム運用のシステム慣性への影響分析
6-092	○荻本和彦・岩船由美子・占部千由・片岡和人（東京大学）・東仁・礒永彰（JPビジネスサービス）電気学会全国大会講演要旨 6-092 電力システム運用のシステム慣性への影響分析 ○荻本和彦・岩船由美子・占部千由・片岡和人（東京大学）・東仁・礒永彰（JPビジネスサービス） PVや風力が主力電源となる過程では、同期機の従来の同期機の割合が減少することを始めとし、様々な電力システムの運用・管理の課題の課題の一つとして、電力システム全体の慣性（システム慣性）が低下し電力システムの周波数がより速く、またより大きな幅で変動する問題が生じる。本検討では、これまでの検討の延長として、揚水発電の運転、再生可能エネルギーの優先給電のシステム運用が、システム慣性の低下に与える影響を分析した結果を報告する。

2801-A3 電力システム（系統運用・解析）需給計画3月11日午後 2号館 2801教室
講演番号	タイトル
講演番号	著者名（所属名）
6-093	一般調整力モデルを用いたコージェネ調整力貢献の解析
6-093	○本田敦夫・手塚孔一郎（大阪ガス）・荻本和彦・岩船由美子・片岡和人（東京大学）・東仁・礒永彰・福留潔（J-POWERビジネスサービス）電気学会全国大会講演要旨 6-093 一般調整力モデルを用いたコージェネ調整力貢献の解析 ○本田敦夫・手塚孔一郎（大阪ガス）・荻本和彦・岩船由美子・片岡和人（東京大学）・東仁・礒永彰・福留潔（J-POWERビジネスサービス）需給調整市場において取引される調整力である二次調整力・三次調整力へコージェネが貢献すると仮定することにより，電力系統全体の運用や経済性・環境性にもたらされる変化を，需給調整市場の商品設計を念頭に開発された電力需給解析モデルである「一般調整力モデル」を用いた解析で定量化可能であることを，九州エリアにおける4月1日でのケーススタディーから示した。
6-094	多地域系統における地域間調整力取引を考慮したTSOモデルの経済的評価
6-094	◎山下隼矢・横山明彦（東京大学）・石川幸一郎・八木貴大・佐藤祐也（東京ガス）電気学会全国大会講演要旨 6-094 多地域系統における地域間調整力取引を考慮したTSOモデルの経済的評価 ◎山下隼矢・横山明彦（東京大学）・石川幸一郎・八木貴大・佐藤祐也（東京ガス）電力システム改革の一環として，2021年度から調整力を商品とした需給調整市場が，開設されていく予定である。需給調整市場の開設により，現状は地域内で確保することとなっている調整力が地域間連系線を介して地域外から調達可能となり，一般送配電事業者の調整力調達コストの低減や電源の広域運用による社会全体のコストが低減すると考えられている。本稿では地域間の調整力取引を考慮した送電系系統運用者(Transmission System Operator, TSO)モデルと全地域の電力系統の運用を一元的に行い，理想的な運用状態となる独立系系統運用者(Independent System Operator, ISO)モデルとの週間運用計画について比較・分析し，調整力取引を考慮したTSOモデルを評価した。
6-095	火力機の出力帯の優先順位により調整力を確保する高速年間発電計画手法の開発
6-095	◎木下喜仁・今井浩太・前田達矢・茂森郁雄・渡辺雅浩（日立製作所）電気学会全国大会講演要旨 6-095 火力機の出力帯の優先順位により調整力を確保する高速年間発電計画手法の開発 ◎木下喜仁・今井浩太・前田達矢・茂森郁雄・渡辺雅浩（日立製作所）発電事業者における収益性評価のため短期のみならず年間の発電計画の必要性が増している。電力市場や揚水発電機の出力量など様々なシナリオにおける年間発電計画を短時間で演算し，調整力の確保が可能な発電計画手法を開発した。本手法では，火力発電機出力に応じて非線形に確保される調整力を各出力帯で区分し，調整力の確保には最経済出力からの出力変化が小さい出力帯の出力から優先的に調整することで，短い演算時間で調整力を確保した。火力発電機約100台を対象に年間計画を評価した結果，調整力を考慮しても演算時間が30分程度であり高速な演算可能であることを確認した。
6-096	再生可能エネルギー増加時における火力発電機の柔軟性に関する検討
6-096	◎辻井佑樹・大山力（横浜国立大学）電気学会全国大会講演要旨 6-096 再生可能エネルギー増加時における火力発電機の柔軟性に関する検討 ◎辻井佑樹・大山力（横浜国立大学）現在の国内の電力系統において，従来電源の中で支配的な役割を担う火力発電機の調整力の更なる活用について検討する。燃料の種類やプラント設計によって，火力発電機の柔軟性には大きな違いがあるが，特に石炭火力発電機は，ベースロード電源として設計されており，柔軟性が低い場合が多い。従来は柔軟性の低い電源として設計されてきた発電機であるが，設備改造，制御変更，運用変更等により，柔軟性を向上させることが可能である。柔軟性の要素としては，①出力変化速度，②最小出力が代表的である。①は速いほど，②は小さいほど，柔軟性が高いと言え，これらを高めることが望まれる。本稿では，筆者らが構築した需給制御モデルを用いて，再生可能エネルギーの大量導入系統における火力発電機の柔軟性をシミュレーションによって評価する。
6-097	A Study on Utilization and Effect of Probabilistic Forecast of Photovoltaic Power Output Based on Interchanged Power and Flexibility in a Unified Power System ~part 1: outline of simulation model~
6-097	◎小豆澤諒太・羅恵丹・今中政輝・栗本宗明・杉本重幸・加藤丈佳（名古屋大学）電気学会全国大会講演要旨 6-097 A Study on Utilization and Effect of Probabilistic Forecast of Photovoltaic Power Output Based on Interchanged Power and Flexibility in a Unified Power System ~part 1: outline of simulation model~ ◎小豆澤諒太・羅恵丹・今中政輝・栗本宗明・杉本重幸・加藤丈佳（名古屋大学） Considering a higher penetration of Photovoltaic (PV) generation in the future, large operational flexibility is required in power system. To economically reserve enough flexibility, probabilistic forecast of PV generation is introduced in a day-ahead Unit Commitment (UC) scheduling. Its effects have been discussed based on a simulation in Chubu area. While actual power systems are unified in a wide region, in which power is interchanged among areas. This unified operation can improve power supply reliability and reduce necessary flexibility. So in this paper, probabilistic forecast is applied in a unified power system, whose operation will be discussed.
6-098	再生可能エネルギーの大量連系を考慮した電力系統の広域需給解析の基礎検討
6-098	◎柴崎優斗・辻隆男（横浜国立大学）電気学会全国大会講演要旨 6-098 再生可能エネルギーの大量連系を考慮した電力系統の広域需給解析の基礎検討 ◎柴崎優斗・辻隆男（横浜国立大学）日本では2030年や2050年を見据えて，大量の再生可能エネルギー電源を含む電力系統の需給解析が幅広く研究されている。また，再生可能エネルギー電源の大量連系に合わせて水素エネルギー社会の構築が進展し，水電解装置の普及も拡大することが期待されるが，将来のコスト低下を踏まえた望ましい設備容量について検討を進める必要がある。本稿は，将来の水電解装置などの導入可能性を検討するための基礎検討として，大量の再生可能エネルギー電源を含む日本の広域連系系統モデルを用いて，需給バランスの解析手法の基礎検討を行った需給解析結果を報告するものである。
6-099	発電機ユニットのクラスタリング手法による発電機起動停止計画
6-099	◎神山修平・原亮一・北裕幸（北海道大学）電気学会全国大会講演要旨 6-099 発電機ユニットのクラスタリング手法による発電機起動停止計画 ◎神山修平・原亮一・北裕幸（北海道大学）近年，再生可能エネルギー電源の導入量の増加に伴って需給バランス維持に必要な調整力もまた増加することが予想される．従来のやり方とは異なる新しい調整力確保を検討する必要があり，その一つとして，蓄電池の充放電電力の活用が期待されている．一方で導入コストが高いため，系統が必要とする設備量を正確に見積もることが国民経済的にも重要である．その際のツールの一つとして，発電機起動停止計画（UC）が挙げられる．しかし，UCは一般的に大規模な組み合わせ問題であるため計算コストが高いことから，UCの計算の効率化が重要な課題となる．このような観点から本研究では，計算精度を保ちつつ計算効率を向上させるUCを提案する．
6-100	需要家の蓄電池運用を考慮したVPPによる需給調整に関する検討
6-100	◎染葉美樹・青木睦・Suresh Chand Verma・中村勇太（名古屋工業大学）電気学会全国大会講演要旨 6-100 需要家の蓄電池運用を考慮したVPPによる需給調整に関する検討 ◎染葉美樹・青木睦・Suresh Chand Verma・中村勇太（名古屋工業大学）これまで，筆者らは住宅の蓄電池をVPPのリソースとして統合制御し，需給調整に活用する方法を検討してきたが，VPPの実現可能性をより正確に評価するためには，複数の需要家の負荷パターンを考慮する必要がある。本稿では，まず，それぞれ異なる住宅負荷パターンを有する，蓄電池運用を考慮した複数の需要家群を束ねたVPPモデルを構築する。次に，太陽光発電システムの導入量がさらに拡大した将来を想定し，電気学会の需給・周波数制御シミュレーションモデル(AGC30)を用いてVPPの応答性や需要家の必要件数について検討する。
6-101	Q学習により推定される東日本エリアの電力市場取引結果の分析
6-101	◎石川幸一郎・馬場旬平（東京大学）電気学会全国大会講演要旨 6-101 Q学習により推定される東日本エリアの電力市場取引結果の分析 ◎石川幸一郎・馬場旬平（東京大学）電力事業の自由化が進展しており，今後の発電設備の形成は市場メカニズムに委ねられる。将来の電源構成を議論するために，電力市場で予想される取引結果をシミュレーションできる電力市場モデルの構築が必要である。これまで，1地域（東京）の運用断面の市場（需給調整市場，スポット市場，時間前市場）を対象に，Q学習により電力市場取引結果を推定するシミュレーションモデル構築し，電源構成への影響を簡易に考察した。本稿では，3地域（東日本エリア）へモデルを拡張し，地域間連系線の制約が電力市場の取引結果へ与える影響を考察する。

2903-C1 電力システム（系統運用・解析）需要予測3月13日午前 2号館 2903教室
講演番号	タイトル
講演番号	著者名（所属名）
6-102	線路潮流と日射量にカルマンフィルタを適用したPV出力推定手法
6-102	○金尾則一・石丸雅章（北陸電力）電気学会全国大会講演要旨 6-102 線路潮流と日射量にカルマンフィルタを適用したPV出力推定手法 ○金尾則一・石丸雅章（北陸電力）線路潮流（P，Q）と日射量にカルマンフィルタを適用してPV出力を推定する手法を示し，実配電線での実測値に適用して，概ねPV出力を精度良く推定できることを示した。また，負荷側に力率改善用のコンデンサが並解列する場合の対応を示した。
6-103	機械学習を利用した負荷プロファイル推定手法
6-103	○安並一浩・高野富裕（三菱電機）・金沢由樹・上西宏和（中部電力）電気学会全国大会講演要旨 6-103 機械学習を利用した負荷プロファイル推定手法 ○安並一浩・高野富裕（三菱電機）・金沢由樹・上西宏和（中部電力）これまで，電力会社では，低圧配電系統における設備設計の際には，対象となる低圧設備単位の契約容量の合計に対して，契約口数に応じた換算係数を乗じることで，設備に流れる最大負荷電流の想定を行ってきた。一方，近年，スマートメータ（以下，SM）の導入が進んできており，各需要家の30分積算電力量の計量値が取得できるようになってきている。このような背景から，本研究では，低圧配電系統の設備設計を，より適正に行う（過剰投資とならない）ことを目的とし，機械学習手法を用いて，SMの30分計量値から，低圧系統の負荷プロファイルを推定する手法を開発し，その妥当性を検証した。
6-104	Early Stoppingを用いたコレントロピーに基づくANNによる翌日最大電力負荷予測手法
6-104	◎佐藤尚輝・福山良和（明治大学）・飯坂達也・松井哲郎（富士電機）電気学会全国大会講演要旨 6-104 Early Stoppingを用いたコレントロピーに基づくANNによる翌日最大電力負荷予測手法 ◎佐藤尚輝・福山良和（明治大学）・飯坂達也・松井哲郎（富士電機）翌日最大電力負荷予測の高精度化は供給予備力の確保の面から重要である。予測手法として用いられるANN手法では，従来，損失関数にLMSを用いるが，標準的でないデータに対する過学習を起こしてしまう可能性がある。これに対し，コレントロピーを用いることで標準的でないデータに対する過学習が防げ，予測精度の向上が期待できる。また，ANNの学習回数の決定にEarly Stoppingを用いた。Early Stoppingはバリデーションデータに対する評価を行い，連続的に精度が悪くなったら学習を停止させる手法である。これにより，適切な学習回数で学習が行えると考えられる。本論文では，Early Stoppingを用いたコレントロピーに基づくANNはLMSに基づくANNと比較し，有効性を確認した。
6-105	短期間の学習データによる持続モデルを用いた住宅群翌日電力需要の予測
6-105	◎檜山勇人・植田譲（東京理科大学）電気学会全国大会講演要旨 6-105 短期間の学習データによる持続モデルを用いた住宅群翌日電力需要の予測 ◎檜山勇人・植田譲（東京理科大学）電力小売が全面自由化されたことで，電気小売事業者にはインバランス料金を回避するための高精度な電力需要予測が必要となった。予測手法における近年の傾向は，大量のデータを用いて計算を行い翌日の電力需要を予測する。しかし上記の方法では手法の実装や修正が困難となる場合がある。そこで本研究では30日間の学習データによる持続モデルを用いて翌日電力需要を1時間値で予測する手法を提案する。提案手法でははじめに，学習期間の電力需要の1時間値を規格化前と規格化後の2通りでクラスタリングする。次に，それらの結果と決定木によって翌日電力需要の1時間値を予測する。最後に，重回帰分析を用いて予測値を補正する。
6-106	季節特徴を考慮した住宅地域を対象とする翌日需要予測モデルの開発
6-106	◎安達昂一朗・植田譲（東京理科大学）電気学会全国大会講演要旨 6-106 季節特徴を考慮した住宅地域を対象とする翌日需要予測モデルの開発 ◎安達昂一朗・植田譲（東京理科大学）太陽光発電を行う住宅地域がアグリゲータを介して電力運用を行うことを想定し、各家庭が持つ蓄電池の運用計画をアグリゲータが作成するために、翌日の負荷を、季節性を考慮しつつ機械学習を用いてニューラルネットワークを用いて予測することを目的とする。
6-107	機械学習を活用した地域配電系統需要・発電カーブ予測モデルの開発
6-107	○廣瀬雄（東京電力ホールディングス）電気学会全国大会講演要旨 6-107 機械学習を活用した地域配電系統需要・発電カーブ予測モデルの開発 ○廣瀬雄（東京電力ホールディングス）地域配電系統における電力流通設備の設備形成、最適運用、リスク管理などを検討するうえで、市区町村、配変区域など、より狭域・多地点の毎時需要・発電量を、等質かつ効率的に予測する手法の確立が望まれる。そこで、様々な形状を持つ地点別需要・発電カーブを、限られた変数を用いて汎用的に推計することを目的として、LSTM（長短期記憶）手法を活用した機械学習モデルを開発した。本論では、千葉県を10の区域に分割したうえで、当モデルの推計精度を検証、ならびに需要構成や気象変化に伴う需要・発電量変動などの分析例を紹介する。今後、電化促進、EV普及などの中長期的な社会変化に伴うシナリオ分析などに活用していきたい。

2801-A4 電力システム（系統運用・解析）需給制御3月11日午後 2号館 2801教室
講演番号	タイトル
講演番号	著者名（所属名）
6-108	残余需要のランプ変動緩和に貢献する家庭用ヒートポンプ給湯機の群制御手法
6-108	◎川頭浩城・馬場旬平（東京大学）電気学会全国大会講演要旨 6-108 残余需要のランプ変動緩和に貢献する家庭用ヒートポンプ給湯機の群制御手法 ◎川頭浩城・馬場旬平（東京大学）本稿は、家庭用ヒートポンプ給湯機(HPWH)の群制御による負荷平準化手法を検討したものである。変動性電源が大量導入された電力系統の需給バランス維持の手段の1つとして、系統側から可制御負荷の消費電力を直接制御することが考えられているが、大量の可制御負荷資源が系統内で運用される際には、可制御負荷の消費電力の急激な変動による系統周波数への悪影響が生じる可能性がある。本稿では、可制御負荷として特にHPWHに注目し、起動時の急激な負荷変動を抑えながら残余需要のランプ変動の緩和を行う群制御手法を提案した。電力系統の周波数シミュレーションモデルを用いてその効果を検証したところ、規定周波数からの逸脱率を低減させる効果が確認できた。
6-109	需給調整コストの低減を目的とした広域需給調整システムの開発
6-109	◎越智崇通・田村大介（中部電力）・柴垣良一・居関祐康（関西電力）・千貫智幸・小島康弘（三菱電機）電気学会全国大会講演要旨 6-109 需給調整コストの低減を目的とした広域需給調整システムの開発 ◎越智崇通・田村大介（中部電力）・柴垣良一・居関祐康（関西電力）・千貫智幸・小島康弘（三菱電機）現在、各一般送配電事業者は、エリア内に確保した調整力を用いてエリア単位で需給バランスを調整している。一方で、広域的な調整力の運用は、需給ひっ迫時等に限定しているため、全国の調整力の発動コストは、平常時における調整力の広域的な運用の導入により、低減の余地がある。そこで、一般送配電事業者9社は、9エリアの調整力を広域的に運用する広域需給調整システムを開発した。このシステムの導入により、「調整力の発動量の削減」、および「調整力の発動コストの最小化」を実現する。本稿では、広域需給調整システムの概要を紹介する。
6-110	AGC30モデルにおけるUC/EDCデータ外挿の検討
6-110	◎高橋康平・吉田花香・西尾晃二・益田泰輔（名城大学）電気学会全国大会講演要旨 6-110 AGC30モデルにおけるUC/EDCデータ外挿の検討 ◎高橋康平・吉田花香・西尾晃二・益田泰輔（名城大学）電気学会標準モデル（AGC30モデル）は電力系統の負荷周波数制御による周波数解析をシミュレーションするモデルであるが，発電機起動停止計画（UC）や経済負荷配分制御（EDC）指令値に関する情報も入力データとして準備する必要がある。AGC30モデルには「発電計画ツール」と「EDCモデル」が附属しており，これらによって必要なUCとEDC指令値の入力データを作成することができる。先行研究では，外生的に作成したUCの情報を入力データとして外挿する方法を検討してきた。本稿では，UCだけでなく，EDC指令値も入力データとして外挿し，周波数解析をシミュレーションする方法について述べる。
6-111	蓄電池パラメータが家庭用蓄電池の需給調整能力に与える影響
6-111	◎堤優菜・中村勇太・青木睦・Suresh Chand Varma（名古屋工業大学）電気学会全国大会講演要旨 6-111 蓄電池パラメータが家庭用蓄電池の需給調整能力に与える影響 ◎堤優菜・中村勇太・青木睦・Suresh Chand Varma（名古屋工業大学）近年，温室効果ガスの排出削減のため，再生可能エネルギー利用電源の導入拡大に向けた施策が進められているが，一方で，再生可能エネルギー利用電源の出力変動に伴う電力需給を調整する能力（以下，調整力）の確保が課題とされている。また，固定価格買取制度終了後にPV(Photovoltaic generation)の発電余剰電力の自家消費をするため，家庭用蓄電池の導入が期待されている。このような背景から著者らは既報により家庭用蓄電池を用いた調整力提供に関する研究を行っている(1)が，家庭用蓄電池による調整力提供能力は，系統連系用インバータ(kVA)容量および充電容量(kWh)の蓄電池のパラメータと密接な関係があると考えられる。このことから本稿では，蓄電池のパラメータが需給調整能力へ与える影響について検討する。
6-112	需給調整市場におけるメリットオーダーに基づく負荷周波数制御アルゴリズムの検討
6-112	○村上好樹・廣政勝利・市川量一（東芝エネルギーシステムズ）電気学会全国大会講演要旨 6-112 需給調整市場におけるメリットオーダーに基づく負荷周波数制御アルゴリズムの検討 ○村上好樹・廣政勝利・市川量一（東芝エネルギーシステムズ） 2021年4月に開設予定の需給調整市場における負荷周波数制御（LFC）アルゴリズムを検討した結果を発表する。従来は発電機の出力変化速度により使用発電機を選択していたが、市場開設後は価格の安い順（メリットオーダー）に発電機が選択されるが制御性が悪化する可能性がある。本報告では価格の重みと変化速度の重みを考慮したアルゴリズムを開発し、電気学会の標準モデルをベースにしたシミュレーションを実施し、制御性を維持しながら調整コストを低減できることを確認した。
6-113	系統特性とプラント特性を考慮した需給制御シミュレーション
6-113	○熊野照久・品田真宏（明治大学）電気学会全国大会講演要旨 6-113 系統特性とプラント特性を考慮した需給制御シミュレーション ○熊野照久・品田真宏（明治大学）近年太陽光発電等の変動電源の導入が進み，系統の受給運用は以前に比べて複雑化している。揚水発電所や火力発電所では頻繁な起動停止や出力の調整が必要とされている他，系統電圧の変動等も生じ，需給シミュレーションにおいて系統やプラント側の特性を考慮する必要性が高まっているが，現状まだ十分ではないと思われる。本発表では一般的な系統解析ツールを利用して電気学会標準モデル系統を対象に行った検討の結果について報告する。

2901-C2 電力システム（系統運用・解析）電力経済（Ⅰ）3月13日午前 2号館 2901教室
講演番号	タイトル
講演番号	著者名（所属名）
6-114	需要家間P2P電力取引に関する検討－経済的メリットのポテンシャル評価－
6-114	◎小田代朋也・原亮一・北裕幸（北海道大学）電気学会全国大会講演要旨 6-114 需要家間P2P電力取引に関する検討－経済的メリットのポテンシャル評価－ ◎小田代朋也・原亮一・北裕幸（北海道大学） FIT期間が終了した後は，それまでと比較して余剰電力の買取価格が非常に安くなることが想定される。そこで近年，ブロックチェーンやスマートコントラクト技術を利用して需要家間(peer to peer:P2P)で電力を取引する形態が考えられている。P2P取引の具体的なビジネスモデルはいまだ不透明な部分が多いが，そこに参加する主体（需要家）にとって経済的なメリットがある枠組みが必須であろう。著者らは，そのメリット拡大に蓄電池が大きく貢献しうるものと考えている。そこで本稿では，需要家間のP2P電力取引がもたらす潜在的な経済メリットについて，PV設置軒数と蓄電池導入量をパラメータとして評価する。
6-115	蓄電池を活用した電力個人間取引の普及に関する一考察
6-115	○瀬戸寿之・若杉健一（東北電力）・村上朝之（成蹊大学）・矢口航太・坂内容子・丸山ほなみ・木村功太郎（東芝エネルギーシステムズ）電気学会全国大会講演要旨 6-115 蓄電池を活用した電力個人間取引の普及に関する一考察 ○瀬戸寿之・若杉健一（東北電力）・村上朝之（成蹊大学）・矢口航太・坂内容子・丸山ほなみ・木村功太郎（東芝エネルギーシステムズ） P2Pは売り手（プロシューマ）と買い手（コンシューマ）との自由意志による取引となるが，その実現・普及に向けては，経済性はもちろんのこと，安定供給性の観点からの検討も重要である。特に，取引財として太陽光発電に加えて蓄電池を使った機器制御による電力が加わる場合，配電系統における潮流が複雑化するため，あらかじめ系統影響を評価し，必要な対策を検討しておく必要がある。本研究では，マルチエージェントシミュレーションを用い，蓄電池を活用した自家消費モデルとP2Pモデルの系統影響を比較した。
6-116	電力個人間取引が配電系統に及ぼす影響の分析
6-116	◎矢口航太・坂内容子・丸山ほなみ・木村功太朗（東芝エネルギーシステムズ）・瀬戸寿之・若杉健一（東北電力）・村上朝之（成蹊大学）電気学会全国大会講演要旨 6-116 電力個人間取引が配電系統に及ぼす影響の分析 ◎矢口航太・坂内容子・丸山ほなみ・木村功太朗（東芝エネルギーシステムズ）・瀬戸寿之・若杉健一（東北電力）・村上朝之（成蹊大学）近年，IoT技術の進展等により，新たなビジネスモデルとして電力の個人間取引（P2P）に注目が集まっているが、その実現に向けては系統運用の視点での検討も必要となる。太陽光発電（PV）と蓄電池を持つ需要家がP2Pを行うことを想定した場合，需要家はより高い利益を得るため，各々の取引戦略に基づいて蓄電池を制御すると考えられる。すなわち，系統側から見ると，P2Pによって負荷が能動的に変化することになるため，配電系統の潮流に影響を与えることになる。本稿では，P2Pシミュレータの取引結果を用いて系統解析シミュレーションを実施し，P2Pが配電系統に及ぼす影響について分析する。
6-117	個人間電力取引マルチエージェントシミュレーション
6-117	○村上朝之（成蹊大学）・瀬戸寿之・若杉健一（東北電力）電気学会全国大会講演要旨 6-117 個人間電力取引マルチエージェントシミュレーション ○村上朝之（成蹊大学）・瀬戸寿之・若杉健一（東北電力）近年、IoT 技術の進展等により新たなビジネスモデルとして電力の個人間取引（P2P）に注目が集まっている。この実現においては、需要家の行動戦略をもとにP2P 取引を模擬し、その結果として生じる系統影響などの電気的な側面についても評価が必要である。ここでは、個々の需要家の取引戦略を考慮したP2P 取引シミュレーション環境を構築し、市場の様子が再現できることを示した。
6-118	改良型オートエンコーダを用いた電力価格予測
6-118	◎山田航大・森啓之（明治大学）電気学会全国大会講演要旨 6-118 改良型オートエンコーダを用いた電力価格予測 ◎山田航大・森啓之（明治大学）近年、電力自由化の波を受けて、高精度な予測モデルの作成が市場プレイヤーにもたらす影響は計り知れない。電力価格の時系列予測は非常に複雑であり、価格決定には需給バランスのほか、気象条件などの様々な不確定要素が存在する。よって、これらの要素を含んだ時系列変動は非常に顕著である。また、Volatilityの高さから引き起こすスパイクと称される突発的な価格急上昇の存在も予測を行うにあたり、非常に厄介なデータである。本稿では、これらの非線形時系列に対応するため、前処理付き深層ニューラルネットワーク（DNN）を用いる。
6-119	複数予測結果の統合による電力スポット市場価格予測-精度向上に向けた状況別統合の検討-
6-119	◎大村愛花・藤本悠・林泰弘（早稲田大学）・澤敏之・佐々木浩人・福山直人・西野由高（日立製作所）電気学会全国大会講演要旨 6-119 複数予測結果の統合による電力スポット市場価格予測-精度向上に向けた状況別統合の検討- ◎大村愛花・藤本悠・林泰弘（早稲田大学）・澤敏之・佐々木浩人・福山直人・西野由高（日立製作所）近年, 日本卸電力取引所（JEPX）で取引される電力量は増加傾向にあり, 電力事業者にとって電力市場価格の予測の重要性が増している. だが, 時折発生する市場価格が高騰する状況下では予測精度は一般に低い傾向を示す. これまで我々が検討してきた複数種の予測結果の統合に基づくアプローチにおいても, 平常時と比較して, 価格高騰時は統合による予測の改善効果が低くなるという課題があった. 本稿では, 価格高騰時の予測精度の向上とそれに伴う平均的な予測精度の向上を目的として, 価格閾値に応じて状況分けをした統合器の学習スキームを検討する.

