• セッションNo.74 道路交通騒音の評価・対策技術(OS)
  • 5月23日 パシフィコ横浜 G403 9:30-11:35
  • 座長:辻村 壮平(日本大学)
OS企画趣旨
道路交通の音源としての自動車騒音の予測・評価の技術,環境影響要素の計測・分析,道路周辺住民の意識や反応の収集・分析まで,多岐に渡る問題を対象とし,道路交通騒音の低減に向けた取り組みについて包括的に議論する.
企画委員会
車外騒音部門委員会
オーガナイザー
森長 誠(大同大学),谷津 幸裕(日野自動車),山崎 徹(神奈川大学),横島 潤紀(神奈川県環境科学センター),白橋 良宏(神奈川大学),山内 勝也(九州大学),辻村 壮平(茨城大学),岡田 泰明(名城大学)
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No. 配信 タイトル・著者(所属)
1

自動車技術会車外騒音部門委員会の活動概要

山崎 徹(神奈川大学)

車外騒音部門委員会が2021年度から活動を行っている.本委員会では,音源としての自動車騒音の予測・評価の技術から,環境影響や道路周辺住民の意識や反応に与える影響まで多岐に渡る問題を整理・集約し,包括的に議論 することを目的としている.本講演では,これまでの委員会での取り組みの概要について紹介する.

2

低周波数成分を含む自動車単体騒音に対する主観評価

籔内 和真(神奈川大学大学院)・横島 潤紀(神奈川県環境科学センター/神奈川大学)・森長 誠(大同大学)・牧野 康一・土肥 哲也・横山 栄・小林 知尋(小林理学研究所)・山崎 徹(神奈川大学)

筆者らは,低周波数領域の40 Hzまたは50 Hzの音圧レベルが卓越する大型車単体騒音を刺激とし,低周波音実験室において主観評価実験を実施した.本報では,低周波数成分における卓越周波数の音圧レベルが,低周波音による影響として特徴付けられる圧迫感・振動感,騒音に対する不快感に及ぼす影響を検討した.

3

道路交通騒音による中途覚醒の客観的評価
-ウェアラブルデバイスを用いた試み-

森長 誠(大同大学)・横島 潤紀(神奈川県環境科学センター/神奈川大学)・梅崎 良樹(社会システム)・山崎 徹(神奈川大学)

交通騒音による睡眠影響に関して,主観的なアンケート調査による検討が古くから行われているが,より客観的な方法による科学的知見も必要とされている.本研究は簡易的かつ客観的に睡眠影響を評価する試みとして,ウェアラブルデバイスによる覚醒の判定と,騒音レベルとの関係性について検討したため報告する.

4

生成AI技術を活用した交通騒音データ生成に関する検討
-潜在空間のパラメータ操作による交通騒音生成の可能性-

鄭 萬溶(沼津高専)・松永 立樹(沼津高専専攻科)

本研究は,実世界の交通環境において記録・取得が困難な騒音データを高精度かつ柔軟に生成する手法として,生成AI(Generative Adversarial Networksや拡散モデルなど)の適用可能性を検討するものである.近年,交通騒音予測モデルや防音対策の検討に資する大規模かつ多様なデータセットの需要は拡大しているが,実測によるデータ収集は測定コストや環境要因の制約,プライバシー・セキュリティ上の懸念などから困難を伴う.本研究では,既存の実測データを学習データとして,生成AIを用いることで多種多様な交通騒音波形の合成を試みる.具体的には,道路交通量,車種構成,走行速度,気象条件などのメタ情報を統合的に考慮した条件付き生成モデルを構築し,これにより現実的な騒音波形の生成や信号特性(スペクトル特性,時間変動特性)の再現を評価する.また,提案手法で生成されたデータを用いて騒音予測モデルの学習や異常検知アルゴリズムの評価に適用し,その有効性を検証する.最終的に,本研究は生成AI技術によるシミュレートデータの質的向上が,交通環境音解析および関連政策策定の基盤を拡充する可能性を示すことを目的とする.

5

道路交通騒音予測モデル“ASJ RTN-Model2023”の概要

岡田 恭明(名城大理工)・山内 勝也(九州大芸工)・坂本 慎一(東大生研)

日本音響学会の道路交通騒音調査研究委員会では,50年以上にわたり予測モデルの開発に努めてきた.その成果として,2024年4月に新しい予測モデル“ASJ RTN-Model 2023”を公開した.これは,2019年のモデル“ASJ RTN-Model 2018”を改良したもので,最新の知見に基づいて,非定常走行時における車両の音響パワーレベルや伝搬計算方法を見直している.

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