一般講演

論文一覧

342-B1 医用エレクトロニクス3月16日午前 342
講演番号	タイトル
講演番号	著者名（所属名）
3-001	放電による染色液の脱色に微量の塩酸が与える影響
3-001	○小松真（岩手医科大学）電気学会全国大会講演要旨 3-001 放電による染色液の脱色に微量の塩酸が与える影響 ○小松真（岩手医科大学）水中放電による染色液の脱色が微量の塩酸混入で性能向上することについて，混入量の下限について実験調査した。0.45mm径でギャップ10mmの対向電極を用い10mg/Lインジゴカルミン溶液7mLに4.0kVのパルス放電を作用させ，吸光分光で放電後の染色液濃度を計測し塩酸含有率との関係を調査した。塩酸の含有率は0.08-0.008%VVの範囲で変化させた。その結果塩酸を含まない場合は放電では脱色しないことと，含有率0.021%VV以上で脱色できたが0.008%VVでは効果が薄いことが確認された。またこれらの違いは放電電流波形に反映された。脱色が比較的長時間持続することからその原理は電気分解による次亜塩素酸生成に近く，塩酸は0.021%VV含有していれば染色液7mLの脱色は可能と考えられた。
3-002	脈波伝播速度によるカフレス血圧推定法の提案－姿勢変換による測定精度の検証－
3-002	◎竹井和佐・松村雅史（大阪電気通信大学）・松井信正（長崎総合科学大学）・水野裕志（大阪電気通信大学）電気学会全国大会講演要旨 3-002 脈波伝播速度によるカフレス血圧推定法の提案－姿勢変換による測定精度の検証－ ◎竹井和佐・松村雅史（大阪電気通信大学）・松井信正（長崎総合科学大学）・水野裕志（大阪電気通信大学）機械学習を用いて姿勢を仰臥位と座位と変換した場合の頸動脈（carotid）―後脛骨動脈（posterior tibial）間cpPWVから高精度で最高血圧Systolic Blood Pressure（SBP），最低血圧Diastolic Blood Pressure（DBP）の推定ができる予測子の条件を検証し，精度評価する。機械学習を用いて教師あり機械学習を実行するために，予測子データを年齢，身長，体重，脈拍，血管長及びcpPWVとし，既存の応答をSBP，DBPとする機械学習を使用する。成人男性n = 7名（平均年齢±SD = 21.7±0.7，平均BMI±SD = 21.7±3.6）を対象に，PPGセンサで10秒間記録した脈波から得たデータとし，対象者の姿勢は安静仰臥位，安静座位とする。結果，7mmHg以下であることが確認でき，カフレス血圧計の国際標準規格に準拠することがわかった。
3-003	温冷感・快不快感申告および体温データによる‘冷え’予防方法の検討
3-003	◎大仲優希史・松本温斗・松村雅史（大阪電気通信大学）・松井信正（長崎総合科学大学）・水野裕志（大阪電気通信大学）電気学会全国大会講演要旨 3-003 温冷感・快不快感申告および体温データによる‘冷え’予防方法の検討 ◎大仲優希史・松本温斗・松村雅史（大阪電気通信大学）・松井信正（長崎総合科学大学）・水野裕志（大阪電気通信大学）近年，生活習慣病による動脈硬化性の血行障害を引き起こす患者は近年増加傾向である。先行研究によると「中枢温と抹消温との温度格差がみられ暖かい環境下でも抹消体温の回復が遅い実態であり多くの場合冷えの自覚を有している状態と定めている従来の研究では，深部温と足表面温度から冷えを考察する研究は多い。しかし冷えを予防する研究は見当たらない。本研究では，深部温と抹消温の温度較差から冷えを予防することをも目的とする。本研究では，冷えの予防として室温調整を行うことで冷えの予防方法を検証した。検証結果室温を調整することにより，室温26℃に調整したと比較した際室温調整することで冷えを改善できることが確認できた。
3-004	脳波及び血行動態指標を用いたマットレスの寝心地評価
3-004	◎古永家佳大・大坪千宏・松井恵莉香・大岩孝輔・野澤昭雄（青山学院大学）電気学会全国大会講演要旨 3-004 脳波及び血行動態指標を用いたマットレスの寝心地評価 ◎古永家佳大・大坪千宏・松井恵莉香・大岩孝輔・野澤昭雄（青山学院大学）近年，適切な睡眠を得ることを目的とした心理計測に基づく寝具の寝心地評価が行われている。しかし心理計測に基づく手法では，睡眠前後での評価は可能であるが睡眠中の評価が困難という課題があった。これに対し生理指標に基づく評価は，他の指標に比べ，生理メカニズムに基づく客観性を有している。例えば，脳波のα波やδ波などのパワーの割合から睡眠レベルを判断できることが示されている。さらに，血行動態指標は覚醒度の度合いにより変動することが明らかになっている。本研究では，寝心地の異なるマットレス上で眠気誘発をさせた際の脳波及び血行動態指標を測定，比較することで寝心地を定量的に評価した。
3-005	腹部埋込型医療機器を対象としたインプランタブル人体通信の特性解析