2901-C3 電力システム（系統運用・解析）電力経済（Ⅱ）3月13日午後 2号館 2901教室
講演番号	タイトル
講演番号	著者名（所属名）
6-120	送配電事業におけるデススパイラルの発生条件に関する一検討
6-120	星野光・◎阪上公紀・古谷栄光（兵庫県立大学）電気学会全国大会講演要旨 6-120 送配電事業におけるデススパイラルの発生条件に関する一検討星野光・◎阪上公紀・古谷栄光（兵庫県立大学）近年，電力流通設備の利用に係る料金(託送料金)の見直しが国内外で議論されている。そこでは，流通設備の効率的な利用を促す料金体系のあり方が議論されると共に，設備投資および維持に係る費用の回収方法が論点となっている。需要家の消費電力量(kWh)に対して課金する従量料金では，実績需要量が料金認可時の想定需要量を下回ると，料金算定時に前提となっていた経費を十分に回収できない。また，固定的経費の回収のために料金を引き上げることは，需要家側での分散型エネルギー資源(DER)の導入拡大による系統需要量の減少を加速させる要因となり得る。このことは，料金値上げと系統需要量の減少が相互に加速する「デススパイラル」と呼ばれる状況に送配電事業者が陥る可能性を示している。本報告では，託送料金と需要家側のDERへの投資の相互作用に着目した数値的検討により，特に蓄電池普及に伴うデススパイラルの発生要因の一端を明らかにする。
6-121	2019年台風15号に起因する大規模停電の復旧状況のマクロ的比較分析
6-121	○松尾豪（DeNA）・安田陽（京都大学）電気学会全国大会講演要旨 6-121 2019年台風15号に起因する大規模停電の復旧状況のマクロ的比較分析 ○松尾豪（DeNA）・安田陽（京都大学） 2019年9月9日千葉県千葉市付近に上陸した台風15号（アジア名：Faxai）は、特に千葉県において長期および広域の停電を引き起こし、社会問題となった。本報告では、この2019年台風15号に起因する停電を中心に、近年の自然災害による大規模停電の停電後の復旧状況を比較し、マクロ的観点から停電の復旧状況の特性を検証する。また、他の停電事例との比較分析を元に、リスクマネジメントおよびクライシスコミュニケーションの観点から、万一の停電の際に社会的影響を最小限に緩和するための方法論を提案する。
6-122	家庭部門を詳細化した技術選択モデルの開発と日本のCO2排出削減戦戦略による分散型電源の普及に関する分析
6-122	◎神戸健太郎・藤井康正・小宮山涼一（東京大学）電気学会全国大会講演要旨 6-122 家庭部門を詳細化した技術選択モデルの開発と日本のCO2排出削減戦戦略による分散型電源の普及に関する分析 ◎神戸健太郎・藤井康正・小宮山涼一（東京大学）新たに家庭部門におけるエネルギー貯蔵技術及び家庭用太陽光発電を考慮した技術選択モデルを作成し,日本のCO2削減目標が家庭部門のエネルギー消費動態にどのような影響を及ぼすか分析を行った.CO2削減目標を達成するには,家庭用の太陽光発電の普及が必要であり,余剰電力を貯蔵する技術としては蓄電池及び電気温水器が技術選択されやすいことが分かった.今後の課題としては,2050年までの長期的な分析を行うモデルの開発及び,家庭部門を代表的な世帯の種類に分類し詳細化し,各家庭のサービス需要を外生的に与えることによって,世帯種類ごとで普及が進む家庭用エネルギー貯蔵技術の技術選択の分析や託送料金制度を考慮できるモデルの開発が望まれる.
6-123	FCの増強による卸電力取引市場への影響
6-123	◎内川紗也加（横浜国立大学）電気学会全国大会講演要旨 6-123 FCの増強による卸電力取引市場への影響 ◎内川紗也加（横浜国立大学）本研究では，電力市場で全国的なメリットオーダーが実現されたらどうなるかを調査するため，JEPXの前日スポット市場のシミュレーションモデルとして，メリットオーダーに基づく入札と線形計画法を利用した約定を行うプログラムを作成した。そして，その検討例として東京中部間連系線設備（FC）に90万kWの増強をする前後のシミュレーションを行い，その結果を比較した。FCを増強すればどの電力需要の場合でも市場分断率は減少し，90万kWは有効的であると考えられる。今後は，総燃料費の変化や増強の費用対効果について検討して分析を進める。また，さらなる連系線の増強の効果も調査したいと考えている。
6-124	調整池を有する小水力発電と分散型電源からなる系統の経済性及び信頼度評価
6-124	◎鈴木翔太・宮内肇（熊本大学）電気学会全国大会講演要旨 6-124 調整池を有する小水力発電と分散型電源からなる系統の経済性及び信頼度評価 ◎鈴木翔太・宮内肇（熊本大学）世界的に電力率は毎年上昇しているが、未だに電気の届いていない地域が存在するのが現状である。また、CO2排出による地球温暖化問題を考慮して、世界的に太陽光発電(PV)や風力発電(WTG)などの再生可能エネルギー電源が注目を集めている。よって本報告では、未電化地域を対象に、調整池を有する小水力発電に加え風力発電と太陽光発電による電力供給システムを考え、これらの再生可能エネルギー電源が信頼性へ及ぼす効果について検討する。またこれまでは発電コストを使い経済性を評価していたが、今回は導入コストや売電収入を用い1年間の利益を計算し経済性評価を行う。
6-125	容量市場における需要曲線と供給曲線の模擬
6-125	◎瀬川周平・林晃大・礒永彰・福留潔（J-POWERビジネスサービス）電気学会全国大会講演要旨 6-125 容量市場における需要曲線と供給曲線の模擬 ◎瀬川周平・林晃大・礒永彰・福留潔（J-POWERビジネスサービス）本稿は,容量市場における電源の評価手法の基礎検討である。複数の想定下において2024年度の容量市場の需要曲線と供給曲線を模擬することで, 将来の容量市場の模擬精度の向上につなげることを目的とする。模擬の方法として, 電力広域的運営推進機関が公開しているモデルプラントのNet CONE (Net Cost of New Entry)算出方法を火力・原子力機の全電源に採用し, 個別発電機のネットの容量コストを算出することで供給曲線を作成した。結果は,運転年数に基づく建設費や廃止費用の負担の影響の違いによって, 容量コストに差が生じる結果となった。3つの模擬ケースの比較から, 約定を優先させて発電機の容量コストよりも安い価格で入札する発電機が存在すると考えられる。
6-126	配電線電圧を考慮した電力取引向け蓄エネルギー手法
6-126	◎藤﨑佑介・重信颯人・田岡久雄・伊藤雅一（福井大学）電気学会全国大会講演要旨 6-126 配電線電圧を考慮した電力取引向け蓄エネルギー手法 ◎藤﨑佑介・重信颯人・田岡久雄・伊藤雅一（福井大学） PVが大量連系された配電系統における卸電力市場での売電を行う場合,配電線電圧制約によりアグリゲーターの事前の入札量と実際に売電できる電力量に差が生じる可能性が考えられる。本稿では潮流計算による系統の模擬により卸電力市場の売電において電圧制約を考慮する場合としない場合の比較を行い,売電できる電力量に差が生じることを確認した。また,電圧制約逸脱の補償手法として家庭用蓄電池の充放電線形制御を行い,需要家の家庭用蓄電池の充放電制御を行うことで行わない場合に比べて約9[%]の売電可能な電力量の増加と47[%]の売電できない量の削減が可能であるという結果が得られた。
6-127	石炭火力の使用年数上限の設定がCO₂排出量と発電コストに与える影響評価
6-127	○矢部邦明・林泰弘（早稲田大学）電気学会全国大会講演要旨 6-127 石炭火力の使用年数上限の設定がCO₂排出量と発電コストに与える影響評価 ○矢部邦明・林泰弘（早稲田大学）太陽光発電(PV)が大量導入された系統で，石炭火力の使用年数上限を50年から5年刻みで25年まで変えて設備量を減らした時のCO2排出量とコストを評価した。1時間刻み1年間の火力発電費用を最小にする最適化計算を線形計画法で行ったところ，夕方の供給力確保などのため，石炭火力の減分と同程度のLNGCC増設が必要となった。2030年の九州をモデルとした系統で25年使用を上限とした場合，排出量は41%減，コストは20%増となった。単価6万円/kWhの蓄電池導入を選択肢に加えた場合も，火力と合わせた設備総量は同程度となり，PV出力抑制量は減るものの，排出量42%減，コスト17%増という結果が得られた。
6-128	JEPXのスポット市場における価格予測方式
6-128	◎小部敬純・平田飛仙・亀田真奈人（三菱電機）電気学会全国大会講演要旨 6-128 JEPXのスポット市場における価格予測方式 ◎小部敬純・平田飛仙・亀田真奈人（三菱電機）近年では、卸電力取引市場が活性化しており、電力取引価格予測へのニーズが高まっている。特に、グロスビディングや間接オークション等の導入で、大規模な小売り事業者においても、卸電力取引市場を通した電力調達の割合が高まっている。 JEPX(日本卸電力取引所) においては、スポット市場の約定方式として、「ブラインド・シングルプライスオークション」方式が採用されている。この約定方式では、売り買いの入札曲線が非公開のため、価格形成の仕組みの把握が困難である。そこで本研究では、売入札曲線を明示的に推定することを目的として、JEPXのスポット市場における入札量と約定価格の関係を分析し、買入札量と約定価格から売入札曲線相当の関係が得られることを確認した。
6-129	連系線の混雑価格と混雑余剰の市場モデル - 連系線の意義とその価値の評価 -
6-129	◎立間桃子・高森寛・中西要祐（早稲田大学）電気学会全国大会講演要旨 6-129 連系線の混雑価格と混雑余剰の市場モデル - 連系線の意義とその価値の評価 - ◎立間桃子・高森寛・中西要祐（早稲田大学）今後，地域間に大きく偏在する再生可能エネルギーが大量に市場投入されることが予想されるが，それらは連系線を介し広域で取引されることが重要である。電源設備タイプのミクスが地域間で大きく異なるとき，需要の時間的変動と地域差異に合わせて，広域で電力が需給調整されることの社会的便益は大きい。本研究は，今後予想される電源ミクスの変動を予見しながら，連系線の意義と価値を評価できるシンプルな理論モデルをもって，地域間市場の融合と分断，電力価格の格差，連系線混雑から生じる混雑価格や混雑余剰などの諸概念の定義，および，それらの間の関連性を明らかにすることを試みる。

2901-A3 電力システム（系統運用・解析）配電（Ⅰ）3月11日午後 2号館 2901教室
講演番号	タイトル
講演番号	著者名（所属名）
6-130	配電設備の点検・保修記録を用いた巡視者の点検傾向の簡易分析
6-130	◎中江莞・高野浩貴（岐阜大学）・國保友佑・東山昇一（関西電力）電気学会全国大会講演要旨 6-130 配電設備の点検・保修記録を用いた巡視者の点検傾向の簡易分析 ◎中江莞・高野浩貴（岐阜大学）・國保友佑・東山昇一（関西電力）配電設備の管理者は定期的に配電設備を点検し，その状態に応じて保修作業を行う。点検結果や保修内容は電子化され，データサーバに保存される。蓄積されたデータには有用な未利用情報が含まれることがあり，それらを如何に抽出して活用するかが注目されている。著者らは配電設備の保修要否の判断方法に着目した。保修要否の判断基準は巡視者の知識と経験に頼る部分があるため，差異が生じる。配電設備管理を合理化，効率化するには，こうした差異を極力排除することが望ましい。本稿では，コンクリート電柱を対象とし，建て替え保修が必要となる点検結果の基準について，クラスタリング手法を用いて分析した結果を報告する。
6-131	配電系統の電圧制御におけるSVCとSVRの協調を目的としたモデル予測制御の適用
6-131	◎日野大樹・飯岡大輔（東北大学）・馬渕裕之・安居昂紀（東京電力ホールディングス）・吉永淳・宮里善貴（東京電力パワーグリッド）電気学会全国大会講演要旨 6-131 配電系統の電圧制御におけるSVCとSVRの協調を目的としたモデル予測制御の適用 ◎日野大樹・飯岡大輔（東北大学）・馬渕裕之・安居昂紀（東京電力ホールディングス）・吉永淳・宮里善貴（東京電力パワーグリッド）近年の，太陽光発電(PV)の導入量増加に伴い，配電系統の電圧に関しては，PV 出力の変動によって適正範囲を逸脱する可能性が高まっている。配電系統の電圧は自動電圧調整器(SVR)や無効電力補償装置(SVC)により制御可能となるが，効率的に制御するには両者を協調動作させることが不可欠となり，配電線ごとに整定値を厳密に調整する必要がある。本稿では，SVR と SVC の協調制御にモデル予測制御(MPC :Model Predictive Control)を適用し，PV が大量に導入された配電系統において電圧を適正範囲に維持する手法を提案する。また，比較的亘長が長く，電圧調整が厳しいと考えられる農山村モデルを対象に，提案手法を用いてシミュレーションを行った結果について述べる。
6-132	EV充電が柱上変圧器の設備利用率に与える影響の評価
6-132	◎小倉大誠・芳澤信哉・藤本悠・光岡正隆・林泰弘（早稲田大学）・村井謙介・鈴木健太・池添圭吾（日産自動車）電気学会全国大会講演要旨 6-132 EV充電が柱上変圧器の設備利用率に与える影響の評価 ◎小倉大誠・芳澤信哉・藤本悠・光岡正隆・林泰弘（早稲田大学）・村井謙介・鈴木健太・池添圭吾（日産自動車）電気自動車（EV：Electric Vehicle）は運輸部門における二酸化炭素排出量の削減に大きく貢献すると期待されており，世界中でも普及が進んでいる。しかし普及が進んだ状況下ではEVのオーナー達がとる充電行動によって配電系統の電力潮流がこれまでとは異なる性質を持ち始める。特に，夜間に充電をする傾向があるEVのオーナー達が一斉に充電した場合，配電系統における電圧逸脱，柱上変圧器の容量超過等の問題発生が予想される。本稿では1台1台利用状況が異なるEVの充電行動を実データに基づき模擬した配電系統の電力潮流シミュレーションにより，柱上変圧器の設備利用率に与える影響を評価する。
6-133	太陽光発電が大量連系した配電系統における分散型蓄電池の地点別価値評価
6-133	◎田宮健暉・浅野浩志・坂東茂（東京大学）電気学会全国大会講演要旨 6-133 太陽光発電が大量連系した配電系統における分散型蓄電池の地点別価値評価 ◎田宮健暉・浅野浩志・坂東茂（東京大学）郊外地域では配電系統における太陽光発電（PV）導入量が増加する一方で、人口は減少し、電力需要は飽和している。そのためPVからの逆潮流による電圧の上限逸脱が懸念されるが、この対策の一つとして、配電系統管理者による需要家蓄電池を用いた電圧制御が挙げられる。本研究では、配電系統の電圧制御に一般的に用いられる静止型無効電力補償装置（SVC）との比較により、蓄電池の地点別価値を評価する。
6-134	故障復旧時における系統切替最適化問題への進化型アルゴリズムの適用に関する基礎検討
6-134	◎加藤輝之・関崎真也・山﨑拓哉・西崎一郎・林田智弘（広島大学）・彦山和久・金沢由樹・上西宏和（中部電力）電気学会全国大会講演要旨 6-134 故障復旧時における系統切替最適化問題への進化型アルゴリズムの適用に関する基礎検討 ◎加藤輝之・関崎真也・山﨑拓哉・西崎一郎・林田智弘（広島大学）・彦山和久・金沢由樹・上西宏和（中部電力）配電系統故障が発生した際は，探査等により健全性が確認できた区間を系統切替により送電することで停電区間を縮小している。著者らは先行研究において，速やかな故障復旧を可能にする切替手順を導出するための事前検討として，自動開閉器のみを切替操作対象としたアルゴリズムを開発している。通常，故障点が停電区間のどこにあるかは未知であるが，本論文では事前検討として，故障点を既知と仮定した際の系統切替手順を導出する進化型多数目的最適化アルゴリズムを開発し，数値計算により動作検証を行ったので報告する。
6-135	セミオフグリッド系統における配電線を利用した電力供給についての検討
6-135	◎関野敬太・田村潤・馬場旬平・河合一郎（東京大学）電気学会全国大会講演要旨 6-135 セミオフグリッド系統における配電線を利用した電力供給についての検討 ◎関野敬太・田村潤・馬場旬平・河合一郎（東京大学）近年，主系統から独立して小規模な系統で電力供給を行う考え方が注目されている。今後，日本では人口減少が予想されており，過疎化が進行した地域では電力需要も減少する可能性がある。老朽化した送電線などの設備更新の際に設備の規模をダウングレードし，小さな容量のものでも供給を行うことが可能な場合が考えられる。本検討では既設電源として水力発電を導入した小規模系統に注目しており，大規模系統と接続する連系線を撤廃し配電線を用いて電力のやりとりを行うことを考えて，潮流計算を行った。検討対象地域において発電電力量と負荷が平均的である場合には，電圧制約や配電線の熱容量制約が満たされるという結果が得られた。
6-136	相互インピーダンスが配電系統へ与える影響の理論的な考察について
6-136	○田中俊生・長尾潤・長嶋洋・張本毅・本山順平・太田淳一（九州電力）・藤井嵩大・飯岡大輔（東北大学）電気学会全国大会講演要旨 6-136 相互インピーダンスが配電系統へ与える影響の理論的な考察について ○田中俊生・長尾潤・長嶋洋・張本毅・本山順平・太田淳一（九州電力）・藤井嵩大・飯岡大輔（東北大学）太陽光発電(PV)が配電系統へ大量連系し、逆潮流が大きくなると電圧不平衡が拡大する現象が確認された。この現象は、配電線路の相配列に起因する相互インピーダンスの不平衡により生じ、配電線路の捻架により相互インピーダンスを平衡として是正されることを確認した。今回、逆潮流増加に伴う電圧及び電力不平衡の拡大と相互インピーダンスの関係の解明を目的に、理論式の詳細な分析及びベクトル図を基に検討を行った。この結果、配電線路中央の相は電圧位相が順潮流では進み、逆潮流では遅れこと及び、潮流方向にかかわらず、遅れ無効電力が生じることが明らかとなったので報告する。
6-137	配電系統の電圧適正化を目的としたSVCおよび蓄電池制御に関する基礎検討
6-137	佐々木祐輔・○本田秀樹（石巻専修大学）電気学会全国大会講演要旨 6-137 配電系統の電圧適正化を目的としたSVCおよび蓄電池制御に関する基礎検討佐々木祐輔・○本田秀樹（石巻専修大学）再エネ電源（主にPV）と急速充電器設備（QC）が配電系統に多数接続されると系統電圧に急峻で大きな変動をもたらすことから、現在、配電系統の主たる電圧制御手法であるSVRおよび柱上変圧器タップ管理による電圧適正化は困難になりつつある。そこで、急峻な潮流変動に対して応答速度が速いSVC、蓄電池が注目されているが、いずれ導入費用が高価であり、実導入にあたっての効果を見極める必要がある。本研究では、PV電源あるいはQC設備が大量に接続された配電系統において、電圧変動抑制対策としてSVCと蓄電池の適用を想定した解析を行い、両者の有効性を検証する。
6-138	スマートメータデータを用いた需要家の電力消費傾向の簡易分析
6-138	高野浩貴・◎堀井康平・中江莞（岐阜大学）・國保友佑・東山昇一（関西電力）電気学会全国大会講演要旨 6-138 スマートメータデータを用いた需要家の電力消費傾向の簡易分析高野浩貴・◎堀井康平・中江莞（岐阜大学）・國保友佑・東山昇一（関西電力）現在，電力分野のデジタル化が進んでおり，スマートメータの設置台数も着実に増加している。これに伴い，取得したデータの活用方法が活発に議論されるようになった。スマートメータデータから得られる細かな電力消費量には、需要家の日々の行動が反映されていることから、需要家の節電意識が含まれていると考えた。各需要家の節電意識を把握できれば，効果的な電力需要管理などが期待できる。本稿では，需要家毎に前年度との日間電力消費量の差分の推移を求めた。得られた推移からクラスタリング手法を用いて、節電意識の抽出を試みた結果を紹介する。
6-139	盗電判定手法に関する基礎検討
6-139	○菅野伯浩・佐野常世（東京電力HD）・黒岩正貴（東京電力PG）電気学会全国大会講演要旨 6-139 盗電判定手法に関する基礎検討 ○菅野伯浩・佐野常世（東京電力HD）・黒岩正貴（東京電力PG）インドにおける盗電によるロスを削減を目的として、著者らが保有する負荷予測手法を応用した盗電有無判別手法の基礎検討を実施したので結果を報告する。

