• セッションNo.38 自動車制御における産学連携と人材育成(OS)
  • 5月24日 パシフィコ横浜 G404 14:55-17:35
  • 座長:青野 俊宏(日立製作所)
OS企画趣旨
自動車制御とモデル部門委員会は,自動車制御やモビリティサービスの次世代進化に向けたAI(人工知能),制御技術,数学を用いた産学連携活動,および人材育成活動を行っている.この度,次世代の自動車エンジニアの創出を目指した人材育成活動としてAIフォーミュラ,ベンチマーク問題「知能化モビリティを用いたモビリティサービス最適化問題」を学生や若手研究者に向けて提供する.このセッションでは,これらの活動について紹介するとともに,これらに応用可能な最新技術の紹介を行う.
企画委員会
自動車制御とモデル研究部門委員会
オーガナイザー
安井裕司(本田技術研究所),向井正和(工学院大学),平野 豊(平野リサーチラボ),青野俊宏(日立アステモ),溝口佳寛(九州大学)
No. タイトル・著者(所属)
166

4輪インホイールモータ車両の運動とエネルギーの最適制御ベンチマーク問題の紹介

平野 豊(平野リサーチラボ)・高 鋭(モデロン)・加古 純一(トヨタ自動車)・徐 福国(千葉大学)・申 鉄龍(上智大学)

自動車制御とモデル研究部門委員会では,産学連携を促進するため,自動車制御に最新の機械学習・制御理論を応用するベンチマーク問題を設定する.その一つとして,4輪インホイールモータ車両の運動とエネルギーの最適制御問題を設定する.制御対象は,4輪インホイールモータとステイバイワイヤを備えた自律走行車両であり,悪路上での発進加速・減速停止問題と悪路上でのダブルレーンチェンジ問題のタスクが設定される.車両モデルはModelicaで記述された3次元マルチボデー機構のフルビークルモデルであり,制駆動力のサスペンション反力によるボデー運動の制御が可能である.挑戦者は,二つのタスクにおいて,ボデー振動を所定の値以下に抑えつつ,4輪インホイールモータの消費電力を最小化する最適制御問題を解くことが求められる.本ベンチマーク問題は,2023年12月開催のIEEE CDC2023にてAutonomous Driving Control Benchmark Challengeとして既に展開されており,今回,国内に向けても募集を開始するものである.挑戦者には,ModelicaモデルとそのFMUを用いたSimulinkモデル,および,Modelicaツール(Modelon Impact)の無償ライセンスが提供される.

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AIフォーミュラ

岡田 眞也・秋元 優輝・加藤 敦・安井 裕司(本田技術研究所)

”AIフォーミュラ”は,モビリティがコースを自律走行で周回・レースする技術チャレンジである.リアルワールドで自律走行レースすることで“スピードと知能”を競いながら,次世代モビリティに必要な技術を習得できる取組みとしている.2025年よりSICE・JSAEから参加者を募集し,競技会を実施する予定.

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スマート衛星都市モビリティサービス最適化問題
-SICE-JSAE-πMAPベンチマーク問題-

安井 裕司(本田技術研究所)・向井 正和(工学院大学)・平野 豊(平野リサーチラボ)・青野 俊宏(日立アステモ)・溝口 佳寛(九州大学)・曹 文静(上智大学)・川合 信吉・伊藤 太清(Solize)・小林 千紗(本田技術研究所)

SICE-JSAE自動車制御とモデル研究部門委員会は,ポスト数学アドバンスドイノベーションプラットフォームは,べンチマーク問題活動として研究課題の研究サポートを行うことにより学生や若手エンジニアの人材育成を行っている.本講演では新ベンチマーク問題「スマート衛星都市モビリティサービス最適化問題」について解説する.

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シミュレーターを活用した「知能化モビリティを用いたモビリティサービス最適化問題」の取り組み事例

川合 信吉・伊藤 太清・南 伸二・平嶺 伸樹(Solize)・安井 裕司(本田技術研究所)

JSAE-SICEベンチマーク問題として発表されている「知能化モビリティを用いたモビリティサービス最適化問題」の取り組み事例として,「スマート衛星都市シミュレーター」を活用し,衛星都市における知能化モビリティの運行経路を,収入,運用コスト,顧客満足度に従って最適化を試みた事例を報告する.

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動的計画法によるスマートモビリティサービスの収益最大化

小林 丈仁・曹 文静(上智大学)

自動運転技術と車の電動化の進展に伴い,多様なモビリティサービスが開発されている.この状況で,サービス提供者は顧客のニーズに応えつつ,持続可能な運営を確保する必要がある.そのため,スマート衛星都市シミュレータを用いて料金プランと利用率,収益の関係を分析し,最適な料金設定と広告戦略を策定することが重要である.

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【基調講演】要求仕様と責任範囲の明確化のための論理学的技術
-ソフトウェア科学からのアプローチ-

蓮尾 一郎・James Haydon・佐藤 創太・Clovis Eberhart(国立情報学研究所)・和賀 正樹(京都大学/国立情報学研究所)・張 振亜(九州大学/国立情報学研究所)・Jeremy Dubut(産業技術総合研究所)・上田 直樹・横山 陽介(三菱電機)・上條 賢治・進矢 義之・末冨 隆雅(マツダ)・柳澤 名由太(トヨタ自動車)

2つの技術群を概観する.1つは時相論理に基づくツール群であり,設計・製造・品質管理・保守の全過程において重要な,要求仕様の明示化と活用に貢献する.もう1つは自動運転の安全性の論理的保証であり,各交通主体がどのような責任を負うかを明示化することで,安全で説明可能な自動運転エコシステムの樹立に貢献する.

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