3-005	◎小玉美悠・村松大陸（電気通信大学）電気学会全国大会講演要旨 3-005 腹部埋込型医療機器を対象としたインプランタブル人体通信の特性解析 ◎小玉美悠・村松大陸（電気通信大学）我が国で多数の患者が苦しむ慢性疼痛の治療法に，脊髄に電気刺激を与えて痛みを緩和する脊髄刺激療法がある。この方法は腹部などへ刺激装置の埋め込みが必要で，体内外間での通信が求められる。こうした体内埋込型医療機器向け通信では，400MHz以上の周波数帯の利用例が多いが，生体組織での信号減衰や他の医療機器への電磁干渉が問題となる。これに対し，人体通信は主に短波帯付近の比較的低周波を利用するため，体内での信号減衰や体外放射を抑制できると予想される。本研究では腹部埋込型医療機器を対象としたインプランタブル人体通信について，生体内における信号伝搬メカニズムを明らかにするとともに，入力インピーダンス等の基本通信特性を解析評価した。
3-006	筋線維伝導速度と軟部組織の導電率が皮膚表面の運動単位活動電位波形に及ぼす影響
3-006	○赤澤淳（明治国際医療大学）電気学会全国大会講演要旨 3-006 筋線維伝導速度と軟部組織の導電率が皮膚表面の運動単位活動電位波形に及ぼす影響 ○赤澤淳（明治国際医療大学）筋疲労は運動によって筋肉が発生させることのできる最大の力が低下することである。筋疲労により皮膚表面で計測される運動単位（1つのα運動ニューロンとそれに支配される筋線維群）の活動電位波形（SMUAP）の形状が変化する。しかし，筋疲労によりSMUAPの形状を変化させる要因の1つである軟部組織の導電率との関連性についての報告は散見する限り見られなかった。そこで，1つの運動単位に属する筋線維，軟部組織，表面電極で構成されるSMUAPを計算するシミュレーションモデルの試作を行い，筋線維伝導速度と軟部組織の導電率とがSMUAPの形状に与える影響について検討を行ったので報告する。

342-B2 電子機器および電気通信3月16日午前 342
講演番号	タイトル
講演番号	著者名（所属名）
3-007	マルチタッチに対応した学習型圧電タッチパネルの試作
3-007	◎菊池孝志・石田隆張（明星大学）電気学会全国大会講演要旨 3-007 マルチタッチに対応した学習型圧電タッチパネルの試作 ◎菊池孝志・石田隆張（明星大学）電気機器に用いられるタッチパネルの新しい手法として，圧電方式が着目されている。圧電方式は力の検出感知が高く，利用者の力の大きさを敏感に感知することが可能である。また複数個所を同時検出可能なマルチタッチも可能であり，タッチパネルとして性能に向いていることが明らかとなっている。しかし圧電方式は不要な接触ノイズ，複数ヵ所同時に押した際に起こる不安定性，ユーザー毎に押す強さや，指の接触範囲にバラつきがあるなどの課題がある。そこで本報告では，操作時における安定性を求めるために，ユーザー毎のタッチ強度を考慮したマルチタッチ対応の学習型圧電タッチパネルの開発経過について報告する。
3-008	Miniaturized Multi-functional Sensing System with Implantable CMOS Imager and Fast-scan Cyclic Voltammetry
3-008	◎Ronnakorn Siwadamrongpong・Nicha Sato・春田牧人・竹原浩成（奈良先端科学技術大学院大学）・田代洋行（九州大学）・笹川清隆・太田淳（奈良先端科学技術大学院大学）電気学会全国大会講演要旨 3-008 Miniaturized Multi-functional Sensing System with Implantable CMOS Imager and Fast-scan Cyclic Voltammetry ◎Ronnakorn Siwadamrongpong・Nicha Sato・春田牧人・竹原浩成（奈良先端科学技術大学院大学）・田代洋行（九州大学）・笹川清隆・太田淳（奈良先端科学技術大学院大学） A microcontroller-based readout system for dual-functional sensing with fluorescence imaging and FSCV was developed in this work. Fluorescence imaging and electrochemical methods, such as Ca2+ imaging and fast-scan cyclic voltammetry (FSCV), are powerful techniques for studying neural activity in animals. By combining these techniques, neural activities induced by a specific neurotransmitter can be monitored in exchange for a complicated setup. These functions are implemented together in the proposed device, and the disturbance between each measurement is avoided by operating sequentially.