2901-A4 電力システム（系統運用・解析）配電（Ⅱ）3月11日午後 2号館 2901教室
講演番号	タイトル
講演番号	著者名（所属名）
6-140	三相不平衡インピーダンスを持つ配電系統が三相PCS出力へ与える影響
6-140	◎平川琢浩・馬場旬平（東京大学）電気学会全国大会講演要旨 6-140 三相不平衡インピーダンスを持つ配電系統が三相PCS出力へ与える影響 ◎平川琢浩・馬場旬平（東京大学）多くの太陽光発電設備が連系される配電系統では、撚架による各相のインピーダンスの平衡化が余り行われておらず、インピーダンスの不平衡が無視出来ない。さらに太陽光発電設備もある程度の容量以上になると三相連系となる。この様な状況のもとで、三相PCSが配電線路に連系されると、電圧安定性の観点から、三相平衡回路での連系とは異なった現象や問題が発生する。そこで本研究では、三相不平衡の配電系統が分散形電源用三相PCSの動作に与える影響及び、その出力が系統に与える影響についてシミュレーション及び理論式から検討をした。その結果、系統機器に悪影響を及ぼす、出力有効電力の振動や、電圧不平衡の拡大が確認された。
6-141	離散型PPBSOを用いた配電系統再構成法
6-141	◎染谷直寿・森啓之（明治大学）電気学会全国大会講演要旨 6-141 離散型PPBSOを用いた配電系統再構成法 ◎染谷直寿・森啓之（明治大学）本稿では, 配電系統の有効電力損失最小化を従来より効率的に行うための手法として, 離散型Predator-Prey Brain Storm Optimization (以後, PPBSOと略記) を用いた配電ネットワーク再構成法を提案する。配電系統の再構成問題は, フィーダの切替えによる組合せ最適化問題として表せる。複雑である配電系統の再構成問題に対して, 高品質な解が求められる。そこで, 本稿では高性能進化的計算であるBSOの改良法であるPPBSOを用いた手法を提案する。
6-142	柱上変圧器接続相判定における変電所テレメータ測定電流値活用の検討
6-142	○柏木哲也・北島弘伸（富士通）・服部沙里（富士通九州システムズ）・大松洋一・村本直樹・軍司真也（北海道電力）電気学会全国大会講演要旨 6-142 柱上変圧器接続相判定における変電所テレメータ測定電流値活用の検討 ○柏木哲也・北島弘伸（富士通）・服部沙里（富士通九州システムズ）・大松洋一・村本直樹・軍司真也（北海道電力）センサ内蔵開閉器の相電流Iとスマートメーターの30分使用量Pを活用した変圧器接続相判定技術の研究を進めてきた．スマートメーターの設置は計画通り進む中で，センサ内蔵開閉器が未設置の配電線へ本手法を適用するため，既設の変電所テレメーター値でセンサ内蔵開閉器を代用可能か実系統のデータで検証した．
6-143	非同期計測を考慮した並列複数集団型GBSODEによる複数断面を用いた配電系統状態推定
6-143	◎東大智・福山良和（明治大学）・大井章弘・神通川亨・藤本久（富士電機）電気学会全国大会講演要旨 6-143 非同期計測を考慮した並列複数集団型GBSODEによる複数断面を用いた配電系統状態推定 ◎東大智・福山良和（明治大学）・大井章弘・神通川亨・藤本久（富士電機）配電系統の状態推定は，対象とする配電系統に対して，得られる計測器のデータを基に，電圧等の系統状態をオンラインで把握する機能である。配電系統ではポーリングによって計測データは非同期で得られており，従来の状態推定では，これを考慮していなかったため，複数断面を用いた新たな定式化を提案した。配電系統内のSVR等の実機器により，潮流方程式が微分不可能や不連続になる可能性があるため，進化計算の適用が必要となる。これに対して，著者らは並列複数集団型IBSODEを適用したが，推定精度の向上に改善の余地があった。本論文は，推定精度の向上を目的とし並列複数集団型GBSODEを複数断面を用いた配電系統状態推定に適用することを提案する。
6-144	PV大量導入を考慮した配電系統のアクティブ運用の検討
6-144	◎高山寛也・辻隆男・大山力（横浜国立大学）・長谷川匡彦（東京電力パワーグリッド）・林直輝（東京電力ホールディングス）電気学会全国大会講演要旨 6-144 PV大量導入を考慮した配電系統のアクティブ運用の検討 ◎高山寛也・辻隆男・大山力（横浜国立大学）・長谷川匡彦（東京電力パワーグリッド）・林直輝（東京電力ホールディングス）近年、太陽光発電（PV)などの分散電源を配電系統に大量導入することで逆潮流問題が生じると予測され、その対応が求められている。現在では配電用自動電圧調整機器（SVR）を設置して対応しているが、SVRの設置にはコストがかかり今後の設置コストの増大が懸念される。そこで、本研究は配電系統にPVを設置した環境で、従来の開閉器と比べ多回数切り替えが可能な半導体開閉器を導入し、アクティブに開閉状態を切り替えて電圧制御を行う手法（アクティブ運用）について検討した。その結果、通年で天候を加味した条件で、導入する半導体開閉器個数と入切操作回数の最小化を両立しながら、電圧を適切な値に抑えることが出来た。
6-145	負荷電流の相間不平衡が共振周波数方式に与える影響評価
6-145	○児玉安広（東京電力パワーグリッド）電気学会全国大会講演要旨 6-145 負荷電流の相間不平衡が共振周波数方式に与える影響評価 ○児玉安広（東京電力パワーグリッド）著者は配電線の地絡点探査手法として共振周波数方式（以下，RF方式）の検討を行っている。RF方式の研究を行う中で， RF方式に必要となるインダクタンスは高圧線の地絡相と共同接地線の相互インダクタンスを考慮した作用インダクタンスLAとなる。しかし，地絡相を除く高圧線に流れる負荷電流を考慮したLAの影響評価を未実施であるという課題がある。そこで，本稿ではモデル配電線を構築しAlternative Transients Programシミュレーションにて変圧器Trの接続相を変化させ，高圧線に流れる負荷電流と高圧線の負荷電流の相間不平衡がLAに与える影響を評価する。

2901-B1 電力システム（系統運用・解析）配電（Ⅲ）3月12日午前 2号館 2901教室
講演番号	タイトル
講演番号	著者名（所属名）
6-146	送電ネットワークとの協調を考慮した配電ネットワークの再構成問題
6-146	◎阪口遼・重信颯人・田岡久雄・伊藤雅一（福井大学）・高野浩貴（岐阜大学）・花井悠二・竹原有紗（電力中央研究所）電気学会全国大会講演要旨 6-146 送電ネットワークとの協調を考慮した配電ネットワークの再構成問題 ◎阪口遼・重信颯人・田岡久雄・伊藤雅一（福井大学）・高野浩貴（岐阜大学）・花井悠二・竹原有紗（電力中央研究所）配電ネットワーク（配電NW）の構成（開閉器のオンオフの組み合わせ）は，送電ネットワーク（送電NW）の負荷分布に直接作用するため，双方の協調を視野に入れた運用が望ましい。ただし，いずれも大規模かつ複雑な電力ネットワークであり，一括した構成制御は極めて難しい。このため，6.6kV配電ネットワーク（配電NW）の運用とその上位の送電ネットワーク（送電NW）の運用は個別に議論される。本稿では，送電NWの要求に応じて，配電NWの構成を制御するという考え方で，双方の協調を図る。具体的には，送電NW側の負荷制御目標値と一致させることを目的とした，配電NW再構成問題の枠組みを提案する。
6-147	配電系統における需要家側リソースの利用可能量評価に関する基礎検討
6-147	◎久井智晴・原亮一・北裕幸（北海道大学）・酒井誠二・西島栄伺・平尾宏明（エナリス）電気学会全国大会講演要旨 6-147 配電系統における需要家側リソースの利用可能量評価に関する基礎検討 ◎久井智晴・原亮一・北裕幸（北海道大学）・酒井誠二・西島栄伺・平尾宏明（エナリス）現在，電力の需給調整市場の開設に向けた準備が進んでおり，将来的にはDRや需要家所有の蓄電池などの需要家側のリソース，いわゆる分散型エネルギー資源（Distributed Energy Resources，以下DER）の活用も視野に入れた検討がされている。DERは個別には小容量だが，多数のDERを集約することで，一定の調整力を提供できる可能性があると考えられる。しかし，大量のDER群が設置されると，配電系統に大きな電圧変動や配電線の電流容量を超過したりする等の理由から，DERの能力を十分に発揮できない可能性も考えられる。そこで本稿では，配電系統内のDERの分布がその利用可能量にどのように影響を与えるかを，モデル配電系統を用いた数値試算を通じて考察する。
6-148	電圧値共有化によるSVRとSVCの協調制御
6-148	○長尾潤・田中俊生・長嶋洋・張本毅・本山順平・太田淳一（九州電力）・森内映人・馬場旬平（東京大学）電気学会全国大会講演要旨 6-148 電圧値共有化によるSVRとSVCの協調制御 ○長尾潤・田中俊生・長嶋洋・張本毅・本山順平・太田淳一（九州電力）・森内映人・馬場旬平（東京大学）当社では、PV大量導入時の対策の一つとしてSVRやSVCなどの電圧調整機器による配電系統の電圧制御を行っている。しかし、同一配電線にSVRとSVCを設置する場合、動作特性の違いから、応答速度が速いSVCが先行して動作し、定常的な電圧変動を抑制することで、SVRが動作しないことが懸念される。また、SVCの容量不足や、配電線全体の電圧上昇により、適正電圧を維持できない恐れもある。そこで、本稿では、SVC設置地点の電圧値をSVRへ共有化する制御方式を提案し、シミュレーション及び実証試験で得られた結果について、その有効性を評価した。
6-149	配電電圧制約を考慮したV2Hを含む蓄電池運用による最適潮流計画値作成手法
6-149	◎山田隆誠・植田譲（東京理科大学）電気学会全国大会講演要旨 6-149 配電電圧制約を考慮したV2Hを含む蓄電池運用による最適潮流計画値作成手法 ◎山田隆誠・植田譲（東京理科大学）近年，環境問題への関心の高まりや，固定価格買取制度(FIT法)の施行に伴い太陽光発電の普及が活発に行われてきた。一方で, FITによる10年間の余剰買取期間は順次終了をむかえ，需要家の経済性の低下などが予測される。これに対し，需要家は蓄電池等を導入した自家消費やアグリゲータと契約することで電気料金削減を期待できる。しかしながら，電力市場の料金変動に起因したアグリゲータの電力潮流の計画のみでは電圧の逸脱が発生することが予測される。本提案では適切な制約条件下でコスト最小化問題として定式化することで電気料金の削減と電圧適正化について検討する。
6-150	分布定数回路とみなした多重ループ配電系統での最適ループ点の導出
6-150	◎石川駿貴・奥田駿斗・山村直紀（三重大学）・石田宗秋（中部大学）電気学会全国大会講演要旨 6-150 分布定数回路とみなした多重ループ配電系統での最適ループ点の導出 ◎石川駿貴・奥田駿斗・山村直紀（三重大学）・石田宗秋（中部大学）分散型電源の導入が拡大すると，連系の不均等さから適正電圧が維持できないといった問題が生じる。配電系統をループ状方式とすることでフィーダ間の電圧差の抑制や線路損失の低減などが可能である。筆者らは複数のループによって構成される多重ループでの運用に注目し,多重ループにおいて線路損失が最小となる連系点を導出することを目的とする。本稿では,配電系統を分布定数回路とみなして,任意の地点で連系する時に連系線に流れる電流値を鳳テブナンの定理を用いて導出する。導出した電流値から, 任意の地点でループ状としたときの線路損失を求め,線路損失が最小となる連系地点を求めること可能となる。
6-151	配電系統のキャパシタ容量の把握を目的としたSVRのタップ切換時における共振特性の測定
6-151	◎岡本理輝・青木睦・佐々木星斗（名古屋工業大学）・小島一浩（シーテック）・岩丸明史（三菱電機）・上田玄・國井康幸（中部電力）電気学会全国大会講演要旨 6-151 配電系統のキャパシタ容量の把握を目的としたSVRのタップ切換時における共振特性の測定 ◎岡本理輝・青木睦・佐々木星斗（名古屋工業大学）・小島一浩（シーテック）・岩丸明史（三菱電機）・上田玄・國井康幸（中部電力）配電系統で高圧需要家に接続される進相コンデンサは，軽負荷時に過剰な容量となることが多く，高調波の拡大やフェランチ現象を発生させる一因となる。そこで，本研究では配電系統の高調波抑制を目的に，多地点同期計測システム(以降BaSIC)を用いて配電系統のキャパシタ容量を推定する手法を検討している。本論文では，BaSICの計測機能によって自動電圧調整器のタップ切換時における過渡電流波形を測定して，時系列的に変化する共振特性の周波数解析を行い，提案した測定手法および解析過程を検証した結果を述べる。
6-152	配電系統における高調波抑制のためのフィルタ配置手法の基礎検討
6-152	◎庄野香帆・辻隆男（横浜国立大学）電気学会全国大会講演要旨 6-152 配電系統における高調波抑制のためのフィルタ配置手法の基礎検討 ◎庄野香帆・辻隆男（横浜国立大学）今後配電系統にSVCなどのパワエレ機器が導入される可能性があり、高調波の管理が非常に重要となる。特に配電系統では系統切り替えなどにより系統構成が変わることも多々ある一方で、そこに連系する各種装置についてはパラメータの再調整などしなくても安定に動作することが求められる傾向にある。そうした中で、様々な系統条件の変化に対して幅広く高調波対策として有効に機能するフィルタの配置手法を検討する必要がある。そこで本研究では、上記目的に資する基礎検討として、パワエレ機器を含む配電系統の高調波解析モデルを整理し、駆動点インピーダンスを導出すると共に、実験結果との比較を通じてその妥当性を検討した。

2901-B2 電力システム（系統運用・解析）配電（Ⅳ）3月12日午前 2号館 2901教室
講演番号	タイトル
講演番号	著者名（所属名）
6-153	燃料電池コジェネシステムによる周波数制御と無効電力を用いた配電系統の電圧変動制御法
6-153	◎山本周平・三谷康範（九州工業大学）・牛房義明（北九州市立大学）電気学会全国大会講演要旨 6-153 燃料電池コジェネシステムによる周波数制御と無効電力を用いた配電系統の電圧変動制御法 ◎山本周平・三谷康範（九州工業大学）・牛房義明（北九州市立大学）太陽光発電(PV)電力の導入数の増加に伴い、調整力を担う火力発電が減少している。そこで、昼間帯に余力がある燃料電池型コージェネレーションシステム(燃料電池コジェネ)に着目し周波数制御を行うことを提案し検討する。しかし配電系統からの周波数制御、またPV変動電力は配電系統の電圧を変動させる。この電圧変動に対して、燃料電池コジェネに付属したパワーコンディショナー(PCS)の無効電力を用いた電圧変動抑制制御を行う。燃料電池コジェネとそれに付属するPCSの有効無効電力制御により、配電系統の電圧を規定値に保ちながら検討の周波数制御に貢献する方法を提案し、効果を検証する。
6-154	配電ネットワーク制御と電気自動車の接続可能台数に関する基礎検討
6-154	◎森下和樹・高野浩貴（岐阜大学）・浅野浩志（電力中央研究所）電気学会全国大会講演要旨 6-154 配電ネットワーク制御と電気自動車の接続可能台数に関する基礎検討 ◎森下和樹・高野浩貴（岐阜大学）・浅野浩志（電力中央研究所）近年，地球環境問題を背景に，電気自動車（EV：Electric Vehicle）の普及が拡大している。しかし，EVの普及は，配電ネットワーク（配電NW）の負荷の増加に繋がる。多数台のEVが接続された状況でそれらの充電期間が重複することにより，電圧許容範囲の逸脱，線路容量の超過が起きる可能性がある。これらが起こるのを回避するために現行の配電NW側で実施し得る対策として，配電NW構成制御（開閉器制御）や，送り出し電圧制御が挙げられる。本稿では，これらの制御を踏まえて，配電NWモデルで数値計算を実施し，どの程度のEVを接続し得るのかを検討する。
6-155	新たな配電系統向け状態推定手法の提案
6-155	○大井章弘・神通川亨・藤本久（富士電機）・福山良和（明治大学）電気学会全国大会講演要旨 6-155 新たな配電系統向け状態推定手法の提案 ○大井章弘・神通川亨・藤本久（富士電機）・福山良和（明治大学）本稿では，時系列を考慮したオンライン向けの新たな配電系統向け状態推定手法を提案する。提案法では，系統の負荷設備情報を用いた状態推定問題の可観測化と状態空間モデルの定式化を行い，本稿でそのシミュレーション結果を通じ，有効性を示す。
6-156	配電系統末端に導入された太陽光発電装置の進相運転時における配電用変電所に流入する電力
6-156	◎磯部由佳・仲尾聡起・谷口直哉・塚本真澄・松村年郎・雪田和人・後藤泰之（愛知工業大学）・横水康伸（名古屋大学）・清水洋隆（職業能力開発総合大学校）・飯岡大輔（東北大学）・岩月秀樹・國井康幸・上西宏和・石川博之・深江隆之・峯田雄斗・金沢由樹（中部電力）電気学会全国大会講演要旨 6-156 配電系統末端に導入された太陽光発電装置の進相運転時における配電用変電所に流入する電力 ◎磯部由佳・仲尾聡起・谷口直哉・塚本真澄・松村年郎・雪田和人・後藤泰之（愛知工業大学）・横水康伸（名古屋大学）・清水洋隆（職業能力開発総合大学校）・飯岡大輔（東北大学）・岩月秀樹・國井康幸・上西宏和・石川博之・深江隆之・峯田雄斗・金沢由樹（中部電力）近年，大容量の太陽光発電装置が高圧配電系統に導入されることが多くなってきており，配電系統で許容できる限界導入量を超える事例も現れている。筆者らは，電力の有効利用の観点から，配電線路末端に導入された太陽光発電装置から反対側の配電用変電所に届く電力について検討している。本稿において，進み力率一定制御時に対して，ベクトル図上での配電用変電所に流入する電力の大小関係同様の検討を行い，高圧配電系統の末端の太陽光発電装置が進み力率一定運転を行っているときの配電用変電所に届く電力の変化をベクトル軌跡上で明らかにした。
6-157	電圧感度を用いたスマートインバータの無効電力制御手法に関する一検討
6-157	◎栁谷侑・村上晃平・芳澤信哉・石井英雄・林泰弘（早稲田大学）・松浦隆祥・濱田拓・森健二郎（東京電力ホールディングス）電気学会全国大会講演要旨 6-157 電圧感度を用いたスマートインバータの無効電力制御手法に関する一検討 ◎栁谷侑・村上晃平・芳澤信哉・石井英雄・林泰弘（早稲田大学）・松浦隆祥・濱田拓・森健二郎（東京電力ホールディングス）配電系統への太陽光発電(PV: Photovoltaic system)の大量導入は，系統電圧上昇を引き起こし，適正電圧範囲からの逸脱が発生する可能性がある。今後もPVを円滑に導入していくためには電圧上昇問題を解決する必要があり，この課題に対してスマートインバータ(SI: Smart Inverter)の適用が検討されている。SIではパワーコンディショナの機能に加えて通信機能が具備される。本稿では，家庭用PVのSIの通信機能を活用した電圧制御手法として，電圧感度を用いた無効電力制御手法を提案する。実配電系統モデルを用いて，提案手法における電圧逸脱量，無効電力出力量，配電損失を評価し，従来の電圧制御手法である定力率制御ならびにVolt-VAR制御と比較することで，提案手法の有用性を示す。
6-158	遠隔点電圧情報を用いた簡易な SVR・SVC 協調運用手法
6-158	◎森内映人・早川航平・馬場旬平（東京大学）・長尾潤・田中俊生・張本毅・本山順平（九州電力）電気学会全国大会講演要旨 6-158 遠隔点電圧情報を用いた簡易な SVR・SVC 協調運用手法 ◎森内映人・早川航平・馬場旬平（東京大学）・長尾潤・田中俊生・張本毅・本山順平（九州電力） PV出力容量の増大による配電系統の電圧変動を抑制する機器に、SVCとSVRがある。これらは応答速度など異なる特性を持ち、組み合わせて使用すると求める効果が得られないことが懸念されている。 SVCとSVRの協調制御の手法として、電圧不感帯設定による補償分担の手法について、SVRの制御電圧としてLDCを用いた遠隔点電圧の推定値を用いる場合と、情報共有により取得する遠隔点電圧を用いる場合のシミュレーションを行い、その効果を確認した。その結果、電圧調整機器の電圧値共有により、SVRとSVCの協調制御による遠隔点電圧の制御の精度が向上できることがわかった。今後は、汎用性の高い制御手法とするために様々な条件での検討が必要になる。
6-159	実配電系統のモデルを用いた電圧フリッカの再現シミュレーション
6-159	◎早川航平・馬場旬平（東京大学）・張本毅・本山順平・太田淳一（九州電力）電気学会全国大会講演要旨 6-159 実配電系統のモデルを用いた電圧フリッカの再現シミュレーション ◎早川航平・馬場旬平（東京大学）・張本毅・本山順平・太田淳一（九州電力）太陽光発電用単相PCSの新型能動的単独運転検出方式に起因する電圧フリッカが問題となっている。STATCOMを用いた無効電力補償による対策が検討されているが，発生する電圧フリッカの各相の電圧変動のタイミングによっては抑制効果が十分得られないことがある。そこで，本稿では，実際にフリッカが発生している系統のモデルを用いてシミュレーションを行った。その結果，実系統での状況を完全に再現するには至らなかったが，発生しうるフリッカの種類等は再現することができた。これにより，系統モデルでのシミュレーションは実系統での状況の模擬には有用であることがわかった。また，系統モデルの分析により，各フリッカの発生要因を明らかにできる可能性が示唆された。

2901-C1 電力システム（系統運用・解析）配電（Ⅴ）3月13日午前 2号館 2901教室
講演番号	タイトル
講演番号	著者名（所属名）
6-160	配電系統のループ運用によるSVRの台数削減
6-160	◎近藤大貴・青木睦・中村勇太（名古屋工業大学）・上西宏和・金沢由樹・彦山和久（中部電力）電気学会全国大会講演要旨 6-160 配電系統のループ運用によるSVRの台数削減 ◎近藤大貴・青木睦・中村勇太（名古屋工業大学）・上西宏和・金沢由樹・彦山和久（中部電力）近年，電力系統において太陽光発電(Photovoltaic power generation：PV)の大量導入が進んでおり，急峻で不規則な電圧変動が懸念されている。この問題の解決策として，配電系統のループ運用が検討されているが，ループ運用に適した設備形成に関する検討は十分に行われていないと考えられる。このようなことから，筆者らは，ループ運用時に適した自動電圧調整器(Step Voltage Regulator: SVR)の設置位置を決定する方針について検討した。一方，樹枝状系統のそれぞれにSVRが設置されている場合には，ループ状にすることで必要なSVR台数を削減することが期待される。本稿では，適切な位置にSVRを設置することにより，樹枝状系統ではSVRが複数台必要である配電系統に対して，SVRの台数削減の可能性について検討を行った結果について述べる。
6-161	長距離配電線における逆潮電力とその力率に関する一考察－大容量太陽光発電装置の2地点連系－
6-161	◎椿直也・夏梅翔平・横水康伸（名古屋大学）・松村年郎（愛知工業大学）・近松直紀・石川博之・峯田雄斗・岩月秀樹・國井康幸（中部電力）電気学会全国大会講演要旨 6-161 長距離配電線における逆潮電力とその力率に関する一考察－大容量太陽光発電装置の2地点連系－ ◎椿直也・夏梅翔平・横水康伸（名古屋大学）・松村年郎（愛知工業大学）・近松直紀・石川博之・峯田雄斗・岩月秀樹・國井康幸（中部電力）太陽光発電装置(PV装置)の普及拡大に伴い，長距離配電系統にメガワット級のPV装置が連系されるケースが増えている。しかし，PV装置のパワーコンディショナー(PCS)が予期せず，運転中に解列してしまう事例が報告されている。我々はこれまでに第一フェーズとして，配電系統上の1箇所にPV装置が連系された系統を対象とし，系統を逆潮できる電力の限界値を検討してきた。本報告では，第二フェーズとして配電系統上の複数箇所にPV装置が連系された系統を対象とし，その一つとしてPV装置が2箇所の場合について逆潮流の検討を行った。その結果として，中間の連系点までに電力が進み力率となることが逆潮できる限界値に影響していることが判明した。
6-162	配電系統末端に導入された太陽光発電装置の進相運転時における最大許容電力
6-162	◎仲尾聡起・磯部由佳・谷口直哉・塚本真澄・松村年郎・雪田和人・後藤康之（愛知工業大学）・横水康伸（名古屋大学）・清水洋隆（職業能力開発総合大学校）・飯岡大輔（東北大学）・岩月秀樹・國井康幸・上西宏和・石川博之・深江隆之・峯田雄斗・金沢由樹（中部電力）電気学会全国大会講演要旨 6-162 配電系統末端に導入された太陽光発電装置の進相運転時における最大許容電力 ◎仲尾聡起・磯部由佳・谷口直哉・塚本真澄・松村年郎・雪田和人・後藤康之（愛知工業大学）・横水康伸（名古屋大学）・清水洋隆（職業能力開発総合大学校）・飯岡大輔（東北大学）・岩月秀樹・國井康幸・上西宏和・石川博之・深江隆之・峯田雄斗・金沢由樹（中部電力）近年，大容量の太陽光発電装置が長距離の高圧配電系統の末端に導入される事例が現れ，太陽光発電装置連系点での電圧不安定現象の発生が懸念される。これまで，連系可能な太陽光発電装置最大出力に関して，連系点の電圧ベクトル軌跡上におけるその時の動作点を，力率1運転時に対して，明らかにした。今回，進み力率一定制御時において，ベクトル軌跡上での最大許容出力時の動作点を図式的に検討したので，報告する。
6-163	部分ループ最適系統構成決定を目的とした配電損失と供給信頼性の評価
6-163	◎金子曜久・林泰弘（早稲田大学）・姉川高也・外薗秀康・桑下敬康（関西電力）電気学会全国大会講演要旨 6-163 部分ループ最適系統構成決定を目的とした配電損失と供給信頼性の評価 ◎金子曜久・林泰弘（早稲田大学）・姉川高也・外薗秀康・桑下敬康（関西電力）フィーダ間の開閉器を閉じた部分ループ配電系統は，電力潮流の均一化が図られ，PVや電気自動車の導入により複雑化した電力潮流においても，配電損失を低減しつつ高品質な電力を供給する系統運用の一つとして考えられる。配電系統の部分ループ系統構成は，電圧制御や配電損失への効果とループ化による事故時の停電エリア拡大の評価に基づいて決定される必要があるが，十分な検討が行われていない。そこで本稿では，部分ループ最適系統構成決定の基礎検討としてループ地点数の増加による配電損失と停電延べkWhへの影響を評価する。数値計算結果から，停電延べkWhを考慮しつつ，配電損失を最大限低減可能な系統構成の選定のための知見を示した。
6-164	配電系統の潮流情報を用いた負荷推定に関する検討
6-164	○河野高一郎・山地英樹（四国総合研究所）・三宅靖彦（四国電力）電気学会全国大会講演要旨 6-164 配電系統の潮流情報を用いた負荷推定に関する検討 ○河野高一郎・山地英樹（四国総合研究所）・三宅靖彦（四国電力）近年，配電系統への太陽光発電 (PV) の導入が積極的に進んでおり，配電線の適正電圧維持のために，配電線に接続された負荷やPVの有効電力P，無効電力Qの精度の高い把握が必要となっている。これまで設備データを基に負荷動作直線を想定して負荷やPVの有効・無効電力を推定してきた。一方，高圧需要家の力率改善用コンデンサ(SC)容量に関する設備データについて実態と乖離がある場合，PQ推定精度の低下につながるおそれがあった。このため，配電線の実測データを活用してSC容量を補正することを検討した。その結果，夜間における実測データの2σ値を活用することで適正に補正され，PVや負荷のPQ推定精度の向上につながることが確認できたため報告する。
6-165	配電用変電所LRTのタップ切替を考慮したスマートインバータのVolt-Var曲線決定手法
6-165	◎草野謙一・飯岡大輔（東北大学）・松浦隆祥・濱田拓・森健二郎（東京電力ホールディングス）電気学会全国大会講演要旨 6-165 配電用変電所LRTのタップ切替を考慮したスマートインバータのVolt-Var曲線決定手法 ◎草野謙一・飯岡大輔（東北大学）・松浦隆祥・濱田拓・森健二郎（東京電力ホールディングス）近年，太陽光発電などの再生可能エネルギーの導入が進み，配電系統においては, 電圧上昇や電圧変動などの問題が懸念されている。その対策として，スマートインバータの導入が検討されており，電圧に応じて無効電力を制御するVolt-Varの効果が期待されているが，Volt-Varの機能設定を誤ると電圧品質が悪化する可能性があるため，適切に設定する必要がある。特に配電用変電所のLRTやSVRのタップ切替で配電線の電圧分布が変化する場合，Volt-Var曲線に基づくスマートインバータの応答が変わるため，タップ制御も考慮した最適なパラメータ設定をする必要がある。本稿ではタップ制御を考慮した適切なパラメータ設定手法のための一検討として，配電用変電所のタップ比に応じて最適化問題を解き，Volt-Var曲線を決定する方法について述べる。
6-166	太陽光発電装置が2地点に接続された配電系統における連系点電圧表現式の導出検討
6-166	◎夏梅翔平・横水康伸・椿直也（名古屋大学）・松村年郎（愛知工業大学）・近松直紀・石川博之・峯田雄斗・岩月秀樹・國井康幸（中部電力）電気学会全国大会講演要旨 6-166 太陽光発電装置が2地点に接続された配電系統における連系点電圧表現式の導出検討 ◎夏梅翔平・横水康伸・椿直也（名古屋大学）・松村年郎（愛知工業大学）・近松直紀・石川博之・峯田雄斗・岩月秀樹・國井康幸（中部電力）長距離高圧配電線に，大容量の太陽光発電装置(PV装置)が連系されるケースが増えている。しかし，PV装置のパワーコンディショナー(PCS)が，予期せず，運転中に解列してしまうことがある。この原因として，PV装置の発電電力が配電系統の逆潮可能電力を超えてしまうことが考えられる。我々は，研究の第1段階として，PV装置が高圧配電線の1地点に連系された状況を対象とし，配電線路特性および PCS特性の関数として回路論的考察に基づき導出してきた。本報告では，PV装置が2地点に連系された場合について，連系点電圧を配電線路特性およびPCS特性を変数とする数式で表している。さらに，導出した数式を用いて，逆潮可能電力の算出例を示している。

2901-A1 電力システム（系統運用・解析）配電（制御）3月11日午前 2号館 2901教室
講演番号	タイトル
講演番号	著者名（所属名）
6-167	PV連系系統に対応したSVRにおけるLDC機能拡張の有効性検証
6-167	○松田勝弘・葵木智之（東北電力）・佐藤智也・白石耕治・阿部紀彰（東北電機製造）・友部修・井上秀樹・足立昌宏・渡部瑞貴（日立製作所）電気学会全国大会講演要旨 6-167 PV連系系統に対応したSVRにおけるLDC機能拡張の有効性検証 ○松田勝弘・葵木智之（東北電力）・佐藤智也・白石耕治・阿部紀彰（東北電機製造）・友部修・井上秀樹・足立昌宏・渡部瑞貴（日立製作所）太陽光発電(PV)の普及拡大に伴う配電系統の電圧上昇・急変やPV出力抑制問題に対し，SVR等の電圧調整機器を適切に整定・制御することが重要となる。特に，PV出力抑制機能が働いている場合，SVRでは出力抑制発生を感知できず，PV連系地点電圧を下げる制御ができない課題がある。本研究では，系統の電圧逸脱を回避するための新たなLDC機能拡張を提案し，実系統での実証および簡易系統でのシミュレーションにより有効性を検証した。
6-168	SVRのLDC機能拡張における優先動作条件を考慮したハンチング抑制機能の検討
6-168	友部修・◎渡部瑞貴・井上秀樹・足立昌宏・永井雅彰（日立製作所）・松田勝弘・葵木智之（東北電力）・佐藤智也・白石耕治・阿部紀彰（東北電機製造）電気学会全国大会講演要旨 6-168 SVRのLDC機能拡張における優先動作条件を考慮したハンチング抑制機能の検討友部修・◎渡部瑞貴・井上秀樹・足立昌宏・永井雅彰（日立製作所）・松田勝弘・葵木智之（東北電力）・佐藤智也・白石耕治・阿部紀彰（東北電機製造）太陽光発電(PV)の普及拡大に伴う配電系統の電圧上昇・急変やPV出力抑制問題に対し，SVR等の電圧調整機器を適切に整定・制御することが重要となる。特に，PV出力抑制機能が働いている場合，SVRでは出力抑制発生を感知できず，PV連系地点電圧を下げる制御ができない課題がある。これまでPV連系系統の電圧管理を高度化することで，PVの出力抑制および配電系統の電圧逸脱を回避するためのLDC機能拡張を進めてきた。今回，LDCによる優先動作条件を考慮したハンチング抑制機能を提案する。
6-169	PVとEVを導入した低圧系統の電圧分布分析に基づく電圧制御パラメータ決定手法の検討
6-169	◎中村麻理香・芳澤信哉・石井英雄・林泰弘（早稲田大学）電気学会全国大会講演要旨 6-169 PVとEVを導入した低圧系統の電圧分布分析に基づく電圧制御パラメータ決定手法の検討 ◎中村麻理香・芳澤信哉・石井英雄・林泰弘（早稲田大学）近年，持続可能な開発目標（SDGs：Sustainable Development Goals）の達成に向け，太陽光発電(PV : Photovoltaic generation)や電気自動車(EV : Electric Vehicle)の普及拡大が進められている。しかし，PVやEVが増加した配電系統では，日中はPVの逆潮流による電圧上限逸脱，夜間はEV充電による電圧下限逸脱の発生が懸念されており，これらの電圧逸脱問題を解決する対策が必要である。本研究では，PV・EV導入時における電圧逸脱問題への対策として負荷時タップ切替機器（LRT：Load Ratio control Transformer）の電圧制御手法の高度化に着目し，PV・EV導入導入後の低圧系統の電圧分布に基づく電圧制御パラメータ更新手法を提案する。また，配電系統モデルを用いた数値計算により，提案手法の有用性を検証する。
6-170	PVを所有する需要家の蓄電池の最適導入量と最適運用の研究
6-170	◎神野達哉（早稲田大学）・伊庭健二（明星大学）・中西要祐（早稲田大学）電気学会全国大会講演要旨 6-170 PVを所有する需要家の蓄電池の最適導入量と最適運用の研究 ◎神野達哉（早稲田大学）・伊庭健二（明星大学）・中西要祐（早稲田大学）本稿では、太陽光発電が設置されている一般家庭において蓄電池を導入した際に蓄電池の充放電運用制御による経済評価について検討したので報告する。固定買取制度によって太陽光発電の導入は急速に進んだ。現在は10年間の買取期間の満了や普及が進んだ事による制度見直しを迎えるにあたり、蓄電池の活用への関心が高まっている。先行研究では設備導入量検討を行い、需要家の光熱費削減量を最大化する設備導入量を提案した。今回は設備導入量に加えて、充放電運用制御による経済影響を評価したので報告する。
6-171	Coordinated Control of Building’s Multi-units Air-conditioning system and Battery Energy Storage Systems for Improved Performance of FastADR Response
6-171	◎Rajabu Myovela・今中政輝・栗本宗明・杉本重幸・加藤丈佳（名古屋大学）・藤田美和子（中部電力）電気学会全国大会講演要旨 6-171 Coordinated Control of Building’s Multi-units Air-conditioning system and Battery Energy Storage Systems for Improved Performance of FastADR Response ◎Rajabu Myovela・今中政輝・栗本宗明・杉本重幸・加藤丈佳（名古屋大学）・藤田美和子（中部電力） FastADR is expected to enable Demand Response applications for demand–supply secondary flexibility support. HVAC loads are a promising candidate for FastADR. However, due to their operational characteristics HVAC loads do not perfectly follow external control signals. BESS can be used to eliminate the problem of response delay and offset of HVAC units and therefore improve their suitability as a secondary flexibility resource. This study proposes an algorithm to distribute FastADR signal at a business building to individual units of a Multi-units air conditioning system and BESS in consideration of the differences in the room temperature of their thermal zones.
6-172	高低圧電圧分担比とSVR設置台数の関係を評価する配電線電圧降下最大値のヒストグラム作成法
6-172	◎佐々木和穂・飯岡大輔（東北大学）・彦山和久・金沢由樹・上西宏和（中部電力）電気学会全国大会講演要旨 6-172 高低圧電圧分担比とSVR設置台数の関係を評価する配電線電圧降下最大値のヒストグラム作成法 ◎佐々木和穂・飯岡大輔（東北大学）・彦山和久・金沢由樹・上西宏和（中部電力）配電系統では，供給電圧を適正範囲(101±6V)に収めるために許容変動幅である12Vを高圧系統と低圧系統に分担して設備を形成している．この電圧分担比が変わると配電系統の設備形成が変わるため，配電系統への設備投資コストに大きな影響を与えると考えられるので，筆者らは配電系統の設備投資コストを適正電圧維持に必要な機器の設置台数から算出し，電圧分担比の変更が設備投資コストに与える影響について定量的分析を試みている．本稿では高圧系統に着目し，高圧系統の適正電圧維持に必要なSVR(自動電圧調整器)の設置台数を評価するための配電線の最大電圧降下値ヒストグラム作成法について説明する。
6-173	太陽光発電が連系された配電系統における電圧制御機器の協調
6-173	◎大野聖汰・岩根佑治・加藤亘輝・合田忠弘・雪田和人・松村年郎・後藤泰之（愛知工業大学）電気学会全国大会講演要旨 6-173 太陽光発電が連系された配電系統における電圧制御機器の協調 ◎大野聖汰・岩根佑治・加藤亘輝・合田忠弘・雪田和人・松村年郎・後藤泰之（愛知工業大学）タップ切替制御と太陽光発電(PV)用インバータ抑制制御の協調制御による電圧制御方式について述べる。配電系統に導入されるPVは増加傾向にあり，配電線での逆潮流による電圧上昇問題が懸念されている。PV用インバータには出力抑制機能が設けられているが，電圧上昇対策の為のPV出力抑制量が大きくなると，発電出力損失が問題となる。そこで電用変電所の負荷時タップ切替変圧器（LRT）と自動タップ制御を搭載した柱上変圧器（Pt），PV用インバータの出力抑制機能との通信による情報共有なしでの電圧逸脱積算最大値を用いた協調制御手法を提案する。その結果、LRTを優先しPtとPV用インバータとの協調制御を行うことが望ましいことが言える。

2901-A2 電力システム（系統運用・解析）配電（電力品質）3月11日午前 2号館 2901教室
講演番号	タイトル
講演番号	著者名（所属名）
6-174	複数台インバータによる配電系統の高調波・共振抑制法に関する研究
6-174	◎鈴木宥一郎・川﨑章司（明治大学）電気学会全国大会講演要旨 6-174 複数台インバータによる配電系統の高調波・共振抑制法に関する研究 ◎鈴木宥一郎・川﨑章司（明治大学）近年の配電系統に連系するパワエレ技術を用いた電気機器やインバータの増加により，配電系統の高調波量の増加が懸念されている。高調波は、系統の基本周波数の整数倍の周波数をもつ正弦波のことであり，配電系統の高調波量が増加すると様々な電気機器や設備で誤作動や焼損などの悪影響が考えられる(1)。本稿ではインバータに付加する高調波抑制機能を考案し，更に，使用するインバータで出力を急変させたときにインバータ回路内で発生する共振現象に対しても抑制機能を考案する。そしてシミュレーション及び実験で有用性を検証する。また，提案法を搭載した複数台インバータによる検証も行う。
6-175	配電系統末端に導入された大容量太陽光発電装置における電圧低下の抑制に必要な遅相制御
6-175	○塚本真澄・松村年郎・雪田和人・後藤泰之（愛知工業大学）・横水康伸（名古屋大学）・清水洋隆（職業能力開発総合大学校）・飯岡大輔（東北大学）・岩月秀樹・國井康幸・上西宏和・石川博之・深江隆之・峯田雄斗・金沢由樹（中部電力）電気学会全国大会講演要旨 6-175 配電系統末端に導入された大容量太陽光発電装置における電圧低下の抑制に必要な遅相制御 ○塚本真澄・松村年郎・雪田和人・後藤泰之（愛知工業大学）・横水康伸（名古屋大学）・清水洋隆（職業能力開発総合大学校）・飯岡大輔（東北大学）・岩月秀樹・國井康幸・上西宏和・石川博之・深江隆之・峯田雄斗・金沢由樹（中部電力）近年，太陽光発電装置の普及が増加している。このとき，余剰分等の電力を供給側に送ることで発生する逆潮流電流が増加することにより，太陽光発電装置の連系点での電圧が上昇するだけではなく低下を引き起こすことを筆者らは指摘し，この電圧の上昇・低下のメカニズムを定性的・定量的に明らかにした。本稿では，連系点電圧が低下する場合を想定し，これを抑制するために，太陽光発電装置側から見て遅れ（配電用変電所側から見て進み）力率での制御を行うことを考えた。本稿では，低下した電圧を上昇させるために必要な遅れ力率の大きさを，定量的に明らかにしたので，これを報告する。
6-176	低圧PCSによる配電系統電圧フリッカとSTATCOMによる抑制に関する実験的検討
6-176	○東谷拓馬・松村年郎・雪田和人・後藤泰之（愛知工業大学）・飯岡大輔（東北大学）・石川博之・深江隆之・近松直紀・峯田雄斗・吉江学（中部電力）電気学会全国大会講演要旨 6-176 低圧PCSによる配電系統電圧フリッカとSTATCOMによる抑制に関する実験的検討 ○東谷拓馬・松村年郎・雪田和人・後藤泰之（愛知工業大学）・飯岡大輔（東北大学）・石川博之・深江隆之・近松直紀・峯田雄斗・吉江学（中部電力）近年，太陽光発電（PV）が配電系統に大量導入されている中で，パワーコンディショナ（PCS）の単独運転検出装置の一つであるステップ注入付周波数フィードバック方式に起因する電圧フリッカが確認されている。これを解決する為，電圧フリッカを発生させないPCSの開発などが進められてきた。一方でSTATCOMを導入することでフリッカの抑制を期待できるが，STATCOMの制御条件によっては20 Hz付近の電圧フリッカが発生することを確認した。この事象を実験的に明らかにする為に本稿では，模擬系統を用いた実機実験にてPCSのステップ注入付周波数フィードバック方式に起因する電圧フリッカを確認した。また，STATCOMのミニモデルを作成しその影響を確認した。
6-177	特高系統における回帰木を用いた電圧推定手法～その1：学習データ作成方法に関する検討～
6-177	◎大堀良介・⻘木睦・説田貴旭（名古屋工業大学）・下野晃裕・Suresh Chand Verma・山口遼（中部電力）電気学会全国大会講演要旨 6-177 特高系統における回帰木を用いた電圧推定手法～その1：学習データ作成方法に関する検討～ ◎大堀良介・⻘木睦・説田貴旭（名古屋工業大学）・下野晃裕・Suresh Chand Verma・山口遼（中部電力）配電系統に対する分散型電源の大量導入を背景に，近年の電力系統では潮流状態が複雑化している。こうした問題は配電用変電所の一次側に逆潮流が発生することにより，上位の特高系統における電圧に影響を与え，従来の方法では電圧状態の想定が困難となる。筆者らはこれまで，上記の状況に対して適切な電圧管理を行うことを目的とし特高系統の電圧推定に回帰木を用いて，特高需要家の到達電圧を推定する方法に関する基礎検討を行ってきた。本論文では，機械学習に必要となる学習データの作成方法とそれぞれの手法が推定精度に与える影響について検討する。
6-178	特高系統における回帰木を用いた電圧推定手法～その2：上位電圧と調相設備の動作による影響の検討～
6-178	◎説田貴旭・青木睦・大堀良介（名古屋工業大学）・下野晃裕・Suresh Chand Verma・山口遼（中部電力）電気学会全国大会講演要旨 6-178 特高系統における回帰木を用いた電圧推定手法～その2：上位電圧と調相設備の動作による影響の検討～ ◎説田貴旭・青木睦・大堀良介（名古屋工業大学）・下野晃裕・Suresh Chand Verma・山口遼（中部電力）配電系統に対する分散型電源の大量導入を背景に，近年の電力系統では潮流状態が複雑化している。こうした問題は配電用変電所の一次側に逆潮流が発生することにより，上位の特高系統における電圧に影響を与え，従来の方法では電圧状況の想定が困難となる。筆者らはこれまで，上記の状況に対して適切な電圧管理を行うことを目的とし特高系統の電圧推定に回帰木を用いて，特高需要家の到達電圧を推定する手法に関する基礎検討を行ってきた。本論文では，上位電圧および調相設備の動作による電圧変動の影響を考慮した検証を行う。
6-179	配電線の相互インピーダンスと電流不平衡が電圧不平衡に及ぼす影響
6-179	藤井嵩大・○飯岡大輔（東北大学）・田中俊生・張本毅・本山順平（九州電力）電気学会全国大会講演要旨 6-179 配電線の相互インピーダンスと電流不平衡が電圧不平衡に及ぼす影響藤井嵩大・○飯岡大輔（東北大学）・田中俊生・張本毅・本山順平（九州電力）近年，配電系統において太陽光発電（PV）による逆潮流が大きな電圧変動や電圧不平衡を引き起こすことが報告されている。筆者らは，逆潮流時に電圧不平衡が生じる要因として線路インピーダンスの不平衡に着目し，電流が平衡であっても電圧不平衡が生じることを示している。また，大容量三相PCSでPVを連系した場合，三相PCSの出力が不平衡となる事例が観測されている。連系量が数MWに及ぶと，わずかな電流不平衡でも大きな電圧不平衡を引き起こすことが考えられる。本稿では2ノード系統モデルにおいて，三相PCSから不平衡電流が出力されることを想定し，電圧不平衡へ及ぼす影響について検討した。
6-180	配電系統の潮流状態が新型能動的方式PCSに起因する電圧変動に及ぼす影響
6-180	○張本毅・長尾潤・田中俊生・長嶋洋・本山順平・太田淳一（九州電力）・坂本織江・丸山雅仁（上智大学）電気学会全国大会講演要旨 6-180 配電系統の潮流状態が新型能動的方式PCSに起因する電圧変動に及ぼす影響 ○張本毅・長尾潤・田中俊生・長嶋洋・本山順平・太田淳一（九州電力）・坂本織江・丸山雅仁（上智大学）近年の太陽光発電の大量連系に伴い、新型能動的方式（ステップ注入付周波数フィードバック方式）からの無効電力の振動を原因とする電圧変動が発生する場合がある。特に、軽負荷期の晴天日に電圧変動が拡大することが確認されている。筆者らは、PV出力が一定であっても負荷が少なく逆潮流が大きい断面で、無効電流の変動幅が一定であっても電圧変動が大きくなること、及びPCSの定電力特性もそれを助長することを理論式等を用いて確認した。そこで本稿では、配電系統の潮流状態が電圧変動の継続条件に与える影響について検討を行った。

2801-C1 電力システム（系統運用・解析）周波数制御（Ⅰ）3月13日午前 2号館 2801教室
講演番号	タイトル
講演番号	著者名（所属名）
6-181	ARの変化方向とメリットオーダーを考慮した負荷周波数制御における指令値配分手法-その1：提案手法の概要-
6-181	◎斉田賢・今中政輝・栗本宗明・杉本重幸・加藤丈佳（名古屋大学）・秦幸一郎・中地芳紀（中部電力）電気学会全国大会講演要旨 6-181 ARの変化方向とメリットオーダーを考慮した負荷周波数制御における指令値配分手法-その1：提案手法の概要- ◎斉田賢・今中政輝・栗本宗明・杉本重幸・加藤丈佳（名古屋大学）・秦幸一郎・中地芳紀（中部電力）負荷周波数制御（LFC）において，地域要求量（AR）から算出した指令値を配分する際，従来は各LFC対象機のランプレート（RR）の比で配分を行っている（RR手法）。2021年度の電力需給調整市場開設後は，各LFC対象機のkWh単価順（メリットオーダー（MO））も考慮した指令値配分（MO手法）が求められる。本研究では，指令値が正のときは発電コストの安い順に，指令値が負のときは高い順に配分するという単純なMO手法において，kWh単価の異なる発電機間でLFC指令値変化方向の正負が混在して制御遅れが生じることに着目し，ARの変化を考慮した指令値配分手法を提案する。本報では，提案MO手法のロジックと利点について式や図を用いて説明する。
6-182	ARの変化方向とメリットオーダーを考慮した負荷周波数制御における指令値配分手法～その2：提案手法の効果検証～
6-182	◎今中政輝・斉田賢・栗本宗明・杉本重幸・加藤丈佳（名古屋大学）・秦幸一郎・中地芳紀（中部電力）電気学会全国大会講演要旨 6-182 ARの変化方向とメリットオーダーを考慮した負荷周波数制御における指令値配分手法～その2：提案手法の効果検証～ ◎今中政輝・斉田賢・栗本宗明・杉本重幸・加藤丈佳（名古屋大学）・秦幸一郎・中地芳紀（中部電力） 2021年度の電力需給調整市場開設後は，各LFC対象機の発電コスト順（メリットオーダー（MO））も考慮した指令値配分（MO手法）を用いる場合がある。筆者らは指令値が正のときはkWh単価の安い順に，指令値が負のときは高い順に配分するという単純なMO手法において，kWh単価の異なる発電機間でLFC指令値変化方向の正負が混在して制御遅れが生じることに着目し，ARの変化を考慮した指令値配分手法を別報で提案している。本報では，計算機シミュレーションにより，提案手法の有用性を検証した。提案手法では，単純MO手法よりもランプレートを有効に活用し，かつLFC容量上限に抵触しにくいため周波数偏差を低減する。
6-183	電気自動車アグリゲーションシステムを用いたガバナフリー制御の系統安定化効果
6-183	◎安場翼（東京大学）・坂東茂・浅野浩志（電力中央研究所）電気学会全国大会講演要旨 6-183 電気自動車アグリゲーションシステムを用いたガバナフリー制御の系統安定化効果 ◎安場翼（東京大学）・坂東茂・浅野浩志（電力中央研究所）電気自動車アグリゲーションシステム(EVAS)の周波数制御への応用へ向けて研究を行った。これまでの研究では、運転予備力の確保や周波数調整力の確保用リソースとしてEVASを捉えられてきた。本研究はEVASを自端制御であるガバナフリーに利用することで、どれだけ系統安定化に寄与することができるのかを検討し、EVASのさらなる可能性について考える。
6-184	遺伝的アルゴリズムを用いた電力系統におけるガバナフリー能力調達の最適化に関する研究
6-184	◎市場輝・井手下宏・久保川淳司（広島工業大学）電気学会全国大会講演要旨 6-184 遺伝的アルゴリズムを用いた電力系統におけるガバナフリー能力調達の最適化に関する研究 ◎市場輝・井手下宏・久保川淳司（広島工業大学）これまで電力会社は安定的な電力供給のため調整力の調達と調整を自社で行っていた。電力自由化となり，調整力は電力料金から分離して算出する必要がある。今後調整力市場が作られそこから調整力の調達を行う。安定度の高い供給が求められる一方で低コスト化が求められる。現在調整力をコストと容量の情報から選択しているが，将来は応答能力についても考慮する必要があると考えられる。我々は応答能力を考慮したモデルに対し列挙法を用い最適化を行う手法を提案したが時間がかかる欠点があり，遺伝的アルゴリズムを用いることで時間短縮ができた。本研究では簡易アルゴリズムで初期個体集団の生成し遺伝的アルゴリズムを用いる手法を提案する。
6-185	発電機事故時における水電解装置を用いた周波数制御手法
6-185	◎川嶋北敏（横浜国立大学）電気学会全国大会講演要旨 6-185 発電機事故時における水電解装置を用いた周波数制御手法 ◎川嶋北敏（横浜国立大学）水素を風力発電などの余剰電力から生成することができる水電解装置の電力系統への導入が検討されている。本紙では需給インバランスに応じて水電解装置の電力消費量を柔軟に制御できるという高速性に着目し，発電機事故時における急速な系統周波数の下落の抑制手法を，電気学会標準AGC30モデルを用いて検討を行った。また，事故発生を検出した後に一定時間高速制御を行い，その後に少しずつ出力を増加させることで事故時の急速な周波数低下を軽減しながら水電解装置の安定化にも貢献できる可能性を示した。
6-186	周波数変動抑制に必要な蓄電池使用量低減を目的とした周波数制御へのモデル予測制御適用
6-186	◎織原大（産業技術総合研究所）・夏目康弘・飯岡大輔（東北大学）電気学会全国大会講演要旨 6-186 周波数変動抑制に必要な蓄電池使用量低減を目的とした周波数制御へのモデル予測制御適用 ◎織原大（産業技術総合研究所）・夏目康弘・飯岡大輔（東北大学）太陽光発電、風力発電を中心とした再生可能エネルギー電源(以下、再エネ電源)の導入拡大に伴い、電力変動に起因する課題の解決の重要性が増してきている。周波数安定性の低下はその一つであり、大型蓄電池の導入や、再エネ電源の出力制御の高度化などによる対策が検討されている。筆者らは、周波数変動抑制における既存電源と蓄電池の高度な協調を目的として、最適制御の一つであるモデル予測制御(Model Predictive Control, MPC)を適用した手法の構築に取り組んでいる。本稿ではその性能向上の一方策として、蓄電池の利用を周波数変動が大きい状況に限定することで、蓄電池の過度な使用を抑制する機能の実現手法を提案し、東北地域を対象とした時間領域シミュレーションによりその有効性を検証した。
6-187	日射量減少時におけるPVの仮想同期発電機モデル制御による周波数安定化効果の検討
6-187	○山口航太・横山明彦（東京大学）・楠本晃大・河口健・沢井一智（関西電力）電気学会全国大会講演要旨 6-187 日射量減少時におけるPVの仮想同期発電機モデル制御による周波数安定化効果の検討 ○山口航太・横山明彦（東京大学）・楠本晃大・河口健・沢井一智（関西電力）近年，太陽光発電(Photovoltaic Generation: PV)が大量に系統に接続されており，今後も増加が見込まれている。しかし，PVは従来の同期発電機と異なり慣性を持たないという特徴がある。そのため系統におけるPV導入比率の増加に伴い，系統全体の慣性が低下し，微小擾乱に対しても，系統の安定運用が損なわれる可能性がある。その対策として，PVのインバータに小容量電力貯蔵装置を付加し，同期発電機の慣性を模擬する仮想同期発電機(Virtual Synchronous Generator : VSG) の研究がなされている(1)(2)。しかし，それらの効果は，基幹系統などの大規模系統での周波数安定化効果，日射量変動のある状況下における制御効果については検証がなされていないのが現状である。本稿では，18分間において，負荷変動と日射量変動の双方を考慮した状況下における，VSGモデル制御による周波数安定化効果の検討を行う。