3-009	汎用モノリシックIC構造によるペルチェ素子の実現
3-009	◎佐藤龍太郎・蛭田智紀・佐野勇司（東洋大学）電気学会全国大会講演要旨 3-009 汎用モノリシックIC構造によるペルチェ素子の実現 ◎佐藤龍太郎・蛭田智紀・佐野勇司（東洋大学）汎用ペルチェ素子は半導体と溶接した金属を介して熱を移動させるハイブリットIC構造となっており，両者の熱膨張率の差に起因して短寿命となる課題があった。そこで著者らは長寿命化を目指し，ペルチェ素子を完全にモノリシック化する構造を考案し，汎用CMOSプロセスを用いてペルチェICを試作した。本発表においては，試作したモノリシックペルチェICの構造，および実験によって熱電効果が確認できたことを報告する。
3-010	ドローンの見失い防止デバイスの研究開発
3-010	◎高谷健太・北川誠治・太田寛志（岡山理科大学）・飯田涼太・海老根雅人（千葉科学大学）・クルモフバレリー（岡山理科大学）電気学会全国大会講演要旨 3-010 ドローンの見失い防止デバイスの研究開発 ◎高谷健太・北川誠治・太田寛志（岡山理科大学）・飯田涼太・海老根雅人（千葉科学大学）・クルモフバレリー（岡山理科大学）ドローンの操縦においては操縦者や監視者が常に機体の位置を把握していることが前提となっている。しかし，飛行環境にある樹木などに機体が重なると視認性が悪化し，見失う恐れがある。また，視野外の機体や機体を見失った場合に機体を見つける支援方法についてはほとんど検討されていない。本研究は機体の見失い防止の支援を目的とし，ウェアラブルディスプレイによって，ドローンの機体位置を使用者に知らせ，機体が視界外にあるときは見るべき方向を指示する見失い防止デバイスを研究開発する。本デバイスによって，視認性が悪い条件だけでなく，山岳地帯や海上などの操縦が難しい条件でも操縦者や監視者を支援し，事故の防止につながる。
3-011	RTK-GNSSにおけるデータ量削減の測位精度への影響
3-011	眞田翔達・野田和彦・○桑野茂（大同大学）電気学会全国大会講演要旨 3-011 RTK-GNSSにおけるデータ量削減の測位精度への影響眞田翔達・野田和彦・○桑野茂（大同大学）基準局で得られた補正データをネットワークを介して移動局に転送し，移動局の測位精度を向上させるRTK-GNSSにおいて，補正データを常時転送するためにはデータ転送速度を抑えることが低コスト運用において重要となる。本検討では，データ転送周期を変化させることでデータ転送速度を200b/s～36kb/sの間で変化させて，その際の測位精度を測定している。その結果，多数の衛星が見通せる条件下で，10秒程度の転送周期で1cm程度の精度が実現可能であることが分かった。
3-012	Investigation of Data Transmission for Wireless Power Transfer System in Seawater
3-012	◎アダビラマダーン・柴田直人・上原圭吾・伊東伸之助・稲森真美子（東海大学）電気学会全国大会講演要旨 3-012 Investigation of Data Transmission for Wireless Power Transfer System in Seawater ◎アダビラマダーン・柴田直人・上原圭吾・伊東伸之助・稲森真美子（東海大学） Wireless power transfer systems have been attracting attention in recent years. This paper investigates the possibility of data transmission in wireless power transfer in seawater by solenoid coil antenna. Vector Network Analyzer (VNA) is used to obtain the transfer function between the antennas. The computer simulation is performed with MATLAB using Orthogonal Frequency Division Multiplexing (OFDM), Quadrature Phase Shift Keying (QPSK), and 8 Phase Shift Keying (8PSK) modulation. The reliability of data transmission is evaluated by Bit Error Rate (BER) performance.