2801-C2 電力システム（系統運用・解析）周波数制御（Ⅱ）3月13日午前 2号館 2801教室
講演番号	タイトル
講演番号	著者名（所属名）
6-188	Power Flow Analysis in Power System with VRE Integration Considering Load Frequency Control
6-188	○DJIBEYROU BA・辻隆男（横浜国立大学）電気学会全国大会講演要旨 6-188 Power Flow Analysis in Power System with VRE Integration Considering Load Frequency Control ○DJIBEYROU BA・辻隆男（横浜国立大学） Electricity grid is transforming with large penetration of renewable energy sources and uncertainty output of wind and solar power are the main cause of supply and demand unbalance. This variation affects the frequency regulation and the congestion in transmission line. In other hand, In Japan the balancing power market will start in 2021 and the full liberation of electricity market will bring a variety of new companies in electricity retail market thus will promoting the competition of market it will reduce the price of electricity. In this paper we discuss the frequency regulation under AGC30 model, congestion management of network and locational marginal price will be evaluated.
6-189	電力系統の周波数変動対策インバータの制御アルゴリズム分類に関する一検討
6-189	○上村浩文・高野幸雄・原田慈・吉岡康哉（富士電機）・松浦隆祥・宮崎聡・濱田拓・森健二郎（東京電力ホールディングス）電気学会全国大会講演要旨 6-189 電力系統の周波数変動対策インバータの制御アルゴリズム分類に関する一検討 ○上村浩文・高野幸雄・原田慈・吉岡康哉（富士電機）・松浦隆祥・宮崎聡・濱田拓・森健二郎（東京電力ホールディングス）近年，再生可能エネルギー電源の導入量が急速に増加している。大量導入時の課題として，「電力系統の低慣性化」およびそれに伴う「電力系統の周波数変動の増大」が盛んに議論されており，対策として「合成慣性」や「仮想同期発電機」など「慣性応答」を模擬するための様々なインバータ制御アルゴリズムが提案されている。一方で，制御アルゴリズムの分類に関する統一的な見解を示した文献は存在していなかった。本論文では周波数変動対策インバータの制御アルゴリズムを，1)電源としての運用能力，2)制御構造，3)周波数応答の要素，の3つの観点より分析を行い，周波数対策制御アルゴリズムを4種類に分類した。
6-190	PVおよび風力発電の出力制御と既設発電機のLFC制御との協調に関する考察
6-190	○片岡和人・占部千由・荻本和彦（東京大学）電気学会全国大会講演要旨 6-190 PVおよび風力発電の出力制御と既設発電機のLFC制御との協調に関する考察 ○片岡和人・占部千由・荻本和彦（東京大学）電気学会技術報告第1386号で紹介されている「電力需給・周波数シミュレーションの標準解析モデル（AGC30モデル）」を使用して、PVおよび風力の自端周波数検出による出力制御（以下、周波数調停率制御）について、既設発電機のLFC制御の組み合わせにより、その効果と相互作用を検討する。
6-191	一次調整力として蓄電池を活用した際の周波数制御への影響の検討
6-191	◎田村潤・徳光啓太・天野博之（電力中央研究所）電気学会全国大会講演要旨 6-191 一次調整力として蓄電池を活用した際の周波数制御への影響の検討 ◎田村潤・徳光啓太・天野博之（電力中央研究所）将来の需給調整市場において，応答特性が既存の同期発電機と大きく異なる蓄電池等のインバータ機器が参入することが想定される。需給調整市場の商品区分においては，最も短い変動に対応する一次調整力の応動時間は10秒以内であり，インバータ機器のような出力変化の速い電源は，応動開始までの無駄時間が長くても商品要件を満たせる可能性がある。しかし，一般的には応動が速く，無駄時間の大きいシステムは不安定化しやすい傾向があるため，周波数制御への影響が懸念される。そこで本稿では，一次調整力として応動開始までの無駄時間を含む蓄電池を用いた場合の周波数制御への影響について検討した結果を報告する。
6-192	予見負荷周波数制御系における予測精度と予見時間の関係
6-192	◎宮本楓雅（首都大学東京）・端倉弘太郎（群馬大学）・児島晃（首都大学東京）・益田泰輔（名城大学）電気学会全国大会講演要旨 6-192 予見負荷周波数制御系における予測精度と予見時間の関係 ◎宮本楓雅（首都大学東京）・端倉弘太郎（群馬大学）・児島晃（首都大学東京）・益田泰輔（名城大学）太陽光発電の大量導入時の電力需給制御では発電予測をはじめとする予測情報を活用し擾乱を抑制することが期待されている。外乱や目標値の一定時間先（予見時間という）までの未来情報を利用する予見制御は制御性能の改善に大きく貢献することが知られており、遠い将来まで利用することでより制御性能が改善できる。また、未来情報に不確かさがあっても性能が改善されるが、達成される制御性能に大きく関わると考えられる予見情報の正確さと予見時間との関係は明らかにされていなかった。本稿では負荷変動の予測値を利用する予見負荷周波数制御系に着目し、周波数変動の抑制性能に関して予測情報の精度と予見時間との関係を考察する。
6-193	負荷周波数制御への水素製造システムの適用時の水素貯蔵量補償の検討
6-193	◎河内駿介・坂内容子・鳥羽廣次・橘高大悟（東芝エネルギーシステムズ）・加藤尚・真島洋一・大山達也（東北電力）電気学会全国大会講演要旨 6-193 負荷周波数制御への水素製造システムの適用時の水素貯蔵量補償の検討 ◎河内駿介・坂内容子・鳥羽廣次・橘高大悟（東芝エネルギーシステムズ）・加藤尚・真島洋一・大山達也（東北電力）水素製造システムをLFCへ適用した場合に必要となる水素補償量についてAGC30モデルを用いて検討した結果を示す。水素補償電力の大きさをパラメータとして変化させた場合に必要となる水素タンク容量について検討を行ったほか、水素製造システムが補償する変動の帯域と水素タンク容量を最小とする水素補償電力の関係を明らかにした。検討の結果より、40MWの燃料電池と水電解装置、10MW-10MWhの蓄電池で構成された水素製造装置において、定常的に16.6MW〜21.6MWの電力を投入することで、45.2MW〜48.1MWの調整力が得られることを示した。
6-194	スマートインバータに搭載される系統安定化制御機能の効果的な選定方式
6-194	◎加藤亘輝・岩根佑治・大野聖汰・合田忠弘・雪田和人・松村年郎・後藤泰之（愛知工業大学）電気学会全国大会講演要旨 6-194 スマートインバータに搭載される系統安定化制御機能の効果的な選定方式 ◎加藤亘輝・岩根佑治・大野聖汰・合田忠弘・雪田和人・松村年郎・後藤泰之（愛知工業大学）本稿では太陽光発電(PV)用スマートインバータ(SI)に搭載されている系統安定化制御機能の効果的な選定方式について述べる。電力系統内にPVが大量導入される場合，周波数や電圧が規定値を逸脱する恐れがある。そこで，PV用SIにはFrequency-Watt制御やVolt-Var制御などの各種の系統安定化制御機能が搭載されている。しかし，実際の運用にあたって，どの制御機能を優先して使用するのか明確にされていない。そこで，本稿では電力系統の構成や状況に応じた効果的な系統安定化制御機能の選定を実施した。その結果，基幹系統では有効電力を操作する周波数制御機能，下位系統では無効電力を操作する電圧制御機能を優先することが効果的であることを示した。

2704-C2 電力システム（系統運用・解析）エネルギーマネージメント3月13日午前 2号館 2704教室
講演番号	タイトル
講演番号	著者名（所属名）
6-195	電気自動車を組み込んだ電力管理システムの構築
6-195	◎山本桂樹・押久保勇太・前田大地・大田豊・中島達人（東京都市大学）電気学会全国大会講演要旨 6-195 電気自動車を組み込んだ電力管理システムの構築 ◎山本桂樹・押久保勇太・前田大地・大田豊・中島達人（東京都市大学）現在、再生可能エネルギーを新しい電源とする事が目標として掲げられ、関連技術が注目されている。そして、電気自動車の普及により、電気自動車の大容量バッテリを応用する技術も活発に開発されている。そこで、再生可能エネルギーの不安定な出力を電源として用いる際に、電気自動車のバッテリをバッファとして制御した場合、どのくらい効果的なのかを検証するため、大学の一研究室で仮想の電力ネットワークを構築し、エネルギーマネジメントが可能なのかを研究した。また、電気自動車のV2H機能を用い、実際に停電している建物に対しての給電能力を調べるために、台風で被災し、停電した大学の研究室にV2Hで給電し、電力を実際に計測した。
6-196	停電時におけるスマートメーターデータの活用について
6-196	桑下敬康・赤木泰章・○中拂慎治（関西電力）電気学会全国大会講演要旨 6-196 停電時におけるスマートメーターデータの活用について桑下敬康・赤木泰章・○中拂慎治（関西電力）近年、国内では台風などによる大規模災害が頻発している。関西電力では2018年9月の台風21号により配電設備が広範囲に被災し、約220万件の大規模停電が発生した。当時の復旧過程において、停電範囲の特定が難航し、復旧に多大な時間を要する結果となった。これまで、電力システムで停電範囲を自動で把握できるのは高圧配電線までであり、変圧器故障や低圧線断線といった低圧停電箇所については需要家からのモニターに頼っているのが実状であった。今回、電力システムの更なる高度化等を目的に、現在導入を進めているスマートメーターを活用し、スマートメーターの通信状況から低圧停電範囲を模擬的に把握する検討を行ったため、その内容を紹介する。
6-197	「システムUPS®」の開発 ― その4 電力レジリエンスの強化（概要） ―
6-197	○河崎吉則・岡崎直哉・福田有貴・柏原弘典・邱大偉・宇田怜史・西村荘治（日新電機）電気学会全国大会講演要旨 6-197 「システムUPS®」の開発 ― その4 電力レジリエンスの強化（概要） ― ○河崎吉則・岡崎直哉・福田有貴・柏原弘典・邱大偉・宇田怜史・西村荘治（日新電機）当社では電力パラダイムシフトの変化に対応し、「システムUPS®」を開発して社内実証している。一方、仮想発電所による需要家側の電力資源を活用したデマンドレスポンスなどの需給調整サービスが今後普及すると想定されており、これらのレジリエンス強化にも貢献できるシステムも合わせて検討したので、開発の狙い・コンセプト等を報告する。
6-198	「システムUPS®」の開発 ― その5 電力レジリエンスの強化（適用例） ―
6-198	○宇田怜史・岡崎直哉・福田有貴・柏原弘典・邱大偉・西村荘治・河崎吉則（日新電機）電気学会全国大会講演要旨 6-198 「システムUPS®」の開発 ― その5 電力レジリエンスの強化（適用例） ― ○宇田怜史・岡崎直哉・福田有貴・柏原弘典・邱大偉・西村荘治・河崎吉則（日新電機）当社では電力パラダイムシフトの変化に対応し、「システムUPS®」を開発して社内実証している。一方、仮想発電所による需要家側の電力資源を活用したデマンドレスポンスなどの需給調整サービスが今後普及すると想定されており、これらのレジリエンス強化にも貢献できるシステムも合わせて検討したので、電力系統やマイクログリッドを含む具体的な適用例を報告する。
6-199	乳牛ふん尿のバイオガス化による総合的利用システムの開発 -実測出力データに基づくBG制御手法の提案-
6-199	◎横山凌・石川志保・原亮一・北裕幸（北海道大学）電気学会全国大会講演要旨 6-199 乳牛ふん尿のバイオガス化による総合的利用システムの開発 -実測出力データに基づくBG制御手法の提案- ◎横山凌・石川志保・原亮一・北裕幸（北海道大学）近年，急速に導入が進む再生可能エネルギー電源は，一方で北海道の需要が少ない地域において新規の電力系統への連系が難しいという課題がある。また，既存の電源についても連系要件より系統の都合で停止・抑制が起こることが懸念される。本研究はそのような地域で適切なエネルギーマネジメントを考慮したバイオガス発電機の運用システムの開発を行っている。本稿では，実在する農場内に設置されたバイオガス発電機を対象に，その実測データを基にした制御手法の提案を行い，運用シミュレーションでその制御性を確認する。
6-200	調整力活用を目的とした地域冷暖房システムの数値モデルへの区分線形近似の適用
6-200	◎冨田康平・飯野穣・林泰弘（早稲田大学）・山本有途・小林広介（東京ガス）電気学会全国大会講演要旨 6-200 調整力活用を目的とした地域冷暖房システムの数値モデルへの区分線形近似の適用 ◎冨田康平・飯野穣・林泰弘（早稲田大学）・山本有途・小林広介（東京ガス）コージェネレーションシステムが併設されている地域冷暖房システムは，電力量調整が可能であるため，調整力への活用が期待されている．一方，調整力活用時の運用は，通常時に比べ，非線形部分負荷特性を持つ機器の中間部分負荷帯域での運転割合や，調整力に関する制約が増加する．よって，それらの条件を満たし，厳密解が得られるMINLPによる運転計画決定が望まれている．しかし，変数の多い大規模運転計画問題では，現実的な時間内に解を導出できない．そこで本研究では，各機器の非線形部分負荷特性に区分線形近似を適用し，問題をMILPに置換することで，大規模運転計画問題においても，非線形性を考慮しつつ，現実的な時間で精度の高い近似解を導出する方法を提案する．

2704-C1 電力システム（系統運用・解析）デマンドレスポンス3月13日午前 2号館 2704教室
講演番号	タイトル
講演番号	著者名（所属名）
6-201	インセンティブ型デマンドレスポンスにおける報酬および要請限界の算出方法の検討
6-201	◎吉田尚洋・高野浩貴（岐阜大学）・浅野浩志（電力中央研究所）・萩島理（九州大学）・Nguyen Duc Tuyen（ハノイ工科大学）電気学会全国大会講演要旨 6-201 インセンティブ型デマンドレスポンスにおける報酬および要請限界の算出方法の検討 ◎吉田尚洋・高野浩貴（岐阜大学）・浅野浩志（電力中央研究所）・萩島理（九州大学）・Nguyen Duc Tuyen（ハノイ工科大学）近年，電力需給の逼迫を緩和するためのオプションとして，デマンドレスポンス（DR: Demand Response）が利用され始めている。DRは，電力系統における3E+S（Energy efficiency，Economic efficiency，Environment，Safety）を実現する上での重要概念の一つとして位置付けられるものの，設計時の基礎となる報酬額などの設定方法には課題を残しており，知識や経験を元に設計して実証試験に臨んでいるのが実情である。本稿では，インセンティブ型DRを主たる対象として，社会的余剰最大化の考え方に基づいて，報酬額およびDR要請限界を算出する方法を提案する。また，1時間ごとの電力需要データを用いた数値計算により，算出方法の妥当性を検討する。
6-202	機器のON/OFF状態推定機構を導入したRestricted Boltzmann Machineに基づく機器消費電力推定手法の検討
6-202	◎藤田恵・藤本悠・林泰弘（早稲田大学）電気学会全国大会講演要旨 6-202 機器のON/OFF状態推定機構を導入したRestricted Boltzmann Machineに基づく機器消費電力推定手法の検討 ◎藤田恵・藤本悠・林泰弘（早稲田大学）東日本大震災以降の電力システム改革の中で，供給側だけでなく需要側からも需給バランスをとる取り組み（デマンドレスポンス；DR）の必要性が高まっている。DRアグリゲーターは可制御量を把握しながら削減量を達成できるような需要家群の組み合わせポートフォリオを作成する必要があるため，一般需要家を対象としたDRにおいて消費電力の内訳をリアルタイムに把握することは，可制御量を見積もる上で重要な役割を果たす。これまで我々は，Gaussian-Softmax Restricted Boltzmann Machines (GSRBM)に基づく機器消費電力の内訳推定手法を検討してきた。本稿ではさらなる機器消費電力の推定精度向上を目的として機器の稼動有無(ON/OFF)の推定機構を導入し，その効果をシミュレーションにより比較評価する。
6-203	電池劣化を考慮した電気自動車デマンドレスポンスモデル
6-203	○岩船由美子・荻本和彦（東京大学）電気学会全国大会講演要旨 6-203 電池劣化を考慮した電気自動車デマンドレスポンスモデル ○岩船由美子・荻本和彦（東京大学）電気自動車の劣化を考慮したデマンドレスポンスモデルを提案する。
6-204	Estimation of Seasonal Potential of Heating Ventilation and Air-conditioning Loads for Demand Response
6-204	◎朱セイ・ラジャブミョヴェラ・今中政輝・栗本宗明・杉本重幸・加藤丈佳（名古屋大学）・藤田美和子（中部電力）電気学会全国大会講演要旨 6-204 Estimation of Seasonal Potential of Heating Ventilation and Air-conditioning Loads for Demand Response ◎朱セイ・ラジャブミョヴェラ・今中政輝・栗本宗明・杉本重幸・加藤丈佳（名古屋大学）・藤田美和子（中部電力） Heating, Ventilation and Air-conditioning (HVAC) loads are one of the promising candidates for Demand Response (DR) resources because of the large consumption. In order to fully utilize HVAC loads demand – supply balancing potential, the DR potential throughout a year needs to be estimated so as to evaluate its impact on either area-wide balancing or on distribution networks. The thermal model was modified by transforming it from MATLAB Simulink physical model to an equivalent State space model in order to reduce simulation time. The State space model was then used to estimate seasonal potential of HVAC loads for DR for one office floor.
6-205	低コストデマンドレスポンス制御端末でのポジワット制御について
6-205	○柴本真吾（東京電力ホールディングス）・田中晃司（東京電力エナジーパートナー）・細谷雅樹（東光高岳）電気学会全国大会講演要旨 6-205 低コストデマンドレスポンス制御端末でのポジワット制御について ○柴本真吾（東京電力ホールディングス）・田中晃司（東京電力エナジーパートナー）・細谷雅樹（東光高岳）近年、再生可能エネルギー電源の出力制御が予想される軽負荷期に、自家発電設備の稼働抑制などによって工場や事業所の電力需要を増やす「上げDR（ポジワット）」の活用の拡大が期待されている中、既存の蓄電池など、受電電力調整設備を上げDRのリソースで活用する装置が無い状況があった。このため、制御装置を改造せず低コストで「下げDR」が可能な制御端末「DR shifTer（DRシフター）」に、「上げDR」の機能を追加する仕組みを検討し、シミュレーション等で活用の方向性を示した。

2604-A3 電力システム（系統運用・解析）マイクログリッド3月11日午後 2号館 2604教室
講演番号	タイトル
講演番号	著者名（所属名）
6-206	集合住宅における災害時運用を考慮したPVと蓄電池の導入容量と運用方式の検討
6-206	◎呂学成・付文雄・岩村一昭・中西要祐（早稲田大学）電気学会全国大会講演要旨 6-206 集合住宅における災害時運用を考慮したPVと蓄電池の導入容量と運用方式の検討 ◎呂学成・付文雄・岩村一昭・中西要祐（早稲田大学）近年、台風や集中豪雨において、停電が頻発するようになってきた。停電は生活に大きな影響を与えることから、電力会社から供給される電気が遮断しても、自前のエネルギーで甚大災害においても自助力を高める必要があると考えられる。このための補助電源としてディーゼル発電機を用いて電力を供給することが考えられるが、PVや蓄電池を組み合わせることで、長期間停電が続いても電力供給が可能となる。本研究では、停電の長期化に注目し、災害時に2週間以上グリッドから電力が供給されない場合を想定した補助電源の設備容量と運用方式最適化について検討することを目的とする。このために、HOMERシミュレーションソフトを用いた検討を行った。
6-207	オフグリッド配電系統における供給信頼度を考慮した可制御電源・蓄電池の最適運用手法の提案-供給支障時の蓄電池利用分の補充の考慮-
6-207	◎鈴木隆之介・原亮一・北裕幸（北海道大学）・泰間智也（東京電力ホールディングス）・庄司智昭（東京電力パワーグリッド）電気学会全国大会講演要旨 6-207 オフグリッド配電系統における供給信頼度を考慮した可制御電源・蓄電池の最適運用手法の提案-供給支障時の蓄電池利用分の補充の考慮- ◎鈴木隆之介・原亮一・北裕幸（北海道大学）・泰間智也（東京電力ホールディングス）・庄司智昭（東京電力パワーグリッド）経年劣化による変電所などの設備更新には莫大なコストを要するため，人口が少ない離島や過疎化地域などの比較的小規模な地域に対しては，大規模な在来系統に接続しないオフグリッドを構成することが考えられる。オフグリッド化された配電系統（以下，OG）内で，太陽光発電（PV）などの自然変動電源を活用する場合，蓄電池などのバッファを用意していたとしても，長期にわたる天候不順などに起因して需要を完全にまかないきれない可能性がある。本稿では，PV，ディーゼルエンジンなどの可制御電源，蓄電池にて構成されるオフグリッドを想定し，供給力が不足した場合の運用方法，ならびにその際に生じる需要家所有の蓄電池の放電電力への補充を考慮したOGの最適運用手法を提案する。
6-208	最適確率潮流計算を用いたオフグリッド運用計画手法 ― AVR整定を含む運用計画の検討 ―
6-208	◎大澤拓門・原亮一・北裕幸（北海道大学）・泰間智也（東京電力ホールディングス）・庄司智昭（東京電力パワーグリッド）電気学会全国大会講演要旨 6-208 最適確率潮流計算を用いたオフグリッド運用計画手法 ― AVR整定を含む運用計画の検討 ― ◎大澤拓門・原亮一・北裕幸（北海道大学）・泰間智也（東京電力ホールディングス）・庄司智昭（東京電力パワーグリッド）近年，過疎化地域等への電力供給のあり方として，既存の系統から配電系統を切り離して供給するオフグリッドを形成することが現実味を帯びつつある。オフグリッドの主たる電源として用いることが考えられる再生可能エネルギー電源は，その出力が天候に依存して変動する不確実性を有しているため，可制御分散電源や蓄電池などの併用が必要となると考えられる。このような観点から筆者らは，需要・再生可能エネルギー電源出力の不確実性を考慮しつつ，オフグリッド内の電圧プロファイルを管理するための運用計画手法を開発した。本稿では運用計画手法のさらなる高度化を目指し，可制御分散電源の自動電圧調整器整定の調整を含めた運用計画手法を提案する。
6-209	水素製造プロセスを需要として含むマイクログリッドの最適運用－最適化に基づく計画作成の効果－
6-209	◎喜田勇志・原亮一・北裕幸（北海道大学）・小熊祐司・稲村彰信・濱口謙一（IHI）電気学会全国大会講演要旨 6-209 水素製造プロセスを需要として含むマイクログリッドの最適運用－最適化に基づく計画作成の効果－ ◎喜田勇志・原亮一・北裕幸（北海道大学）・小熊祐司・稲村彰信・濱口謙一（IHI）近年，太陽光発電等の出力変動型の再生可能エネルギー電源の大量導入に伴う出力変動や余剰電力の対策の一つとして，水素エネルギーの利活用に注目が集まっている。著者らもPVの余剰電力を水素に変換して利用するスマートコミュニティの実現に向けて，水素製造プロセスを需要として含むマイクログリッド（提案MG）の運用方法を検討している。著者らが開発している提案MGの運用手法は，まず需要予測・PV出力予測に基づいてMG内の各機器をどのように運用するかを最適化計算により計画し(前日計画)，各種予測に含まれる誤差に対してはオンラインの制御により対応している。そこで本稿では，これまでに開発した前日計画において最適化を施すことの効果を定量的に評価するために，最適化によらないルールベースのヒューリスティックな計画手法と比較する。
6-210	ネット需要の不確実性を考慮したマイクログリッドの需給運用計画作成手法の開発
6-210	◎後藤瞭太・高野浩貴（岐阜大学）・浅野浩志（電力中央研究所）電気学会全国大会講演要旨 6-210 ネット需要の不確実性を考慮したマイクログリッドの需給運用計画作成手法の開発 ◎後藤瞭太・高野浩貴（岐阜大学）・浅野浩志（電力中央研究所）需給運用計画の作成段階では需要変動に加えて、自然変動電源出力の不確実性を考慮して運転予備力を確保する必要がある。ただし、この運転予備力が過剰であった場合、必要以上に発電機が起動していることから経済性の悪化を引き起こす。すなわち、運転予備力は予測誤差分布などを考慮して適切に確保する必要がある。本稿では、マイクログリッドにおけるネット需要（需要電力から太陽光発電出力を差し引いた値）の不確実性を考慮した需給運用計画を決定する問題の枠組みとその解法を提案する。この問題の枠組みでは、ネット需要予測値の確率分布を用いて、運用コストの期待値が最小になるような需給運用計画を決定する。
6-211	離島における再生可能エネルギーを主体としたオフグリッド電源構成の検討
6-211	◎長澤和輝・宮崎輝・林泰弘（早稲田大学）・庄司智昭・吉永淳（東京電力パワーグリッド）電気学会全国大会講演要旨 6-211 離島における再生可能エネルギーを主体としたオフグリッド電源構成の検討 ◎長澤和輝・宮崎輝・林泰弘（早稲田大学）・庄司智昭・吉永淳（東京電力パワーグリッド）現在、一般的に離島ではディーゼルエンジン(DG)を主体としたオフグリッドにより電力供給が行われているが、燃料・運搬費等の運用管理費が多大であることやCO₂排出量が多く環境に悪影響を及ぼすという問題が生じている。そこで、これまでPV,蓄電池を主体として補完電源をDGとしたオフグリッドについて検討してきた。本稿では、発電設備の多様化・分散化を目的として、さらに風力発電(WT)を導入した電源構成を提案し、実在する島嶼を対象に実測データを用いて容量選定を行う。再エネ電源がPVのみの場合とコスト最小点を比較すると、WTを導入することによりコストが約20.8[%]削減、さらにCO₂排出量が約44[%]削減可能となり、コストの低減かつ環境価値の向上を実現できることが確認される。

2903-A3 電力システム（系統機器・制御）蓄電池（Ⅰ）3月11日午後 2号館 2903教室
講演番号	タイトル
講演番号	著者名（所属名）
6-212	太陽光発電・蓄電池併設住宅におけるEV運用の一検討
6-212	◎徳本由生・竹本泰敏（日本工業大学）・小澤航一朗（芝浦工業大学）・香月壮亮（旭化成ホームズ）電気学会全国大会講演要旨 6-212 太陽光発電・蓄電池併設住宅におけるEV運用の一検討 ◎徳本由生・竹本泰敏（日本工業大学）・小澤航一朗（芝浦工業大学）・香月壮亮（旭化成ホームズ）異常気象，地球温暖化に対する関心の高揚から地球環境負荷低減に向けて，住宅建物では，省エネルギー化および再生可能エネルギーの利用により，年間消費エネルギー量を正味でゼロとするZEHが普及しつつある．だが，ZEHに採用される再生可能エネルギー電源は，保守性，設置環境の制約からほぼ太陽光発電である．このような住宅が普及すると，太陽光発電の特性から昼間時の余剰電力が課題となる．近年では，蓄電池設備を併設することにより，住宅内での自己消費を拡大するなどの対策を取ることも注目されているが，経済的負担も大きい．そこで，本研究では，家庭内のEVを住宅設備に接続してV2H運用を行った場合の余剰電力削減効果を明らかにする．
6-213	配電線スリム化に必要な蓄電池の容量評価に関する研究
6-213	◎押谷和彦・青木睦・中村勇太（名古屋工業大学）・上西宏和・金沢由樹・彦山和久（中部電力）電気学会全国大会講演要旨 6-213 配電線スリム化に必要な蓄電池の容量評価に関する研究 ◎押谷和彦・青木睦・中村勇太（名古屋工業大学）・上西宏和・金沢由樹・彦山和久（中部電力）近年，固定価格買取制度(FIT)終了後の家庭用太陽光発電(PV)の売買による利益の低下を踏まえてPV発電の余剰電力を家庭内で自家消費するために，蓄電池を設置することが検討され，今後導入量が増えると考えられている。蓄電池を需要家内での活用だけでなく，電力系統運用への活用が期待されることから，著者らはこれまで電圧制御や需給調整について検討している。本稿では，その蓄電池を用いて配電線容量削減，つまり配電線のスリム化を行うとし，実行に必要な蓄電池容量を算出する方法について提案する。また複数日の試算により必要蓄電池容量について評価する。
6-214	EV社会到来時の配電系統評価用モデルの構築
6-214	◎明石典・太田豊（東京都市大学）・尾﨑将・小川誠（いすゞ中央研究所）電気学会全国大会講演要旨 6-214 EV社会到来時の配電系統評価用モデルの構築 ◎明石典・太田豊（東京都市大学）・尾﨑将・小川誠（いすゞ中央研究所）地球温暖化対策の必要性が近年高まって行く中、その要因の一つであるCO2(温室効果ガス)の低減に目を向け、動力源が電気であるEV(電気自動車)に配送車を置き換えることで、再生可能エネルギーによる発電電力の活用と合わせ、大幅な CO2低減が期待できる。 EVは充電した電力を走行中に消費するという特徴があるため、充電電力の平準化が難しく、全車両が夜間に一斉に充電するなど、充電ピークが発生し、発電能力(配電系統の容量)を大幅に超過することが懸念される。本稿では、EVの台数や充電電力などの把握をし、EV 社会到来時の配電系統への充電インパクトを評価するための評価モデルの構築について紹介する。
6-215	電力貯蔵装置における電化交通のき電系統と配電系統への多目的充放電制御
6-215	◎小鯖裕之・小林宏泰・宮崎輝・飯野穣・近藤圭一郎・林泰弘（早稲田大学）・山本良太・長谷川匡彦・吉永淳（東京電力パワーグリッド）電気学会全国大会講演要旨 6-215 電力貯蔵装置における電化交通のき電系統と配電系統への多目的充放電制御 ◎小鯖裕之・小林宏泰・宮崎輝・飯野穣・近藤圭一郎・林泰弘（早稲田大学）・山本良太・長谷川匡彦・吉永淳（東京電力パワーグリッド）都市の脱炭素化の方策として，再生可能エネルギーの普及に加え、電鉄や次世代型路面電車交通（LRT）などの電化公共交通の導入が挙げられる。一方で電鉄のき電系統では，省エネルギー化を目的とした電力貯蔵装置（ESS）による回生エネルギーの有効利用が検討されている。本稿ではLRTに導入したESSの充放電制御として，第一にLRTの回生エネルギー利用と，第二にESSの空き容量を利用した，都市の配電系統内のPV発電電力の有効利用の同時実現方式を提案する。また，2022年に開業予定の宇都宮LRTおよび連系予定の配電系統を評価事例として，提案したESSの充放電制御手法による回生エネルギーの有効利用とPV電力の利用率改善との両立のポテンシャルをシミュレーションにより評価する。
6-216	車載充電器をスマートチャージングに活用した場合の応答時間計測と周波数安定効果の評価
6-216	◎田中大幹・馬場旬平（東京大学）・名雪琢弥・根本孝七（電力中央研究所）電気学会全国大会講演要旨 6-216 車載充電器をスマートチャージングに活用した場合の応答時間計測と周波数安定効果の評価 ◎田中大幹・馬場旬平（東京大学）・名雪琢弥・根本孝七（電力中央研究所）我が国のEV用の普通充電規格SAEJ1772を基に、充電電力を制御することで電力系統の周波数安定化に寄与させるスマートチャージングのための制御器を試作し、電力系統の周波数偏差に対して傾き10kW/Hzの充電制御を確認した。指令値に対する応答時間は約1s程度と推定され、これは海外の周波数調整市場において特に速い応答速度を要求している、英国EFR(Enhanced Frequency Response)の要求レベルと同等であることがわかった。また、実機特性を反映したEV普通充電器モデルを導入したAGC30モデルを用いて周波数シミュレーションを行い、多数台のEVにより周波数変動を抑制できることを確認した。
6-217	蓄電池システムの長期運用における電池容量の経年推移
6-217	◎井出誠・水谷麻美（東芝インフラシステムズ）・小林武則・豊崎智広（東芝エネルギーシステムズ）・和田研一・井上和茂（関西電力）電気学会全国大会講演要旨 6-217 蓄電池システムの長期運用における電池容量の経年推移 ◎井出誠・水谷麻美（東芝インフラシステムズ）・小林武則・豊崎智広（東芝エネルギーシステムズ）・和田研一・井上和茂（関西電力）関西電力との共同研究において、高効率・長寿命で安全性の高い蓄電池システムの利用技術の確立を目指して、リチウムイオン電池を用いた100kW-300kWh蓄電池システムを関西電力技術研究所に設置し、2013年7月から実証運転を行っている。本稿では、過去約5年分の運転履歴データから、その稼働実績を充放電総電力量と等価サイクル数で評価した。また、蓄電池システムの稼働初期から定期的に実測している電池容量の推移を示すとともに、運転履歴データから劣化速度テーブルを用いて算出した電池容量推定値を比較した結果、容量維持率の差異が+1.9%pointと良好な推定であることを確認した。
6-218	地域分散型エネルギーネットワークのための蓄電池による低コストなPV変動補完の研究
6-218	◎林田淳・藤澤怜央・白土博康（北海道立総合研究機構）・原亮一（北海道大学）電気学会全国大会講演要旨 6-218 地域分散型エネルギーネットワークのための蓄電池による低コストなPV変動補完の研究 ◎林田淳・藤澤怜央・白土博康（北海道立総合研究機構）・原亮一（北海道大学）研究ターゲットである小規模なエネルギーネットワークにおいて、蓄電池を用いて低コストにPV出力の変動補完を行う手法を提案する。出力変化速度の制約値の最適化、蓄電池容量のフィードバック制御を含むシミュレーション解析及び蓄電池実運用時の使用充放電範囲の最適化で構成される本手法を用いることで、従来手法と比較して蓄電池容量を半減できることを確認した。
6-219	非住宅設備における電気自動車導入に関する検討
6-219	◎小澤航一郎・藤田吾郎（芝浦工業大学）・竹本泰敏（日本工業大学）・仲井章一・田上敬祐（ダイダン）電気学会全国大会講演要旨 6-219 非住宅設備における電気自動車導入に関する検討 ◎小澤航一郎・藤田吾郎（芝浦工業大学）・竹本泰敏（日本工業大学）・仲井章一・田上敬祐（ダイダン）近年，低炭素化社会の実現へ向け，再生可能エネルギーの導入が進められてきた。また，ガソリン車に代わり，EV(Electrical Vehicle)の普及が進められている。現在，V2H(Vehicle to Home)や，V2B(Vehicle to Building)など，EVを車としての機能のみならず，電力需給を補助する，インフラ設備として用いる手法が提案されている。しかし，主なEVの対象は個人所有車であり，企業所有の社用車に対する検討，報告の例は少ない。そこで，本研究では，非住宅へEVを導入した際の解析モデルを構築し，EV運用の検討を行うことを目的とした。本稿では，基礎研究として，構築した解析モデルを用いて，EV導入時の環境性を評価したのでこれを報告する。
6-220	負荷周波数制御を目的とするECHONET Liteを用いた需要家設置の蓄電池システムの制御周期検証
6-220	◎山本康平・渡邊政幸・三谷康範（九州工業大学）電気学会全国大会講演要旨 6-220 負荷周波数制御を目的とするECHONET Liteを用いた需要家設置の蓄電池システムの制御周期検証 ◎山本康平・渡邊政幸・三谷康範（九州工業大学）系統内に自然変動電源の割合が増加したことにより調整力不足が問題となっており、新たな調整力の一つとしてバーチャルパワープラントが挙げられる。また構成機器である蓄電池システムの多くはECHONET Liteの通信規格に対応している。そこで蓄電池システムの遠隔制御によってどの程度の調整力を持たせることができるかを検証するシミュレーションモデルに実機の特性を反映させるため、実際にECHONET Liteを用いて蓄電池システムを制御した際の特性を検証する。検証内容として、太陽光発電出力の余剰分に蓄電池の充電量を追従させる際の制御遅れ、調整力として用いることが出来る制御周期の検証を行う。
6-221	需給調整力供出のための分散蓄電池充放電計画の検討
6-221	◎泉谷聡史・吉谷尚久・岩田啓・沖野健太・野中要司（京セラ）電気学会全国大会講演要旨 6-221 需給調整力供出のための分散蓄電池充放電計画の検討 ◎泉谷聡史・吉谷尚久・岩田啓・沖野健太・野中要司（京セラ）太陽光発電の固定価格買取制度が満了した需要家にとって、蓄電池の導入が選択肢の1つとなっている。蓄電池は余剰電力の自家消費運用に用いられると同時に需給バランス調整の活用にも期待されている。本研究では、需要家の電気料金の最小化と、日中の需給調整指示時における調整力の安定確保を両立する蓄電池の充放電計画の立案手法を考案した。考案手法では、まず線形計画法により需要家の電気料金を最小化する充放電計画と最小の電気料金を求める。次に、求めた最小の電気料金を維持することを制約とし、同じく線形計画法で日中の調整力の供出を最大にする充放電計画を求める。以上の手法と従来手法の実データによる比較結果を報告する。

2903-A4 電力システム（系統機器・制御）蓄電池（Ⅱ）3月11日午後 2号館 2903教室
講演番号	タイトル
講演番号	著者名（所属名）
6-222	実都市データに基づくPV発電利用の最大化を目的とした電動バスの充電時間組合せ最適化問題に関する初期検討
6-222	◎富澤勇輝・井原雄人・宮崎輝・飯野穣・林泰弘（早稲田大学）・山本良太（東京電力パワーグリッド）電気学会全国大会講演要旨 6-222 実都市データに基づくPV発電利用の最大化を目的とした電動バスの充電時間組合せ最適化問題に関する初期検討 ◎富澤勇輝・井原雄人・宮崎輝・飯野穣・林泰弘（早稲田大学）・山本良太（東京電力パワーグリッド）都市の脱炭素化推進策としてEVを含めたモビリティの電化が期待されており、それに伴い公共交通である乗合バスも電化されると考えられる。将来的にEVを「動く分散型蓄電リソース」として活用する場合、定時定路線で運行を行うバスは確実性のある充電スケジュール・充電量の推定が行える利点がある。本研究では乗合バスの運行解析を行い、その特徴からPV利用の最大化を目的とした充電時間最適化手法を提案し、評価する。まず、実在する乗合バスの運行解析を行い車両ごとに1日の行動をモデル化する。それに対し、個々の車両の充電時間最適化問題を混合整数線形計画法として定式化する。最後に提案手法による数値例にてPV利用率向上の効果を示す。
6-223	遺伝的アルゴリズムを用いた電気バス充電スケジューリングの最適化
6-223	◎白石宏輝・宮内肇（熊本大学）電気学会全国大会講演要旨 6-223 遺伝的アルゴリズムを用いた電気バス充電スケジューリングの最適化 ◎白石宏輝・宮内肇（熊本大学）電気自動車（EV）は環境面から有望視されているが、経済性や電力システムへの影響など様々な課題も抱えている。特に、EVが大量に導入されると大電力を消費するため、EVと電力システムの相互作用は重要な問題である。そこで本研究では、比較的運行スケジュールが定まっている電気路線バス（EV路線バス）に焦点を当て、複数台のEVバスを運用する際の最適な充電スケジュールを決定する遺伝的アルゴリズムを用いた手法を提案する。充電スケジュールの決定には電力システムへの影響と電気料金の両面について考慮する必要があるため、本研究では、電力負荷と電気料金のそれぞれを重視したシミュレーションを行い、その結果をもとに提案手法の有効性を検証する
6-224	広域的交通を考慮したEVの高速道路網における充電需要についての検討
6-224	◎中村洸喜（早稲田大学）・伊庭健二（明星大学）・中西要祐（早稲田大学）電気学会全国大会講演要旨 6-224 広域的交通を考慮したEVの高速道路網における充電需要についての検討 ◎中村洸喜（早稲田大学）・伊庭健二（明星大学）・中西要祐（早稲田大学）脱炭素社会の実現に向けて交通システムの電化が進み、電気自動車(EV)の普及拡大が進むことが予想されている。社会インフラとして充電ステーションの拡充もあわせて不可欠になるため、車載用蓄電池の容量や充電ステーションの容量・配置についての研究も始まっている。EVの蓄電池容量は近年40～60kWhと大容量になっており近距離の運行に関しては走行中の電池切れの頻度は少なく、充電ステーションの配置計画はむしろ、中長距離の運行を考慮する必要性がある。本稿では、交通量の1つの指針と考える事の出来る中長距離バスのダイヤを使用した運行シナリオを作成し、これをEVバスと想定する。その仮定の下、高速道路内での充電需要の位置・量・時刻を求めるシミュレーション方法を検討する。
6-225	工場負荷を対象とする太陽光発電を用いた二次電池・水素蓄電併用EMSの検討
6-225	◎小川佑人・植田譲（東京理科大学）・杉山正和（東京大学）・青野文昭（エノア）電気学会全国大会講演要旨 6-225 工場負荷を対象とする太陽光発電を用いた二次電池・水素蓄電併用EMSの検討 ◎小川佑人・植田譲（東京理科大学）・杉山正和（東京大学）・青野文昭（エノア）太陽光発電の有効利用に向けた蓄電技術として，水電解装置・水素タンク・燃料電池で構成される水素蓄電は，将来的に大容量のコストが二次電池よりも小さくなることが期待されている。本研究では，工場負荷とPV発電に対し，従来の二次電池のみの場合と二次電池・水素蓄電併用の場合の系統とのやり取り量を最小化する充放電計画を作成し，PV発電量の自家消費率を比較した。結果として，工場負荷とPV発電量の差である正味の需要が大きく変動しなければ，二次電池と比較して起動制約の大きい水素蓄電でも，従来手法と同等の自家消費率を得ることができた。
6-226	Model for Calculating Electric Vehicle Energy Consumption in Various Areas based on Publicly Available Data Sets
6-226	◎Helindu Cumaratunga 電気学会全国大会講演要旨 6-226 Model for Calculating Electric Vehicle Energy Consumption in Various Areas based on Publicly Available Data Sets ◎Helindu Cumaratunga With Electric Vehicles (EVs) experiencing rapid annual growth in global markets, increasing EV charging demand on electric power systems will be a point of concern. Differences in distribution grid configurations necessitate the assessment of EV charging impact at various locations. However, data on EV usage are scarce and/or may not take consideration of factors affecting EV usage such as usage location, travel purpose, etc. This study proposes a model for calculating EV energy consumption based on publicly available datasets and discusses the impact of various factors on EV charging demand for 114 locations in Aichi, Gifu and Mie prefectures.
6-227	離島への再生可能エネルギー大量導入時の瞬時値解析その2
6-227	◎佐藤翔一・野呂康宏（工学院大学）電気学会全国大会講演要旨 6-227 離島への再生可能エネルギー大量導入時の瞬時値解析その2 ◎佐藤翔一・野呂康宏（工学院大学）離島では再エネの大量導入が期待されている。再エネの導入拡大のためには複数台のインバータが点在する系統構成を実現させる必要性があるが、それに適用可能な制御手法は確立していない。そこで著者らが提案したインバータの制御手法を用い、複数台のインバータが点在するシステムを構成した。これまでに総負荷の約1割に相当する負荷の急変や、PVの急峻な出力低下を模擬し、これらの外乱に対して安定運転が可能であることを示してきた。本論文では同系統において、事故の一例として二線短絡を模擬した場合のシミュレーション検証結果を示す。事故除去後に電流・電圧・周波数など、各々の波形が定常値へ速やかに復帰した。
6-228	SMESを用いた系統安定度測定装置の可能性検討－電池電力貯蔵との比較－
6-228	○野村新一（明治大学）・仁田旦三（東京大学）・新冨孝和（高エネルギー加速器研究機構）電気学会全国大会講演要旨 6-228 SMESを用いた系統安定度測定装置の可能性検討－電池電力貯蔵との比較－ ○野村新一（明治大学）・仁田旦三（東京大学）・新冨孝和（高エネルギー加速器研究機構）再生可能エネルギーの導入量増大，電力自由化が進む中，秒周期以下の電力変動に対する電力系統の安定度の問題が表面化しつつある。本研究では，超電導磁気エネルギー貯蔵（SMES）を用いた系統安定度の直接測定法ついて，市販のリチウムイオン電池を利用した場合の貯蔵装置本体の概略設計と比較し，系統安定度測定装置としてのSMESの可能性について検討した。その結果，電流源動作の特長からSMESは固有値測定において系統への影響を最小限に抑えられる可能性があり，超電導コイルとリチウムイオン電池の設置スペースならびに重量を比較した結果，固有値測定における貯蔵装置の可搬性の観点からもSMESの可能性が示唆された。

2801-A1 電力システム（系統機器・制御）太陽光（Ⅰ）3月11日午前 2号館 2801教室
講演番号	タイトル
講演番号	著者名（所属名）
6-229	送電線潮流値を用いた配電用変電所の実負荷推定の一検討
6-229	○山口哲一・松田勝弘（東北電力）・井上秀樹・足立昌宏・永井雅彰・友部修（日立製作所）電気学会全国大会講演要旨 6-229 送電線潮流値を用いた配電用変電所の実負荷推定の一検討 ○山口哲一・松田勝弘（東北電力）・井上秀樹・足立昌宏・永井雅彰・友部修（日立製作所）太陽光発電（PV）の系統連系量は年々増加し，配変バンク単位での逆潮流も発生している。系統事故時の復旧操作において，設備過負荷を発生させないためにも，PVを除く真の負荷量（実負荷）を把握しておくことは系統運用上重要である。これまでの研究では送電線単位での実負荷推定は可能であったが，配変バンク単位では無効電力の計測がないため実負荷推定が出来なかった。本稿では，送電線単位の実負荷推定値を配変バンク単位に案分して，配変バンク単位の実負荷推定値を求める手法について報告する。
6-230	特高PV出力から送電線単位のPV出力を推定する場合のパネル過積載による影響の評価
6-230	○井上秀樹・足立昌宏・永井雅彰・友部修（日立製作所）・松田勝弘・山口哲一（東北電力）電気学会全国大会講演要旨 6-230 特高PV出力から送電線単位のPV出力を推定する場合のパネル過積載による影響の評価 ○井上秀樹・足立昌宏・永井雅彰・友部修（日立製作所）・松田勝弘・山口哲一（東北電力） PV連系量の増加により，系統を安定に維持するための対策が求められている。例えば再閉路に備えた実負荷の把握には，PV出力の正確な推定が重要である。しかし多数のPV出力をオンラインで収集することは現実的でない。その対策として，特高PV出力や潮流値から周囲のPV出力の総和を推定する手法が提案されてきた。ところが近年，PVの過積載化がすすみ，南中時刻前後では，特高PVの出力が飽和する傾向が顕著となってきた。一方，潮流値からPV出力を推定する手法は飽和の影響を受けない。そこで本報告では，前記2つの手法によるPV出力推定値を比較することで，過積載による飽和の影響を評価した結果を示す。
6-231	雲影センサユニットの多点配置と雲影挙動の推定
6-231	◎小林宏規・針谷達・竹内悠人・滝川浩史（豊橋技術科学大学）・伊藤和彦・平塚元久（エイム）電気学会全国大会講演要旨 6-231 雲影センサユニットの多点配置と雲影挙動の推定 ◎小林宏規・針谷達・竹内悠人・滝川浩史（豊橋技術科学大学）・伊藤和彦・平塚元久（エイム）太陽光発電の出力予測が困難な要因の一つに，雲の影（以下，雲影）による短期的かつ急激な変動がある。我々はこれまで，雲影センサを約20 m四方に4つ配置した雲影センサユニットを1方位に配置し，雲影センサの出力変化の時間差から雲影ベクトル（速さ・方向）を求めることで，太陽光発電施設の発電電力量の予測を行ってきた。本研究では，雲影センサユニットを，本学を中心とした8方位に設置し，場所による雲影ベクトルの違いを調査することで，雲影の挙動を推定した。その結果，各地点の雲影センサユニット間の出力から導き出される雲影の方向と各地点で算出した雲影ベクトルの方向はほぼ一致し，北東方向に移動する雲の挙動が推定できた。
6-232	日射量短時間予測システムの精度向上に関する検討
6-232	○澤崎正明（関西電力）・高田望（気象工学研究所）電気学会全国大会講演要旨 6-232 日射量短時間予測システムの精度向上に関する検討 ○澤崎正明（関西電力）・高田望（気象工学研究所）電力系統に広く分散配置されているPVに対して精度の高いPV発電量予測技術が求められており，関西電力では，(株)気象光学研究所と協力し，気象衛星画像を用いた日射量短時間予測システム「アポロン」を開発して需給運用業務に活用している。衛星画像を用いた予測システムは，雲の移動に基づいた予測手法であるため直近の予測データについては誤差が小さいが，予測時間が長くなるほど誤差は増大していく。予測が大きく外れると系統運用への影響も大きくなるため，局地数値予報モデル（LFM）との組み合わせ手法を試みた結果，従来より日射量二乗平均平方根誤差（RMSE）の減少が確認でき，予測時間が長いほど改善効果が大きいことも認められた。
6-233	気候モデルによる将来発電資源量予測研究のレビュー
6-233	○大竹秀明・大関崇（産業技術総合研究所）電気学会全国大会講演要旨 6-233 気候モデルによる将来発電資源量予測研究のレビュー ○大竹秀明・大関崇（産業技術総合研究所）再生可能エネルギーを含めた2050年以降のエネルギーミックスを議論する上では, 科学的根拠に基づいたデータセットを軸に議論をすることが重要である. 気象・気候分野では物理モデルベースで構築された気候モデルの研究開発と運用が進んでおり, 多くの気候研究で利用がなされている. 気候データには気温や風向・風速, 日射量などが含まれていることから発電資源量予測や電力需要の分析にも活用される. 特に海外では気候モデルを用いた2050年～2100年頃を対象とした日射量, 気温, 風速の将来予測データをもとに将来気候下での発電資源量予測研究が活性化している. 本稿では, それらの研究成果のレビューを行う.
6-234	VaRモデルを用いた強化学習による自律分散型電圧制御
6-234	◎吉田拓矢・高山聡志・石亀篤司（大阪府立大学）電気学会全国大会講演要旨 6-234 VaRモデルを用いた強化学習による自律分散型電圧制御 ◎吉田拓矢・高山聡志・石亀篤司（大阪府立大学）近年，太陽光発電の導入に伴い需要家からの逆潮流が発生し，需要家端電圧が規定範囲から逸脱する電圧上昇が問題になっている。これに対して，著者らは各需要家が所有する太陽光発電システムのパワコンによる自律的な無効電力の運用によって電力系統の電力品質維持に寄与する手法を提案した。また、近年大量かつ多様なビッグデータの活用をすることに注目が集まっているから，本検討では無効電力の決定に対して強化学習を利用した手法とビッグデータの統計情報を利用し電圧を効率的に制御することを提案する。
6-235	太陽光発電連系位置及び負荷分布の違いによる太陽光発電連系可能量と負荷供給可能量の検討
6-235	○佐藤知一・菅野伯浩（東京電力ホールディングス）・石橋一成・庄司智昭（東京電力パワーグリッド）電気学会全国大会講演要旨 6-235 太陽光発電連系位置及び負荷分布の違いによる太陽光発電連系可能量と負荷供給可能量の検討 ○佐藤知一・菅野伯浩（東京電力ホールディングス）・石橋一成・庄司智昭（東京電力パワーグリッド）固定買い取り制度が導入されて以降、PVを中心とした分散型電源の普及が急速に進んでいる。無負荷で末端にPVが集中連系した配電線において、PVの連系量増大につれ、電圧上昇発生、電圧低下発生、更に連系量が増大するとPV連系可能量が制限されることが報告されている。今回、負荷およびPVが混在した一般的な配電線に近いモデルにおいて、PV連系位置と負荷分布の違いによるPV連系可能量と負荷供給可能量について検討をした。負荷増によるPV連系可能量の増減は、PV連系位置と負荷供給位置の位置関係に影響を受けること、PV位置固定でPV量一定の場合、負荷分布は近端、遠端の順に負荷供給可能量が大きくなる傾向を確認した。

2801-A2 電力システム（系統機器・制御）太陽光（Ⅱ）3月11日午前 2号館 2801教室
講演番号	タイトル
講演番号	著者名（所属名）
6-236	周波数低下時におけるVSGモデル制御の検討
6-236	◎小池広和・横山明彦（東京大学）電気学会全国大会講演要旨 6-236 周波数低下時におけるVSGモデル制御の検討 ◎小池広和・横山明彦（東京大学）近年，太陽光発電（Photovoltaic Generation : PV）が大量に系統に接続されているが、慣性を持たないという特徴がある。その対策として，PVのインバータに電力貯蔵装置を付加し，同期発電機の慣性を模擬する仮想同期発電機（Virtual Synchronous Generator : VSG）の研究がなされている。また，PVの解列を防止するFault Ride Through（FRT）要件において運転継続後のPVインバータ出力が要件として課されている。しかし，PVの解列が起きないような擾乱に対してのPVインバータ出力に関しての要件は存在しない。本稿の目的は周波数低下時におけるVSGモデル制御のPVインバータ出力に関して検討することである。
6-237	路面電車電力線によるPV直流集電システムの電力損失に関する検討
6-237	◎川野温輝・三島裕樹・下町健太朗（函館工業高等専門学校）・北條昌秀（徳島大学）電気学会全国大会講演要旨 6-237 路面電車電力線によるPV直流集電システムの電力損失に関する検討 ◎川野温輝・三島裕樹・下町健太朗（函館工業高等専門学校）・北條昌秀（徳島大学）近年、太陽光発電(PV)が再生可能エネルギー発電の一つとして注目を集めている。筆者らはPV出力を交流の電力系統からではなく、直接路面電車の電力線に集める新しい電力システムを提案している。このシステムにおいて路面電車のき電システムを含めた回路解析を行い、路面電車電力線とレールでの電力損失を考慮して、システムの総設置費用の試算結果を示し、システムの経済性を評価したのでその結果を報告する。
6-238	A Study on Utilization and Effect of Probabilistic Forecast of Photovoltaic Power Output Based on Interchanged Power and Flexibility in a Unified Power System ~part 1: outline of simulation model~
6-238	○羅恵丹・小豆澤諒太・今中政輝・栗本宗明・杉本重幸・加藤丈佳（名古屋大学）電気学会全国大会講演要旨 6-238 A Study on Utilization and Effect of Probabilistic Forecast of Photovoltaic Power Output Based on Interchanged Power and Flexibility in a Unified Power System ~part 1: outline of simulation model~ ○羅恵丹・小豆澤諒太・今中政輝・栗本宗明・杉本重幸・加藤丈佳（名古屋大学） In order to reserve proper flexibility economically in power system with large Photovoltaic (PV) capacity, probabilistic forecast of PV power output is introduced in a day-ahead Unit Commitment (UC) scheduling in a unified power system. Because power and flexibility can be interchanged among areas, power supply reliability is expected to improve with a lower flexibility in the unified power system. As a first step, this paper will discuss simulation results based on the model with a 0% confidence interval, to evaluate the smoothing and interconnection effect.
6-239	送電系統事故時における配電系統連系PVの動的無効電力ポテンシャル評価
6-239	◎水上瑛太・金子曜久・芳澤信哉・石井英雄・林泰弘（早稲田大学）電気学会全国大会講演要旨 6-239 送電系統事故時における配電系統連系PVの動的無効電力ポテンシャル評価 ◎水上瑛太・金子曜久・芳澤信哉・石井英雄・林泰弘（早稲田大学）太陽光発電システム(PV)の導入量増加に伴い，送電系統事故による瞬時電圧低下（瞬低）時においてもPV連系を要求するVRT機能や，動的に無効電力を出力するDVS機能をPVインバータに具備することによる系統安定性の向上が注目されている。しかし，DVS機能では，PVインバータの空き容量を活用して連系地点の電圧に基づき無効電力を供給するため，PV発電量，電圧分布などの時空間的に変化する要因を考慮した評価が必要になり，動的無効電力ポテンシャルを評価することは難しい。本稿では，瞬低時に配電系統から送電系統へ流れ込む無効電力供給量をPV発電量・系統事故時の電圧降下量をパラメータとして評価するために，配電系統において数値計算を実施した。
6-240	系統側が能動機能を担う単独運転検出手法の検討
6-240	◎榎谷大志・早川航平・馬場旬平（東京大学）電気学会全国大会講演要旨 6-240 系統側が能動機能を担う単独運転検出手法の検討 ◎榎谷大志・早川航平・馬場旬平（東京大学）分散形電源のPCSは保安上の理由により、単独運転防止装置の搭載が義務付けられている。単独運転防止装置は受動的方式と能動的方式に分けられ、受動的方式は不感帯と呼ばれる単独運転を検出できない領域が存在すること、能動的方式は平常時においても系統に不要な擾乱を与えることが問題となっている。これらの問題を解決するために新型能動的方式がNEDOにより開発されたが、この方式が普及したことにより電圧変動など新たな問題が発生している。そこで本発表では分散形電源側だけではなく系統側にのみ能動機能をもたせることで擾乱問題を解決し、かつ、受動的方式の不感帯の問題についても対応させることを検討するため基礎的な検証を行ったので報告する。
6-241	PCSに起因する電圧フリッカに対するHVRを用いた抑制手法に関する検討
6-241	◎斉藤好輝・青木睦（名古屋工業大学）・上西宏和・金沢由樹・彦山和久（中部電力）電気学会全国大会講演要旨 6-241 PCSに起因する電圧フリッカに対するHVRを用いた抑制手法に関する検討 ◎斉藤好輝・青木睦（名古屋工業大学）・上西宏和・金沢由樹・彦山和久（中部電力）近年，電力系統において太陽光発電(PV)の大量導入が進んでおり，配電系統において急峻な電圧変動や電圧上昇が懸念されている。この問題に対して，タップ切替回路とインバータ回路を組み合わせた電圧制御装置HVRが提案されている。一方，新型能動的方式を搭載した低圧用PCSが大量連系された長距離配電系統において，無効電力注入に起因する電圧フリッカが発生している。HVRはインバータ回路を有していることから，これによる電圧フリッカ抑制が可能であると考えられる。そこで本論文では，HVRのインバータ回路による電圧フリッカ抑制手法について提案するとともに，配電系統モデルを作成し，これを用いて提案法の有用性について検討した結果を述べる。

2604-A4 電力システム（系統機器・制御）風力発電3月11日午後 2号館 2604教室
講演番号	タイトル
講演番号	著者名（所属名）
6-242	風力発電所を結ぶ送電線拡張型計画の基礎研究
6-242	○梅谷明生・大坪直哉・伊庭健二（明星大学）電気学会全国大会講演要旨 6-242 風力発電所を結ぶ送電線拡張型計画の基礎研究 ○梅谷明生・大坪直哉・伊庭健二（明星大学）近年大規模な風力発電の建設が進んでいるが、これらの電源は需要の少ない地域に適地に広く分散しており、段階的に開発が進むため送電網計画が難しくなっている。そこで本研究では、広範囲に分散した風力電源を結ぶ送電網の最適計画の基礎的研究を行った。最適化手法には遺伝的アルゴリズムを用い、建設コスト、送電損失、送電線のルート断事故に対する供給支障リスクの3項目を目的関数とする多目的問題を定量的に評価した。また、風力発電所が段階的に開発されていくことを考慮し、時系列に従う成長型の送電線計画を提案し、この課題の問題点を明らかにした。
6-243	風力発電の大量導入が電力系統の周波数と潮流の変動に及ぼす影響
6-243	◎孫博強・斎藤浩海（東北大学）・関沼和浩（東北電力）電気学会全国大会講演要旨 6-243 風力発電の大量導入が電力系統の周波数と潮流の変動に及ぼす影響 ◎孫博強・斎藤浩海（東北大学）・関沼和浩（東北電力）近年、風力発電は太陽光発電と同様に主力電源化が可能な再生可能エネルギーとして注目されており、導入量が増加している。風力発電所(WF)を大量導入すると、系統慣性不足や調整力不足などの問題が出現し周波数が現在よりも不規則に変動するものと考えられる。本稿では、東北地域に着目して、送電ネットワークを考慮した周波数制御系モデルとWFの確率的出力変動モデルを用い、WFが大量導入された電力系統の周波数安定性への影響を定量的に分析・考察した結果を報告する。シミュレーションから、WF容量の増加に伴い、周波数変動が大きくなること、WF至近端の火力機に十分な調整力を維持することで線路潮流変動を抑制でき得ることが確認できた。
6-244	風力発電が大量連系した電力系統の過渡安定度に関する基礎検討
6-244	◎本木諒・斎藤浩海（東北大学）・関沼和浩（東北電力送配電カンパニー）電気学会全国大会講演要旨 6-244 風力発電が大量連系した電力系統の過渡安定度に関する基礎検討 ◎本木諒・斎藤浩海（東北大学）・関沼和浩（東北電力送配電カンパニー）風力発電の連系量増加に伴う火力機等の同期発電機の減少は、系統の過渡安定度に悪影響を及ぼす可能性がある。この対策として風力発電の出力を低下させて同期発電機の起動台数を減少させないようにする方策が考えられる。要するに風力発電機の出力抑制による過渡安定度の維持方策である。そこで本稿では、東北地域の電力系統を簡略表現した動特性モデルを用いて、風力発電機群の出力抑制が過渡安定度の維持に及ぼす効果について基本的な検討を行った。その結果として、風力機の連系容量が増加した場合、その発電出力の抑制により電力系統の過渡安定度を維持し得ることを東北エリアの簡略系統モデルの動的シミュレーションにより示した。
6-245	風力発電の出力制御量最適配分問題における公平性成立条件
6-245	◎菅原大知・斎藤浩海（東北大学）・和山亘・関沼和浩（東北電力）電気学会全国大会講演要旨 6-245 風力発電の出力制御量最適配分問題における公平性成立条件 ◎菅原大知・斎藤浩海（東北大学）・和山亘・関沼和浩（東北電力） In recent years, the introduction of renewable energy into power systems has been increasing in Japan. If renewable energy sources are foreseen to cause excessive power generation in the entire power system, the output of the renewable power source is curtailed as a last resort to maintain the integrity of the power system. Two types of control methods for renewable energy power sources are currently being applied in Japan: the online method, which can control every 30 minutes automatically, and the offline method based on human operations, which cannot be finely controlled. Then, the amount of curtailed power has to be allocated fairly among renewable energy providers that have different control methods. In a previous research, a method to solve the optimal allocation problem of curtailed power as a linear programming one was proposed, and the definition of fairness and the necessary conditions for fairness were clarified. However, the development of fundamental calculation methods was focused on and Wind Farm (WF) output curtailment in a single region under the same wind speed changes was considered. In this paper, in order to conduct a more detailed study, a general necessary and sufficient condition for maintaining fairness among WFs located in different regions is derived. The validity has been checked by numerical calculation of a simplified power system model. As a result, it became clear that fairness was hard to be achieved if the wind speed was extremely uneven among regions.
6-246	誘導発電機を用いた風力発電模擬装置の電力制御と系統インピーダンスの影響に関する検討
6-246	◎竹内大貴・中村裕之・雪江彩斗・太田豊・中島達人（東京都市大学）電気学会全国大会講演要旨 6-246 誘導発電機を用いた風力発電模擬装置の電力制御と系統インピーダンスの影響に関する検討 ◎竹内大貴・中村裕之・雪江彩斗・太田豊・中島達人（東京都市大学）再生可能エネルギー電源は, 地球温暖化防止や燃料資源保護の観点から, 国内外で導入が進んでいる。風力発電は, 有望な再生可能エネルギー電源の一つであるが, 風速変動に伴って発電出力が変動するという本質的な課題がある。また, 山地・沿岸・洋上などの風力発電の適地は, 電力系統から離れていることが多く, 風力発電から電力系統にアクセスするための送電線が長距離化しやすいため, 風力発電と高インピーダンスの送電線の相互作用により, 発電出力や送電線電圧が不安定に変化することが懸念される。著者らは, 風力発電と高インピーダンス送電線との相互作用問題を, 実験室に設置した小容量の風力発電模擬装置を用いた実験を通じて検討することに取り組み始めた。本論文では, 二次励磁誘導発電機を用いた1.5kW風力発電模擬装置における, 電力制御系の動作確認実験および高インピーダンス系統の影響の確認実験の結果について報告する。
6-247	洋上風力発電のダイオード整流器送電方式における集電系統の高調波解析検討
6-247	久保敏裕・○黒田和宏・荻原義也（日新電機）・田中未来・真山修二（住友電気工業）電気学会全国大会講演要旨 6-247 洋上風力発電のダイオード整流器送電方式における集電系統の高調波解析検討久保敏裕・○黒田和宏・荻原義也（日新電機）・田中未来・真山修二（住友電気工業）洋上風力発電所から直流送電を行う場合，送電方向が一方向であることから，洋上側をダイオード整流器とする方式を適用できる。この方式は自励式変換器の採用時に比べ，プラットフォームの重量・容積・コストを大幅に削減できるとして注目されているが，洋上集電系統における高調波問題については，十分に検討されていない。そこで，洋上側をダイオード整流器，陸上側をMMC（Modular Multilevel Converter）で構成したHVDC系統の瞬時値シミュレーションモデルを作成し，洋上集電系統での風力発電機やダイオード整流器からの発生高調波の拡大について検討した。さらに，洋上母線への高調波フィルタ設置による高調波抑制効果を確認した。

2801-C3 電力システム（系統機器・制御）直流システム（Ⅰ）3月13日午後 2号館 2801教室
講演番号	タイトル
講演番号	著者名（所属名）
6-248	NEDO「次世代洋上直流送電システム開発事業」の概要
6-248	○加藤寛・前野武史・小沼貴紀（新エネルギー・産業技術総合開発機構）電気学会全国大会講演要旨 6-248 NEDO「次世代洋上直流送電システム開発事業」の概要 ○加藤寛・前野武史・小沼貴紀（新エネルギー・産業技術総合開発機構） NEDOでは2015年度より「次世代洋上直流送電システム開発事業」を開始した．本事業では，洋上風力発電の導入拡大のために，高信頼性を備えかつ低コストで実現する多端子直流送電システムと要素技術を開発した．システム開発では，多端子直流送電システムを構築するために，モデルケースの系統計画や異社間接続におけるシステム制御・保護方式の標準化などを行った．また，要素技術開発では，多端子直流送電システムに必須となる直流遮断器やコスト低減に資する様々なコンポーネントの技術開発を行った．現在，システム開発で得た想定モデルケースに，要素技術開発で得たコスト低減成果を反映し，2020 年2 月末には最終目標である既存交流送電システムに対してコスト削減割合20%以上のモデルケースが得られる見込みである．
6-249	次世代洋上直流送電システム開発その1 －マルチベンダ多端子直流送電の制御検証： RTDS解析－
6-249	◎久米里奈（東芝エネルギーシステムズ）・金子恭大（東芝インフラシステムズ）・吉原徹（日立製作所）・堀越敬博（J-POWERビジネスサービス）・緑川真己（東京電力パワーグリッド）・福嶋純一（東京電力ホールディングス）・中島達人（東京都市大学）電気学会全国大会講演要旨 6-249 次世代洋上直流送電システム開発その1 －マルチベンダ多端子直流送電の制御検証： RTDS解析－ ◎久米里奈（東芝エネルギーシステムズ）・金子恭大（東芝インフラシステムズ）・吉原徹（日立製作所）・堀越敬博（J-POWERビジネスサービス）・緑川真己（東京電力パワーグリッド）・福嶋純一（東京電力ホールディングス）・中島達人（東京都市大学）多端子直流送電のマルチベンダ間での互換性確保に重点を置き、標準仕様の検討と制御保護方式の解析検証を進め、リアルタイムシミュレータRTDSを用いてマルチベンダ5端子直流送電モデルを構築した。RTDSで構築したモデルを用いて、不測の事態で上位制御の指令が遅れた場合を想定し、異なるメーカ製の陸上2端子の自律的な電力分担を確認したので報告する。
6-250	次世代洋上直流送電システム開発その2 －マルチベンダ多端子直流送電の制御検証：PSCAD解析－
6-250	◎吉原徹（日立製作所研究開発グループ）・石黒崇裕（東芝エネルギーシステムズ）・木田雄三（J-POWERビジネスサービス）・太田文彦（東京電力ホールディングス）・緑川真己（東京電力パワーグリッド）・中島達人（東京都市大学）電気学会全国大会講演要旨 6-250 次世代洋上直流送電システム開発その2 －マルチベンダ多端子直流送電の制御検証：PSCAD解析－ ◎吉原徹（日立製作所研究開発グループ）・石黒崇裕（東芝エネルギーシステムズ）・木田雄三（J-POWERビジネスサービス）・太田文彦（東京電力ホールディングス）・緑川真己（東京電力パワーグリッド）・中島達人（東京都市大学）平成27年度から実施中の，国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構（NEDO）委託事業「次世代洋上直流送電システム開発事業」において，マルチベンダ多端子直流送電システム(Multi-Terminal Direct Current : MTDC)の技術開発を進めている。本事業では，コストダウン効果を高めることやMTDCが順次拡張される性質のものであることを念頭に，マルチベンダでのインターオペラビリティが得られる方式の確立に向け、マルチベンダMTDCを組み合わせた系統解析モデルにて有効性の検証に挑んでいる。本稿では、後者のオフライン瞬時値解析のマルチベンダMTDCの検討事例を報告する。
6-251	次世代洋上直流送電システム開発その1 －マルチベンダ多端子直流送電の制御検証：MTDCの上位制御と標準化－
6-251	○太田文彦・菅野純弥（東京電力ホールデングス）・緑川真己（東京電力パワーグリッド）・石黒崇裕（東芝エネルギーシステムズ）・吉原徹（日立製作所）・和地恒久（J-POWERビジネスサービス）・中島達人（東京都市大学）電気学会全国大会講演要旨 6-251 次世代洋上直流送電システム開発その1 －マルチベンダ多端子直流送電の制御検証：MTDCの上位制御と標準化－ ○太田文彦・菅野純弥（東京電力ホールデングス）・緑川真己（東京電力パワーグリッド）・石黒崇裕（東芝エネルギーシステムズ）・吉原徹（日立製作所）・和地恒久（J-POWERビジネスサービス）・中島達人（東京都市大学）本事業では，高い信頼度を備え，かつ低コストで実現するためマルチベンダによるMTDCの技術開発をした。本稿ではMTDCの高信頼度化として，上位制御の基本機能を考案した。更に，同システムのマルチベンダ化を踏まえ，MTDCの交直変換所（端子）および上位制御系の制御機能の要求仕様をまとめた標準仕様書を作成したので報告する。
6-252	次世代洋上直流送電システム開発その4 －洋上多端子直流系統における過電圧・異常共振の検討－
6-252	○野田琢・松本洋和・米澤力道・菊間俊明・田中洋平・福島健太郎（電力中央研究所）電気学会全国大会講演要旨 6-252 次世代洋上直流送電システム開発その4 －洋上多端子直流系統における過電圧・異常共振の検討－ ○野田琢・松本洋和・米澤力道・菊間俊明・田中洋平・福島健太郎（電力中央研究所） NEDOの次世代洋上直流送電システム開発事業では，洋上ウインドファームで発電した電力を陸上まで送電するため，500 kV MMC (Modular Multi-level Converter) 方式の交直変換器を用いて洋上に海底ケーブルによる多端子直流送電系統を構築するための研究を行ってきた。本稿では，上記事業において電力中央研究所が担当した，洋上多端子直流系統に生じる過電圧・異常共振の検討の結果について述べている。なお，本稿の解析結果は，全て，電力中央研究所開発の電力系統瞬時値解析プログラムXTAPにより得た。
6-253	次世代洋上直流送電システム開発その5 海底ケーブルルートのコスト最適化設計
6-253	◎田中未来・真山修二（住友電気工業）・小倉湧・馬場旬平（東京大学）電気学会全国大会講演要旨 6-253 次世代洋上直流送電システム開発その5 海底ケーブルルートのコスト最適化設計 ◎田中未来・真山修二（住友電気工業）・小倉湧・馬場旬平（東京大学）海底ケーブルのルート設計は、水深・海底地質・漁業権エリアなどの多くの海洋環境によって大きく変動するケーブルのコストや布施コストと複雑に絡み合い、事業全体の経済性に大きな影響を与える。しかしながら、その作業は設計者の高度なノウハウに頼るもので、設計工期が長くかかってしまうだけでなく、設計されたルートの妥当性が客観的に評価し難いという課題があった。このような状況に対応すべく、我々は任意の2地点間を結ぶコストミニマムな最適海底ルートを、海洋環境に基づき短時間で自動算出する海底送電ルート最適設計手法を開発し、更にソフトウェア化した。
6-254	次世代洋上直流送電システム開発その6－洋上直流送電設備のコスト試算手法とその評価－
6-254	◎緑川真己・南亮太郎（東京電力パワーグリッド）電気学会全国大会講演要旨 6-254 次世代洋上直流送電システム開発その6－洋上直流送電設備のコスト試算手法とその評価－ ◎緑川真己・南亮太郎（東京電力パワーグリッド）本事業では、大規模洋上風力の導入に向けた多端子直流送電システムの計画・設計および経済性評価を行い、既存の交流送電システムと比較して、コスト削減割合20％のモデルケース完成を目標とした。本稿では、洋上風力導入に向けた送電系統の経済性評価手法の一例について報告する。
6-255	次世代洋上直流送電システム開発その7 低コスト化のための直流ケーブル技術の開発
6-255	○真山修二（住友電気工業）・幸山和晃（古河電気工業）電気学会全国大会講演要旨 6-255 次世代洋上直流送電システム開発その7 低コスト化のための直流ケーブル技術の開発 ○真山修二（住友電気工業）・幸山和晃（古河電気工業）大規模洋上ウインドファーム(WF)の拡大過程において、複数ファームを順次接続する多端子直流送電システムが必要である。その実現に向けた低コスト化には、風力に最適化したケーブル設計技術、マルチベンダ異社間ジョイント、ケーブル敷設高速化工法の確立が必要である。本開発にて、この基盤技術を確立し、多端子直流送電システムを構築し得る成果を得たので報告する。
6-256	次世代洋上直流送電システム開発その8①－ハイブリッド直流遮断器の電流遮断試験－
6-256	◎石黒崇裕・中山慶一・飯尾尚隆・金谷和長・橋本優平（東芝エネルギーシステムズ）・児山裕史（東芝インフラシステムズ）電気学会全国大会講演要旨 6-256 次世代洋上直流送電システム開発その8①－ハイブリッド直流遮断器の電流遮断試験－ ◎石黒崇裕・中山慶一・飯尾尚隆・金谷和長・橋本優平（東芝エネルギーシステムズ）・児山裕史（東芝インフラシステムズ）直流送電網では、数ms で事故点除去が可能な直流遮断が必要となる。筆者らはNEDOの委託業務を通じて機械遮断部と半導体遮断部を並列構成した低損失なハイブリッド直流遮断器（DCCB）の開発を進めている。本稿では、40kV検証器による直流電流遮断試験を実施した結果を報告する。
6-257	次世代洋上直流送電システム開発その8②－直流送電向けハイブリッド直流遮断器の半導体遮断部高電圧化検証－
6-257	○瀧本和靖・児山裕史・水谷麻美・松本寿彰（東芝インフラシステムズ）・石黒崇裕（東芝エネルギーシステムズ）電気学会全国大会講演要旨 6-257 次世代洋上直流送電システム開発その8②－直流送電向けハイブリッド直流遮断器の半導体遮断部高電圧化検証－ ○瀧本和靖・児山裕史・水谷麻美・松本寿彰（東芝インフラシステムズ）・石黒崇裕（東芝エネルギーシステムズ）直流送電網では、数ms で事故点除去が可能な直流遮断が必要となる。筆者らはNEDOの委託業務を通じて機械遮断部と半導体遮断部を並列構成した低損失なハイブリッド直流遮断器（DCCB）の開発を進めている。本稿では、半導体遮断部の高電圧化のために、多段接続した半導体遮断部の印加電圧を検証した結果を報告する。

2801-C4 電力システム（系統機器・制御）直流システム（Ⅱ）3月13日午後 2号館 2801教室
講演番号	タイトル
講演番号	著者名（所属名）
6-258	次世代洋上直流送電システム開発その9（洋上変換所用高周波変圧器の基礎検討）
6-258	○森實俊充（大阪工業大学）・木村紀之・中尾一成（福井工業大学）・伊与田功（大阪電気通信大学）・横山智紀（東京電機大学）電気学会全国大会講演要旨 6-258 次世代洋上直流送電システム開発その9（洋上変換所用高周波変圧器の基礎検討） ○森實俊充（大阪工業大学）・木村紀之・中尾一成（福井工業大学）・伊与田功（大阪電気通信大学）・横山智紀（東京電機大学）「次世代洋上風力直流送電システム開発事業」の要素技術開発委託先の一つとして「HVDC変換基礎技術開発（400Hz以上の高周波変圧器）」の研究を進めてきた。本論文では、その研究内容と成果を紹介する。様々な検討結果を踏まえ、パワー密度(容量/変圧器容積)を指標として高周波変圧器（3kHz化）を設計すると、通常巻線構造で商用周波数に比べ約20倍、交互巻線構造でも10倍のパワー密度が見込まれる。これは、体積・重量を1/10以下にできることを意味する。また巻線を二重中空導体とすることで表皮効果や近接効果を軽減し、さらに、水冷却することで許容損失が約4倍となる。これは、同じ損失発生に対して、1／4の体積できることを意味する。以上の結果を報告する。
6-259	次世代洋上直流送電システム開発その10 風力発電の直列集電の基礎検討
6-259	○西方正司（東京電機大学）電気学会全国大会講演要旨 6-259 次世代洋上直流送電システム開発その10 風力発電の直列集電の基礎検討 ○西方正司（東京電機大学） NEDO「次世代洋上直流送電システム開発事業」の一環として、風力発電の直列集電に関する基礎的な検討を行なった。風力発電の集電システムは現在、並列接続方式が主流であるが、今後は洋上プラットフォームの不要な直列接続方式も有望視されていることから、2台の風力タービンシミュレータ／発電機よりなる直列接続風力発電システムの模擬試験装置（出力4kVA）を開発し、これを用いて様々な風況を想定したシステムの動作特性について検討した。本方式は、同期調相機により転流される電流形サイリスタインバータを採用しており、・構成が簡単で信頼性が高く、かつ大容量化が容易である、・交流出力側フィルタが不要などの長所を有する。
6-260	次世代洋上直流送電システム開発－その11 洋上変電施設架台基礎の検討
6-260	○伊藤政人・栗本卓（大林組）電気学会全国大会講演要旨 6-260 次世代洋上直流送電システム開発－その11 洋上変電施設架台基礎の検討 ○伊藤政人・栗本卓（大林組）複数の洋上WFから大需要地に直接接続して電力供給を行う多端子直流送電システムでは、洋上に大規模な変電施設の設置が必要であり、システム全体の低コスト化を実現するためには、施工性・経済性に優れた洋上架台基礎の開発が求められる。特に我が国は急峻な海底地形を有しており、台風や地震などが頻発するという欧州とは異なる過酷な自然条件のもとで、洋上架台基礎には長期にわたる安定性が求められる。本報告では、新型の基礎形式であるサクション基礎について、模型実験およびその再現解析による性能評価を行い、設計・施工法の検討およびそれに基づくコスト試算を行ったのでその結果について報告する。
6-261	次世代洋上直流送電システム開発その12 集電系統での高調波解析検討
6-261	◎久保敏裕・黒田和宏・荻原義也（日新電機）・田中未来・真山修二（住友電気工業）電気学会全国大会講演要旨 6-261 次世代洋上直流送電システム開発その12 集電系統での高調波解析検討 ◎久保敏裕・黒田和宏・荻原義也（日新電機）・田中未来・真山修二（住友電気工業）今後の増加が予想される，洋上風力発電システムからMMC (Modular Multilevel Converter) を用いて直流送電する系統において，風力発電機からの発生高調波が洋上集電系統にて拡大する可能性と，その理論的根拠を示した。また，より正確に高調波拡大を予測する為，瞬時値解析で変換器を運転しながら高調波拡大を評価できる動的f-Z特性解析手法を適用し，従来の静的f-Z特性解析との比較によりその有効性を確認した。さらに高調波拡大対策として，高次分路フィルタにより効果的に高調波を抑制できることを示した。
6-262	過渡安定性制約を考慮した最適潮流計算による風力連系多端子自励式直流送電システム運用
6-262	◎金相源・横山明彦（東京大学）・高口雄介・高野富裕・森一之（三菱電機）・泉井良夫（金沢工業大学）電気学会全国大会講演要旨 6-262 過渡安定性制約を考慮した最適潮流計算による風力連系多端子自励式直流送電システム運用 ◎金相源・横山明彦（東京大学）・高口雄介・高野富裕・森一之（三菱電機）・泉井良夫（金沢工業大学）多端子自励式直流送電システムを導入し, その運用に最適潮流計算を用いる手法を提案する。しかし、このような電力系統では過渡安定性を保つことが難しくなることが予想されるため、本稿では過渡安定性を制約とた最適潮流計算を提案する。また、風力発電の出力変動を考慮し、定格出力と出力ゼロの場合を検討した。
6-263	東アジアとの国際系統連系における直流送電の得失
6-263	◎碇真一・中村洸喜・熊野照久（明治大学）電気学会全国大会講演要旨 6-263 東アジアとの国際系統連系における直流送電の得失 ◎碇真一・中村洸喜・熊野照久（明治大学）近年、地球の温室効果対策として再生可能エネルギーの導入が進んでいる。これを安定運用するための一方策として国際連系が考えられる。現在、欧州はじめ多くの地域で国際連系は既に導入されており、我が国ではまだ導入には至っていない。しかし、アジア国際送電網を検討する会議が開かれており、我が国でも国際連系を行うことが話題とされるようになってきたと思われる。このことを踏まえ、我が国の西地域超高圧系統を東アジア系統に連系して国際送電網を構成することを検討した。これを直流で構成する場合の、送電特性を調べ、交流で構成する場合と比較した。結果としては、直流送電の場合で送電損失を減少できる可能性のあることが判った。

2604-B2 電力システム（系統保護・制御装置）系統保護・安定化・直流3月12日午前 2号館 2604教室
講演番号	タイトル
講演番号	著者名（所属名）
6-264	多端子系統用PCM電流差動リレーの開発
6-264	◎吉岡勇樹・笹谷幸彦・高木潤哉（日新電機）電気学会全国大会講演要旨 6-264 多端子系統用PCM電流差動リレーの開発 ◎吉岡勇樹・笹谷幸彦・高木潤哉（日新電機）電力系統の送電線保護においては，保護区間内の事故を正しく判別することが重要であり，保護区間を含む各端子で電流を測定し，互いに通信連絡して判別する電流差動リレー方式が一般的である。当社では，1970年代から一般需要家向けに表示線を使用したパイロットワイヤーリレーを納入してきた。パイロットワイヤーリレーは2端子系統や多端子系統(3端子以上の系統)で適用されてきたが，多端子系統で使用している場合，後継機が無く更新が進まない状況であった。そこで，今回，最大5端子系統まで使用できるPCM電流差動リレーを開発した。本論文では，従来から簡素化できた開発品の装置構成・システム構成を，従来品と比較して紹介する。
6-265	IP 系通信を用いた送電線保護リレー間のタイミング同期手法の評価
6-265	○伊藤将志（東芝）・河原田明（東芝エネルギーシステムズ）電気学会全国大会講演要旨 6-265 IP 系通信を用いた送電線保護リレー間のタイミング同期手法の評価 ○伊藤将志（東芝）・河原田明（東芝エネルギーシステムズ） IP系通信では専用線を用いたシステムと比べて設備構築を効率化できるため、IP系通信を用いた送電線保護リレーの適用が始まっている。電流差動方式の送電線保護リレーでは、端子間で電流値のサンプリングタイミングを通知し、差分を補正する必要があるが、IP系通信では互の通信遅延に差が生じる場合があり、正確に差分を計算できない。従来は、差分の誤差が大きいと推測すれば、補正を中止して自走することで、同期の高精度化を行ってきた。本研究は自走期間の差分の増加を最小化することを課題とした。タイミング周期の比率を推定し、補正誤差が大きいと判断した際は、その比率により補正する。これを実装し、効果を検証したので報告する。
6-266	IEC 61850ステーションバスにおける異メーカ装置構成での監視制御機能検証
6-266	◎林泰広・小林嵩史・天雨徹（中部電力）・鈴木啓祥・小島一浩（シーテック）・松井啓・杉山将悟・小礒健志（東光高岳）・竹ノ内孝一・丸山将司・黒瀬雄太（東芝エネルギーシステムズ）・長田恵一・戸井雅則（富士電機）電気学会全国大会講演要旨 6-266 IEC 61850ステーションバスにおける異メーカ装置構成での監視制御機能検証 ◎林泰広・小林嵩史・天雨徹（中部電力）・鈴木啓祥・小島一浩（シーテック）・松井啓・杉山将悟・小礒健志（東光高岳）・竹ノ内孝一・丸山将司・黒瀬雄太（東芝エネルギーシステムズ）・長田恵一・戸井雅則（富士電機） IEC 61850を適用した変電所監視制御システムの実現に向けて，海外メーカ製標準IEDを使用した異メーカ接続試験を実施した。制御・表示・計測などの主要機能について，異メーカ装置間通信でも機能実現可能であることを確認し，海外製標準装置の採用が可能である見通しを得た。一方で，メーカ・製品によって実装している論理ノードが異なることに起因する課題が判明した。ただし，この課題は，GW／SCADAにIED機種に応じたデータ処理機能を具備することで解決可能である。
6-267	大容量電源系統の異電圧ループ送電に伴う系統安定化リレーシステムの開発
6-267	安田忠彰（東京電設サービス）・中嶋友和・山口晃歓（東京電力パワーグリッド）・黒瀬雄太・◎渡辺真也・井上泰典（東芝エネルギーシステムズ）電気学会全国大会講演要旨 6-267 大容量電源系統の異電圧ループ送電に伴う系統安定化リレーシステムの開発安田忠彰（東京電設サービス）・中嶋友和・山口晃歓（東京電力パワーグリッド）・黒瀬雄太・◎渡辺真也・井上泰典（東芝エネルギーシステムズ）対象系統は大規模電源が複数連系される電源系統であると共に，近隣都市への電力供給を担う重要系統である。500kV系統との連系変電所では，軽負荷時に500kV系統向け発電潮流が連系変圧器の定格容量を超過し，今後，さらに電源が増設されると重潮流化が進み，電源抑制など潮流抑制のための厳しい系統運用が予想される。その対策として，275kV・154kV異電圧ループ送電による送電容量増加を図る予定であるが，系統事故時には脱調，過負荷，周波数や電圧の異常など厳しい系統不安定現象が生じるため，本系統安定化リレーシステムを開発した。
6-268	イタリア-モンテネグロ間HVDC制御・保護システムの開発
6-268	○輿石欣吾・金田啓一・奥田実（東芝エネルギーシステムズ）・塩飽貴裕・桐谷貴司（東芝システムテクノロジー）電気学会全国大会講演要旨 6-268 イタリア-モンテネグロ間HVDC制御・保護システムの開発 ○輿石欣吾・金田啓一・奥田実（東芝エネルギーシステムズ）・塩飽貴裕・桐谷貴司（東芝システムテクノロジー）東芝エネルギーシステムズ（株）は、イタリアのテルナ社から受注したイタリア－モンテネグロ間を連系する高圧直流送電（HVDC）プロジェクトにおいて、両変換所の変電設備、土木工事および据付工事一式を担当し、必要な試験を終了させ、2019年12月から約6ヶ月間の試運転を開始した。本システムは、ユーザーの送電計画に対応すると共に、様々な系統現象に対して安定して送電するための自動制御機能を多数実装している。本稿では、イタリア－モンテネグロ間HVDCシステムプロジェクトで開発した制御・保護システムについて紹介する。
6-269	北海道・本州間電力連系設備第2極制御保護装置更新シミュレータ組合せ試験
6-269	○二田丈之・下形竜也・髙橋宏治（電源開発）・堀井晴之・武田昌也（J-POWERビジネスサービス）電気学会全国大会講演要旨 6-269 北海道・本州間電力連系設備第2極制御保護装置更新シミュレータ組合せ試験 ○二田丈之・下形竜也・髙橋宏治（電源開発）・堀井晴之・武田昌也（J-POWERビジネスサービス）北海道・本州間電力連系設備（以下，「北本」）は，北海道と本州の電力系統を結ぶ直流送電設備で，線路亘長約167km，双極構成600MWの送電容量を有する。北本の第2極制御保護装置については1993年の運転開始から26年以上経過し，保守部品がすでに製造中止となっていることから，設備信頼度確保のために更新を進めている。第2極制御保護装置更新工事において，実装置のシミュレータ組合せ試験を実施したので報告する。

2604-B1 電力システム（系統保護・制御装置）理論・検証3月12日午前 2号館 2604教室
講演番号	タイトル
講演番号	著者名（所属名）
6-270	運転中の風力発電設備の動作音の取得と発電機器の状態把握への応用
6-270	◎出口淳一（静岡大学）電気学会全国大会講演要旨 6-270 運転中の風力発電設備の動作音の取得と発電機器の状態把握への応用 ◎出口淳一（静岡大学）風力発電設備は無人での運用が前提となっている。そのため、遠隔地から機器の状態を把握して素早く故障や異常に対応することが必要である。発電設備での早期異常検知を目的に、運転中の設備の動作音を取得して、正常な状態で発生する動作音に重畳して異常時に発生する異常音から装置の状態を把握するための研究を行っている。運転中の風車の発電設備の動作音の取得装置を開発し、実際に運転中の風力発電設備のナセル内の動作音を4か月以上連続で取得して解析した。取得した動作音から運転状況により動作音が変化すること、発電機の回転数によりスペクトル強度の強い周波数が変化することを確認した。風力発電設備の異常の自動検出を動作音から行わせるための基礎データを収集できた。
6-271	対称性原理に基づく交流有効電力の計測
6-271	○関建平（三菱電機）電気学会全国大会講演要旨 6-271 対称性原理に基づく交流有効電力の計測 ○関建平（三菱電機）これまで、交流信号の対称性を踏まえ、対称性原理の電気量計測への応用について検討を進めてきた。交流有効電力の計測において、まず電力系統周波数変動に関連するゲージ位相角αを計算してから、ゲージ電力群の不変量計算により有効電力の解析解を求める。しかしながら、電力系統の周波数が頻繁に変動し、かつ高調波成分またはノイズ成分の影響も常に存在しているため、高速かつ高精度にゲージ位相角αを算出することは困難である。そこで、対称性原理を応用し、ゲージ位相角αを求めず、かつ周波数変動の影響を抑制すると同時に直接時系列瞬時値データより有効電力を計測する手法を開発した。本稿では、開発した手法及び他の計測手法との比較を行った結果を報告する。
6-272	地中配電系統におけるTDR測定のための多回路開閉器によるケーブル接続のモデル化
6-272	◎山中優・東山昇一・稲岡優子（関西電力）・久門尚史・和田修己（京都大学）・松嶋徹（九州工業大学）電気学会全国大会講演要旨 6-272 地中配電系統におけるTDR測定のための多回路開閉器によるケーブル接続のモデル化 ◎山中優・東山昇一・稲岡優子（関西電力）・久門尚史・和田修己（京都大学）・松嶋徹（九州工業大学）地中配電系統での配電線事故時の作業効率化および復旧時間の短縮を目的にTDR測定法の適用を検討する。今回は基礎検討として高圧地中系統に複数存在する地上設置型多回路開閉器（以下、多回路開閉器という。）について、パルス波を用いたTDR測定の実験結果よりモデル化を行った。測定結果より多回路開閉器による反射波は接地線のインダクタンスによる影響が大きいことがわかった。シミュレーションにて多回路開閉器をインダクタンスで簡易的に模擬すると、パルス幅に関係なく実測波形とよく一致する結果を得ることができた。このことからTDR測定における多回路開閉器は接地線のインダクタンスで簡易的にモデル化できることがわかった。
6-273	ケーブルによる配電系統における地絡保護手法の一検討
6-273	◎林田弘太郎・青木睦（名古屋工業大学）・天雨徹（中部電力）電気学会全国大会講演要旨 6-273 ケーブルによる配電系統における地絡保護手法の一検討 ◎林田弘太郎・青木睦（名古屋工業大学）・天雨徹（中部電力）近年、安全や景観などの観点から無電柱化が推進されている。無電柱化により対地静電容量が増加することで、地絡事故検出が困難になるという問題が生じる。現状では、この問題に対してリアクトルを用いた方式が提案されているが、高調波共振現象の恐れなどの課題がある。そこで、本稿ではリアクトルを用いない地絡保護手法について検討を行った。IEDを用いて各回線の零相電流を同時に測定し比較する手法で、残留電流と零相変流器の測定誤差を考慮したうえで地絡事故の検出・事故回線の選択がそれぞれ可能であることを示した。以上より、リアクトルを用いない提案手法によって地絡保護ができる可能性を示した。
6-274	変圧器の励磁突入電流検出と保護に関する検討
6-274	○金子英治（東芝三菱電機産業システム）電気学会全国大会講演要旨 6-274 変圧器の励磁突入電流検出と保護に関する検討 ○金子英治（東芝三菱電機産業システム）三相変圧期の励磁突入電流について様々な条件で計算解析を行ったところ、ごく限られた条件のもと、励磁突入電流の零相分に第2調波の含有率が少ない場合があることが判った。これは地絡故障であるという誤判定につながる可能性があり、注意深い配慮が必要であることを示した。
6-275	島嶼におけるインバータ設備が主電源となる場合の系統保護の検討
6-275	○吉山和宏・菅野伯浩・森健二郎（東京電力ホールディングス）・植田喜延（明電舎）電気学会全国大会講演要旨 6-275 島嶼におけるインバータ設備が主電源となる場合の系統保護の検討 ○吉山和宏・菅野伯浩・森健二郎（東京電力ホールディングス）・植田喜延（明電舎）現在，島嶼などオフグリッドでの電力供給はディーゼル発電機で行っているが，燃料費や燃料運搬費でコストを要している。太陽光発電や蓄電システムを島嶼に適用することで燃料関連のコストを低減でき，CO2排出量抑制も期待できる。インバータ電源を主電源とすることで，短絡事故時の短絡電流の減少による系統保護への影響が懸念されるが，具体的に検討した事例は公知化されてこなかった。これよりPSCADを用いて系統保護への影響評価を行った。この評価結果を基に，オフグリッドにてインバータ電源の割合が増加した際の系統保護の対策について，発電所側の保護方式と自家用受電設備側の保護協調の検討を行った。

▲

一般講演

論文一覧

電気学会全国大会 講演要旨

電気学会全国大会 講演要旨

電気学会全国大会 講演要旨

電気学会全国大会 講演要旨

電気学会全国大会 講演要旨

電気学会全国大会 講演要旨

電気学会全国大会 講演要旨

電気学会全国大会 講演要旨

電気学会全国大会 講演要旨

電気学会全国大会 講演要旨

電気学会全国大会 講演要旨

電気学会全国大会 講演要旨

電気学会全国大会 講演要旨

電気学会全国大会 講演要旨

電気学会全国大会 講演要旨

電気学会全国大会 講演要旨

電気学会全国大会 講演要旨

電気学会全国大会 講演要旨

電気学会全国大会 講演要旨

電気学会全国大会 講演要旨

電気学会全国大会 講演要旨

電気学会全国大会 講演要旨

電気学会全国大会 講演要旨

電気学会全国大会 講演要旨

電気学会全国大会 講演要旨

電気学会全国大会 講演要旨

電気学会全国大会 講演要旨

電気学会全国大会 講演要旨

電気学会全国大会 講演要旨

電気学会全国大会 講演要旨

電気学会全国大会 講演要旨

電気学会全国大会 講演要旨

電気学会全国大会 講演要旨

電気学会全国大会 講演要旨

電気学会全国大会 講演要旨

電気学会全国大会 講演要旨

電気学会全国大会 講演要旨

電気学会全国大会 講演要旨

電気学会全国大会 講演要旨

電気学会全国大会 講演要旨

電気学会全国大会 講演要旨

電気学会全国大会 講演要旨

電気学会全国大会 講演要旨

電気学会全国大会 講演要旨

電気学会全国大会 講演要旨

電気学会全国大会 講演要旨

電気学会全国大会 講演要旨

電気学会全国大会 講演要旨

電気学会全国大会 講演要旨

電気学会全国大会 講演要旨

電気学会全国大会 講演要旨

電気学会全国大会 講演要旨

電気学会全国大会 講演要旨

電気学会全国大会 講演要旨

電気学会全国大会 講演要旨

電気学会全国大会 講演要旨

電気学会全国大会 講演要旨

電気学会全国大会 講演要旨

電気学会全国大会 講演要旨

電気学会全国大会 講演要旨

電気学会全国大会 講演要旨

電気学会全国大会 講演要旨

電気学会全国大会 講演要旨

電気学会全国大会 講演要旨

電気学会全国大会 講演要旨

電気学会全国大会 講演要旨

電気学会全国大会 講演要旨

電気学会全国大会 講演要旨

電気学会全国大会 講演要旨

電気学会全国大会 講演要旨

電気学会全国大会 講演要旨

電気学会全国大会 講演要旨

電気学会全国大会 講演要旨

電気学会全国大会 講演要旨

電気学会全国大会 講演要旨

電気学会全国大会 講演要旨

電気学会全国大会 講演要旨

電気学会全国大会 講演要旨

電気学会全国大会講演要旨

電気学会全国大会講演要旨

電気学会全国大会講演要旨

電気学会全国大会講演要旨

電気学会全国大会講演要旨

電気学会全国大会講演要旨

電気学会全国大会講演要旨

電気学会全国大会講演要旨

電気学会全国大会講演要旨

電気学会全国大会講演要旨

電気学会全国大会講演要旨

電気学会全国大会講演要旨

電気学会全国大会講演要旨

電気学会全国大会講演要旨

電気学会全国大会講演要旨

電気学会全国大会講演要旨

電気学会全国大会講演要旨

電気学会全国大会講演要旨

電気学会全国大会講演要旨

電気学会全国大会講演要旨

電気学会全国大会講演要旨

電気学会全国大会講演要旨

電気学会全国大会講演要旨

電気学会全国大会講演要旨

電気学会全国大会講演要旨

電気学会全国大会講演要旨

電気学会全国大会講演要旨

電気学会全国大会講演要旨

電気学会全国大会講演要旨

電気学会全国大会講演要旨

電気学会全国大会講演要旨

電気学会全国大会講演要旨

電気学会全国大会講演要旨

電気学会全国大会講演要旨

電気学会全国大会講演要旨

電気学会全国大会講演要旨

電気学会全国大会講演要旨

電気学会全国大会講演要旨

電気学会全国大会講演要旨

電気学会全国大会講演要旨

電気学会全国大会講演要旨

電気学会全国大会講演要旨

電気学会全国大会講演要旨

電気学会全国大会講演要旨

電気学会全国大会講演要旨

電気学会全国大会講演要旨

電気学会全国大会講演要旨

電気学会全国大会講演要旨

電気学会全国大会講演要旨

電気学会全国大会講演要旨

電気学会全国大会講演要旨

電気学会全国大会講演要旨

電気学会全国大会講演要旨

電気学会全国大会講演要旨

電気学会全国大会講演要旨

電気学会全国大会講演要旨

電気学会全国大会講演要旨

電気学会全国大会講演要旨

電気学会全国大会講演要旨

電気学会全国大会講演要旨

電気学会全国大会講演要旨

電気学会全国大会講演要旨

電気学会全国大会講演要旨

電気学会全国大会講演要旨

電気学会全国大会講演要旨

電気学会全国大会講演要旨

電気学会全国大会講演要旨

電気学会全国大会講演要旨

電気学会全国大会講演要旨

電気学会全国大会講演要旨

電気学会全国大会講演要旨

電気学会全国大会講演要旨

電気学会全国大会講演要旨

電気学会全国大会講演要旨

電気学会全国大会講演要旨

電気学会全国大会講演要旨

電気学会全国大会講演要旨

電気学会全国大会講演要旨

電気学会全国大会講演要旨

電気学会全国大会講演要旨